札幌新陽高が全道ＩＣＴ研修会　在宅学習の実際紹介　オンライン授業のヒント示す

（コロナウイルス関連 2020-06-12付）

安藤教諭ら新陽高校の教員がこれまでの実践を伝えた

　札幌新陽高校（荒井優校長）は８日、同校でオンラインによる全道ＩＣＴ研修会を開いた。道内外の教育関係者約２３０人とウェブ会議アプリで接続。「ＩＣＴを利用した未来の学びをつくる」をテーマに、同校が取り組んでいるオンライン在宅学習の内容や、活用しているツールの機能、運用時のポイントなどを紹介し、子どもたちに新たな教育の機会を提供するためのオンライン授業を行うヒントを示した。

　生徒が１人１台の端末をもつ同校では、ＩＣＴを活用した双方向でのオンライン学習にいち早く取り組み、長期臨時休業中にも全学年でオンライン授業を進めてきた。

　研修会は、コロナ禍で教育の機会が失われてしまった児童生徒に新たな教育の機会を提供することや、全国で「個別最適化された学び、地域社会につながる協働的・探究的な学び」に寄与する“ニューノーマル”な教育を構築することが目的。一昨年から年に数回開催しており、４回目となる今回は、道内にとどまらず道外からも多くの参加申込があった。

　公・私立の小・中学校、高校教員や大学教授、同校教職員ら約２３０人が参加。ウェブ会議アプリＺｏｏｍを使い、オンライン上で実施した。

　冒頭、安齋圭亮教諭が、同校のＩＣＴ導入状況やオンライン授業実施の背景を説明。「若い先生が多いから、私立高校だからＩＣＴ教育を進められたのではない」と話し、教員間の連携や挑戦を繰り返してきたこれまでの経緯や試行錯誤を重ねてきたことを伝えた。

　続いて、アプリ上にいくつかの小会議室を設け、分科会を実施。同校の教員を各室のファシリテーターに据え、参加者と各校の現状などを共有した。

　つぎに、志賀美紗子教諭が学校でのＩＣＴ活用について紹介。同校で使用している校務システムやソフトウェアの機能を説明した上で、課題配信や提出・返却、採点、テストの実施などにおける活用例を示した。

　尻江重幸教諭は、在宅学習時における担任としての実践例を紹介。①アンケートフォームで登校確認②オンライン上でホームルーム③４５分のオンライン授業を４コマ④帰りのホームルーム⑤登校時と同様に下校確認―といった一日の流れを示し、休校ではなくあくまで在宅学習として学びを進めてきたことを伝えた。

　アンケートフォームによる登下校の確認では、同時に体温や体調も確認。集約が容易であるため、養護教諭と共有しやすいことや、感染者などが出た際の対応が瞬時に行えることなどのメリットを挙げた。

　また、当初は出席確認後すぐに授業を行っていたが、生徒の現状把握や連絡事項の伝達が不十分であったことから、画面共有などを活用して「見える化」したＳＨＲを行うようになったことを伝えた。

　このあと、再度分科会に分かれて意見を交わした。

(コロナウイルス関連 2020-06-12付)