教育大附属旭川中と幕別町札内中　遠隔で技術の合同授業　ペン立ての素材や加工法学ぶ

（学校 2020-06-26付）

附属旭川中の様子。モニターに札内中の生徒が映る

　【旭川発】道教育大学附属旭川中学校（上田祐二校長）と幕別町立札内中学校（橋本靖宏校長）は２２日、遠隔合同授業を行った。ウェブ会議システムＺoomを用いた双方向授業として、第１学年技術・家庭科の技術分野を附属旭川中の関健太教諭と札内中の真鍋巽教諭がチーム・ティーチング（ＴＴ）で展開。両校の生徒は使いやすいペン立てをつくるために、木材の材質やＰＰ（ポリプロピレン）シートの特徴などを理解した。

　取組は、附属旭川中が前年度から行っている。学校規模の縮小、教員一人ひとりの負担増大、免許外指導の実現、研修に出席しにくい現状など、様々な現状や特徴をもつ地域に対して附属学校として進める地域貢献の一つ。ＩＣＴ活用による授業支援や、教員研修支援のライブ配信などを展開している。

　今回、Ｚｏｏｍを活用した試験的運用の第１弾として、札内中との合同授業が実現。留萌市立留萌中学校の教職員が参観した。

　対象は、１年生１学級。附属旭川中から３６人、札内中から３１人が授業を受けた。

　学習内容は、技術・家庭科（技術分野）Ａ材料と加工の技術とし、課題は「いろいろな材料を加工して、使いやすい鉛筆立てをつくろう」。

　本時は３時間計画のうち１時間目で、目標は「適切な加工の技術の使い方について理解することができる」と設定。関教諭と真鍋教諭がＴＴで授業を進め、授業説明等は主に関教諭が行った。

　導入で、双方の生徒にプリントを１枚配布。プリントには、半円の板と長方形の立て板で組み立て、側面をＰＰシートで覆った鉛筆立ての写真３枚を掲載し、断面や接着、接合を観察させた。“正確に加工するためにはどうすればよいか”という技術の視点を踏まえて、気付いたことを双方で意見交流させた。

　その上で、学習課題を提示。関教諭が差し金、けがきなどの作業方法を説明した。

　確認作業のあと、生徒が２人１組になって板材を固定し、両刃ののこぎりで切断作業などを行った。

　振り返りでは、双方の生徒が気付いたことなどを意見交換。附属旭川中の生徒は、木材を切断する際に気付いたことを発表し、「下までまっすぐ切れなかった。原因は、自分の体が斜めになっていたから」などと分析した。

　最後に、関教諭が本時の授業についてまとめるとともに、次回の授業について説明。双方の生徒がそれぞれ号令をかけて一礼し、「ばいばい」と手を振って授業を終えた。

　授業を参観した附属旭川中の西岡裕英副校長は「遠隔授業は、生徒同士、教職員同士の交流が図りやすくなる。特に教職員にとっては、互いの質を高め合える手立ての一つにもなるので、今後も活用を図りたい」と述べ、今後も様々な教科での実施を検討していく考え。

(学校 2020-06-26付)