道高校長協会等の文教施策要望 ICT支援員など派遣を
(関係団体 2020-07-09付)

 道高校長協会(廣田定憲会長)、道高校教頭・副校長会(瀧澤共喜会長)、道公立学校事務長会(坂井秀昭会長)が、道教委に提出した令和3年度道文教施策に関する要望書の内容はつぎのとおり。

◆教育にかかる制度 施設・設備の課題

1 学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」〈重点〉

北海道アクション・プランに基づく働き方改革を進めるために、運動系部活動指導員の待遇を改善し、人数・時間を拡充することを要望する。

 チーム学校の実現のために、スクールカウンセラーのさらなる配置拡充およびスクールソーシャルワーカーの派遣拡充を推進するとともに、複雑多様化する課題への適切な対応を図るため、スクールロイヤー制度の確立を要望する。

 さらに、スクール・サポート・スタッフの配置や調査の精選等、学校事務負担の軽減を要望する。

2 教育の情報化のための環境整備〈重点〉

 GIGAスクール構想に伴う教育の情報化を推進するため、教員や生徒への端末の配布、Wi―Fi環境の充実、プロジェクターの配置など、オンライン授業に対応できる環境整備を要望する。

 校内の情報システムの管理やセキュリティ対策、機器のメンテナンスなどを担う専門的スキルを有するICT支援員の配置ないし派遣を要望する。

3 校務支援システム

 校務支援システムについては、調査書の電子化、新学習指導要領の実施に伴う生徒指導要録の様式改訂に向けて必要な改修の方針およびスケジュールを明確にし、準備期間に十分配慮した対応になるよう要望する。

4 学校事務の改善〈重点〉

 道立学校運営支援室および教職員事務課の業務が、学校と連携のもと円滑に行われ、より効率的な学校事務が進められるように要望する。

 また、学校における事務改善の効果についての検証を早急に行い、業務量に応じた人員配置や業務改善を要望する。

5 特別支援教育の推進

 高校における特別支援教育を充実させるため、特別支援教育支援員の拡充や通級による指導が必要な学校には、専門的な知識・技能を有する教員の加配など指導体制の充実を図ることを要望する。

6 学校図書館の充実

 道子どもの読書活動推進計画〈第4次計画〉目標指標「令和4年度までに70%の高校に学校司書を配置」の実現を図るため、司書資格を有した専門性のある学校司書(改正学校図書館法による)の計画的な配置を要望する。

7 定通教育の充実

 定時制通信制高校については、教育条件の充実に向けた施策を推進することを要望する。

 特に、通信制については、協力校の小規模化が進行する中、協力校体制の維持・向上に向け、面接指導における遠隔システムの活用の検討や協力校配置の見直しを図ることを要望する。

 また、各校の実情に合った地方指導員の配置や面接指導講師の確保に十分配慮することを要望する。

8 施設・設備の整備〈重点〉

 老朽化の著しい校舎および寄宿舎の整備を計画的かつ着実に進めることを要望する。

 また、産業教育に対する時代の要請に応えることができるよう、産業教育実習装置を含めた専門教育・職業教育に関する施設・設備については、早急に予算措置することを要望する。

9 寄宿舎等へのAED設置

 生命にかかわるような事態に迅速に対処することのできる危機管理体制を構築するため、必要とされる場所、特に生徒が日常的に生活を送る寄宿舎においてAEDを設置することを要望する。

◆学校の運営費等

1 学校運営費の増額および配分

 適正かつ円滑な学校運営のため、学校運営費の増額を図るとともに、学校・学科の実態や特色に即した教育活動の予算措置に配慮することを要望する。

2(1) 普通旅費および研修旅費の確保

 教職員の研修旅費、新規学卒者求人確保対策費(旅費)等を引き続き確保することを要望する。

2(2) 修学旅行引率旅費等について

 貸切バスなど各種料金の大幅値上がりや地域の交通事情を踏まえた予算を確保することを要望する。

 また、配分基準教員数の激変緩和措置を継続するための予算を確保することや特別な配慮が必要な生徒の引率にかかる教員の増員など学校事情に引き続き対応することを要望する。

3 公費負担による口座振替

 学校徴収金や団体会計については、公費に準じた取扱いになっていることから、金銭事故防止および学校事務の効率化の観点からも、引き続き公費負担による口座振替を実施することを要望する。

