地区校長会2年度事業計画等⑯ オホーツク管内校長会
(関係団体 2020-07-10付)

◆活動方針

 今日、わが国は知識・情報・技術の加速度的な変化の中、Society5・0の新たな社会における技術革新とグローバル化の一層の進展とともに、急激な少子高齢化が進み、先を見通すことが難しい状況となっている。そのような時代の変化に対応し、教育改革は未来を見据えて急速に展開しており、新しい時代の要請に応える学校教育の在り方と方策が盛り込まれた新学習指導要領に基づいた取組が着実に進んでいる。

 こうした中、学校においては、校長の明確なビジョンと鋭い時代感覚のもと、創意ある取組と組織の活性化を図り、生きる力を育む教育課程の編成・実施・評価・改善に努めなければならない。

 また、きめ細かで質の高い教育活動の充実、地域全体での学びの促進などによって、自立した人間として、多様な人々と協働しながら創造的に生きていくために必要な資質・能力を育成することが求められている。

 さらに、北海道胆振東部地震での教訓を生かした学校安全教育の実施、いじめ・不登校等の生徒指導、学校における働き方改革、とりわけ子どもと向き合う時間の確保や教員の過度な長時間勤務の改善など、山積する緊急かつ重要な課題に対応していかなければならない。

 本会は、このような現状を深く認識し、ふるさとの地から世界をみつめ、新しい社会の形成に向けて挑戦する子どもを育てるため、「チームオホーツク管内校長会」として関係機関等との連携をより一層強化し、管内的な取組を通して課題解決に努め、地域・保護者の信託に応える学校経営を推進していく必要がある。

 そのために校長は、自らの使命を自覚し、リーダーシップと指導力を発揮して、学校組織の活性化と教職員の資質・能力の向上等に努め、活力ある学校づくりに全力で取り組む。

◆活動重点・活動内容

▼愛情と信頼に基づく、活力ある学校経営の推進に努める

 学校力を向上させ、児童生徒への教育効果を上げることを目指し、自らの使命感を自覚して識見と力量を高めるとともに、組織機能の改善、活性化を図り、地域・保護者の信託に応える学校経営を創造していく。

▼生きる力を育む教育課程の編成・実施と評価・改善に努める

 学習指導要領の趣旨を生かした教育課程の編成・実施および自己点検・自己評価を行い、生きる力を育成する学校教育の創造に努める。

▼子ども理解を深め、時代の変化に即した生徒指導の充実に努める

 共感的な児童生徒理解を基盤とした積極的な生徒指導の充実を図るとともに、家庭・地域社会、関係機関等との連携を通し、個性の伸長や自己実現を目指し、社会性を育成する生徒指導の体制確立と改善に努める。

▼校長の資質・能力の向上を図る研修活動の推進に努める

 社会を生き抜く力を身に付けた新たな知と未来を切り拓く日本人を育てる研修活動を推進し、研究成果の交流を図るとともに、校長自らの研鑚に努める。

▼教職員の資質・能力の総合的な向上に努める

▼組織内や関係機関との連携による組織の強化に努める

▼教育諸条件を把握し、その改善と整備・充実に努める

▼教職員の処遇の改善に努める

◆研究主題

「社会を生き抜く力を身に付け、新たな知と未来を切り拓く日本人を育てる学校教育の推進~オホーツクの大地から世界を見つめ、新しい社会の形成に向けて挑戦する子どもを育む学校経営の推進」

◆主題設定の理由

 知識基盤社会やグローバル化の進展によって、世界全体が急速に変化する中にあって、わが国は産業の空洞化や生産年齢人口の減少など諸課題を抱える極めて危機的な状況にある。

 また、今後も進展が予想される少子化・高齢化を踏まえ、一人ひとりが生涯にわたって能動的に学び続け、新しい時代を切り拓いていくために必要な資質や能力を身に付け、その成果を社会に生かしていくことが可能な生涯学習社会を目指していく必要がある。

 一方、学校教育の現状に目を向けると、いじめや暴力行為、不登校などの解決・解消が引き続き重要な課題になっている。学力の向上はもとより、家庭や地域社会の連携を一層強化し、子どもの学習や生活の基盤づくり、規範意識の育成、体力の向上など、豊かな心と健やかな心身の育成も学校教育には求められている。

 さらに、これからの学校は実社会とのかかわりを重視し、個人の自立と様々な人々との協働に向けた力や困難に直面しても諦めることなく臨機応変に行動する力など、社会を生き抜く力を育成することが必要となる。そのためには、子どもの自己肯定感を高めながら、わが国の伝統と文化を基盤として、国際社会に生きる誇りある日本人を育てることが重要である。

 学習指導要領の目指す生きる力は、生涯にわたる学習の基礎となり、あらゆる子どもに共通して求められるものとして、その理念は継承され、各学校においては、教育基本法および学校教育法などの示すところに従い、人間として調和のとれた子どもを育成するための教育課程の編成・実施・評価と改善が求められている。

 北海道においては、「自立」「共生」のキーワードのもと、校長のリーダーシップと創意、調和のある教育課程の編成と実施に努め、信頼される学校づくりを推進し、その実践研究の充実に取り組んできた。

 今後は、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、基礎的・基本的な知識および技能を習得させ、これらを活用して、課題を解決するために必要な能力を育むとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を生かす教育の充実に努めることが重要である。

 そのためには、学校の実態および子どもの心身の発達の段階や特性を十分考慮するとともに、これからの子どもたちに必要な資質や能力を明確にし、それらを実現する適切な教育課程を編成しなければならない。

 また、人間としての調和のとれた人格の育成を目指し、家庭や地域社会との連携を図りながら、子どもの学力・体力の向上や心の教育の充実に努めることが必要である。

 新しい社会とは互いの個性やつながりが一層重視される社会である。こうした社会の形成に向けてたくましく挑戦する子どもを育むためには、人と人との絆をつくり支え合う共生の意識や、夢と希望に満ちた活気溢れるふるさとづくりに積極的に貢献しようとする意識など、社会の形成者としての意識を醸成することが必要である。

 さらに、社会状況の変化や課題に立ち向かい、社会を生き抜く力を身に付け、切磋琢磨しながら、新たな知と未来を切り拓く日本人を育てることが必要となる。

 オホーツク管内校長会は、子どもたちを取り巻く環境や教育関係機関との連携・協力のもと、教育改革のさらなる推進と学習指導要領に基づいた学校教育の確実な実施を図る必要がある。

 我々校長は、確固たる教育理念や将来へのビジョンをもち、これらの実現に向けてリーダーシップを強く発揮しなければならない。教職員の意識改革を図り、その資質の向上に努めるとともに、信頼される学校づくりを推進する責務がある。

 そして、常に課題意識をもち、着実に研究実践を積み重ね、成果を交流し合い、自らの職能向上と信頼されるオホーツク教育の創造に努めることを忘れてはならない。

 そのために、オホーツク管内校長会は、これまでの研究の成果を継承しつつ、4年継続研究の基本主題を「社会を生き抜く力を身に付け、新たな知と未来を切り拓く日本人を育てる学校教育の推進」と設定し、学校経営の責任者である校長の果たすべき役割と指導性を究明しようとするものである。

(関係団体 2020-07-10付)

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