信頼される教育推進へ 札幌市中学校長会の活動方針・重点(関係団体 2020-07-09付)
札幌市中学校長会(葛西孝之会長)は、本年度活動方針、活動の重点を決めた。活動の重点には「校長会の組織・運営の強化と研修の充実」「学校経営の改善と充実」「学校経営の条件整備と教職員の待遇改善」「教育関係機関や諸団体との連携強化」の4点を提示。信頼される中学校教育の推進に向け、会の組織と機能を一層充実させながら、校長としての研鑚と職能の向上に取り組む。
活動方針、活動の重点の概要はつぎのとおり。
◆活動方針
令和という新たな時代を迎え、急激な社会変化やグローバル化、急速に進む情報化や技術革新は人間生活を質的に変化させつつある。学校教育においても、学力および体力の向上、ネット社会での生き方、いじめや不登校への対応、心と命の教育等、解決すべき多くの課題を抱えている。
このような状況の中、未来社会を生きる子どもたちは、予測困難な社会と向き合い、変化を前向きに受け止め、社会や人生をより豊かなものにしていくことが期待されている。
学習指導要領には、社会に開かれた教育課程を目指し、学校、家庭、地域の関係者が幅広く共有し活用できる「学びの地図」としての役割や、教育課程を軸に教育活動の質を向上させるカリキュラム・マネジメントの実現、主体的・対話的で深い学びの実現による授業改善等が盛り込まれている。
また、育成を目指す資質・能力は、「何を理解しているか、何ができるか」「理解していること、できることをどう使うか」「どのように社会・世界とかかわり、よりよい人生を送るか」という3つの柱から再整理され、令和2年度は移行措置の3年目を迎え、次年度からは全面実施となる。
Society5・0時代を迎え、GIGAスクール構想が打ち出されるなど、校長として、新たな国の教育の方向性と理念を深く理解するとともに、その土台となるチームとしての学校の実現、教員の資質・能力の向上、指導体制の整備・充実、また、働き方改革としての業務の見直しや家庭・地域との連携・協働等、取り組まなければならない課題は山積している。
札幌市においては、平成26年度から10年間の教育の目標や方向性を明らかにした市教育振興基本計画を策定し、市の教育が目指す人間像を「自立した札幌人」と掲げ、その姿を「未来に向かって創造的に考え、主体的に行動する人」「心豊かで自他を尊重し、共に高め合い、支え合う人」「ふるさと札幌を心にもち、国際的な視野で学び続ける人」とした。
2019年度からは後期札幌市教育アクションプラン(2019~2023年度)が示された。その実現に向けて、札幌市学校教育の重点において、知徳体の調和のとれた育ちを目指し、「学ぶ力の育成」「豊かな心の育成」「健やかな体の育成」とともに、「信頼される学校の創造」が学校教育の重点として示され、目指す子ども像と具体的な育成プラン等が提示されている。
札幌市の各学校においては、これらの方向性や重点を適切にとらえ、保護者や地域との連携を図りながら、学校教育の目標の具現化に向け、市が抱える喫緊の課題である「命を大切にする指導」「いじめや不登校等の解消に向けた取組」「学ぶ力の育成に向けた授業改善」「体力と運動能力の向上」「規範意識・情報モラルの醸成」「学校評価や学校職員評価に関する課題」「学校における働き方の見直し」などに一層真摯に取り組まなければならない。
札幌市中学校長会は、国や市の教育の方針、重点などを踏まえながら、さらに、信頼される中学校教育を推進すべく、共同研究基本主題「新たな未来を紡ぎ、よりよい社会を創る力を育む札幌市中学校教育」のもと、会の組織と機能を一層充実させながら、校長としての研鑚と職能の向上を目指していきたい。
併せて、令和4年度第73回全日本中学校長会研究協議会北海道(札幌)大会、9年度第84回大都市中学校長会連絡協議会札幌大会、9年度札幌市中学校長会80周年記念誌『札幌市中学校教育80年』の発刊に向けて、計画的、組織的に準備を進めていきたい。
また、新型コロナウイルス感染症への対応にかかわり、適切な正しい情報に基づきながら、学校の正常な教育活動の再開と推進に向け、校長会の力を結集し取り組んでいきたい。
◆活動の重点
▼校長会の組織・運営の強化と研修の充実
▽全市・各区校長会における情報共有と行動を支え合う連携の強化
▽各部業務に関する研修の充実と実践活動の活発化
▽諸会議・研修会の内容の精選と充実および諸課題解決のための情報共有と行動を支え合う連携の推進
▽市教委、幼・小・高の園長・校長会、大都市中学校長会、道中学校長会、全日本中学校長会との連携
▼学校経営の改善と充実
▽新学習指導要領への移行および札幌市学校教育の重点を踏まえた教育課程編成・実施上の諸問題の解決
▽情報教育や学習環境、校務組織と運営に関する諸課題の改善・充実
▽生徒の健康・安全、生徒指導上の諸問題などに対する研究と指導体制の充実・強化
▽進路指導に関する諸課題の改善・充実および関係機関との連携
▽特別支援教育に関する諸課題の改善・充実
▽学校評価の改善・充実と情報公開の推進
▼学校経営の条件整備と教職員の待遇改善
▽学校教育予算の確保と効果的な活用
▽長期的展望に立った学校施設・設備の整備・充実
▽適正な教員および学校職員配置などの人的条件の改善・充実
▽教職員の待遇改善および福利厚生の充実
▽学校における働き方改革のさらなる推進
▼教育関係機関や諸団体との連携強化
▽札教研事業、中文連・中体連、札進協の諸活動に関する連携
▽教護協会等の青少年健全育成、非行化防止活動に関する連携
▽小学校・高校、PTAおよびその他の教育関係機関・諸団体との連携
(関係団体 2020-07-09付)
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