4 道高校奨学会奨学金の支給方式

 道高校奨学会奨学金について、学校の事務負担軽減のため、自己申請制度を設定し、直接、奨学会から個人へ支給する方式を取り入れるよう、奨学会に働きかけることを要望する。

5 高校体育活動への道費補助

 体育活動振興のため、高体連・定通体連に対する補助金の予算を確保することを要望する。

◆教職員関係

1(1) 教職員加配の弾力的な運用と拡充〈重点〉

 学校や生徒の実態に即し、創意工夫を生かした学校改善、研究指定校事業の取組の充実、学習指導・生徒指導の質の向上、特別支援教育への対応、働き方改革の推進などに積極的に取り組めるよう、国の教職員加配に加え、道独自の加配など、弾力的な運用と拡充を図ることを要望する。

1(2) 講師時間数増と配当時数の弾力化

 生徒の実態に応じて多様な選択教科・科目を設定するため、学校の実情に十分配慮して講師時間数を増やすとともに、3間口以下の学校についても、間口数や学校の実態に応じた講師時間数の配当を図ることを要望する。

1(3) 外部講師等の確保

 グローバル化への対応や外国語教育および総合学科における教育活動の充実のため、民間非常勤講師の時間数確保を要望する。また、ALTの配置を含む外国人講師の拡大について配慮することを要望する。

2(1) 教職員の人事

 人事異動要綱・実施要領については、一部改正後の実施状況を検証し改善を図ることを要望する。

2(2) 行政職員にかかる人事〈重点〉

 行政職員については、業務の円滑な遂行と相互牽制の確保をするため定数改善を要望する。また、事務主任を適切に配置することを要望する。

2(3) 管理職にかかる人事〈重点〉

 減少している教頭の候補者を確保し、教頭未配置校をつくらないために、給与等の待遇改善や特殊事情による勤務地への配慮など具体的かつ実効性のある方策を早急に検討することを要望する。

 副校長の配置については、学校組織運営体制の一層の充実を図る観点から、支部長校をはじめ、学校の実情に応じて、加配として配置することを要望する。

2(4) 主幹教諭配置にかかる講師時間数の配分

 主幹教諭の職務を遂行するために、授業担当時間数を軽減できるよう講師時間数を配分することを要望する。

2(5) 新採用者の確保〈重点〉

 教員希望者の減少や採用登録辞退者の増加を踏まえ、優れた人材を確保するため、待遇の改善を図るなど、より効果的な新採用者確保のための方策を講じることを要望する。

 職業学科の実習を担当する実習助手の採用について、専門性(知識・技術・技能)を有する者の確保に、引き続き十分配慮することを要望する。

2(6) 教科「看護」「福祉」「芸術」「家庭」「情報」「水産」の教員配置にかかる人事

 教科「看護」および「福祉」「芸術」「家庭」「情報」「水産」の教員配置については、地域や学校の実情を考慮の上、教員の確保、積極的な任用、他校との兼務のための条件整備および特別免許状制度の活用など、特段の方策を講じることを要望する。

2(7) 正規採用者および期限付教諭の確保〈重点〉

 期限付教諭については、年間を通じてその確保が困難な状況にあり、特に郡部においては学校運営に大きな支障が生じることから、正規採用を確保するための方策を講じることを要望する。

 また、年度途中の産休・育休等の代替教員の確保が極めて困難な状況であることから、時期を問わず確実に人材を確保することを要望する。

3 研修の充実強化

 職業学科における新採用実習助手等の研修の新設を要望する。

4(1) 再任用職員の待遇改善

 本道の広域性や再任用制度の趣旨を踏まえ、再任用職員にへき地手当、寒冷地手当等を支給することを要望する。

4(2) 舎監等の待遇改善

 寄宿舎を有する学校教職員の業務が過重であることから、働き方改革の観点を踏まえて、舎監の増員もしくは寄宿舎指導員の配置等、加配の措置を要望する。

4(3) 公宅の改築・修繕等

 老朽化した公宅の改築や修繕の一層の促進を図るとともに、地域の実情に応じて改築・改修年限の短縮措置を講じるなど、特に郡部の住環境を改善することを要望する。

5 給特法改正等を踏まえた実情に即した条例改正〈重点〉

 教職員の働き方改革を推進するために、給特法改正や勤務の割り振り制度を踏まえた上で、現場の現状に即した条例改正を要望する。

(関係団体 2020-07-09付)

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