中教審分科会　オンライン開催　新教育様式実践求める　収束後は協働的学びを

（コロナウイルス関連 2020-06-12付）

　中央教育審議会初等中等教育分科会「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」第９回会議が１１日、文部科学省内で開かれた。今後の遠隔・オンライン教育の方針について、文科省が新型コロナウイルス感染症の収束前と収束後に分類して説明。収束前は教員による対面指導と組み合わせた新しい教育様式を実践し、収束後は家庭・地域社会と連携して協働的な学びを展開するなど、今後の方針と具体的取組を示した。

　ウェブ会議で、動画共有サイトＹｏｕＴｕｂｅを通して様子を配信した。

　はじめに文科省から、初等中等教育におけるこれからの遠隔・オンライン教育等の在り方について説明。「新型コロナウイルス感染症が収束しておらず、必要に応じて臨時休業が行われる段階（ＷＩＴＨコロナの段階）」「新型コロナウイルス感染症が収束した段階（ポストコロナの段階）」に分類し、基本的方針や今後の主な取組を示した。

　ＷＩＴＨコロナの段階では、教員による対面指導と遠隔・オンライン教育との組み合わせによる新しい教育様式を実践する方針を示したほか、ＩＣＴ環境の早期整備、教員のＩＣＴ活用能力の向上に向けた研修の提供、端末操作を補助するＩＣＴ支援員の活用などの取組を進めるとした。

　ポストコロナの段階では、教員が対面指導と家庭や地域社会と連携した遠隔・オンライン教育を活用し、協働的な学びを展開するとし、学習履歴（スタディ・ログ）を活用したきめ細かな指導の充実、遠隔授業やオンデマンドの動画教材を取り入れた授業モデルの展開などの取組を説明。感染症・自然災害で再び臨時休業が行われる場合に備え、各学校設置者において臨時休業中に学校の教育活動を継続する計画を作成するよう要請するなどの取組も挙がった。

　つぎに、いじめ・不登校・児童虐待への対応策の充実と今後の方向性について説明・協議。長期の学校休業で児童生徒の心が不安定になることが見込まれることから、「積極的な生徒指導」「予防的な指導の充実」「教育委員会・学校における組織的な対応の推進」「教育相談体制の整備」「不登校児童生徒の学習環境の確保」の５事項に関する今後の取組を示した。

(コロナウイルス関連 2020-06-12付)