防災備蓄へ予算配分を 道文教施策へ提言 道特長
(関係団体 2020-08-06付)

 道特別支援学校長会(木村浩紀会長)が道教委に提出した『令和3年度道文教施策に関する提言書』の内容はつぎのとおり。

【提言1】特別支援学校における働き方改革の取組と課題に関する提言

 今回の調査研究では、学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」の取組状況と成果・課題、学校における働き方改革を実現するために必要な条件整備等について調査研究を行った。

 その結果、①本来担うべき業務に専念できる環境を整備するためには、専門スタッフの配置が必要である②部活動の指導にかかわる負担軽減が十分ではない③時間外勤務に向けた取組は定着してきているが、学校の努力だけでは解決できない業務の削減や、業務削減のための新たな制度や予算等の条件整備が必要である④調査業務等の見直しや、勤務時間等の制度改善など、教育委員会による学校サポートが必要である―などが明らかになった。

 特別支援学校は多種多様な職種の職員が勤務しており、それぞれの学校に独自の課題がある。教職員が健康で生き生きと働きがいをもって子どもたちに向き合い、学校教育の質を高め、地域の特別支援教育のセンター的役割を十分に担うためには、上記の課題解決に向け、実効性のある取組が必要である。

 このことから、以下の事項を提言する。

▽チーム学校を実現するためには、各学校の課題やニーズに応じた専門支援員、校務をサポートするスタッフ、就労支援コーディネーター、ICT機器を管理運用できる知識や技術をもった職員等の配置が求められる

▽部活動の大会参加等にかかる振り替えがすべての学校で実施でき、また、指導する教職員の負担を軽減するために、教育委員会が積極的に部活動指導員の募集や確保が求められる

▽ワークバランスを意識した働き方を推進するためには、業務過重を解消するための人の配置、職員の勤務管理や機械警備にかかる雑多な業務、寄宿舎やスクールバスにかかる課題、時間外の保護者対応など、各学校の課題について改善が求められる

▽調査や報告物の一層の削減が求められる。また、特別支援学校の業務の特殊性・多様性に対応する専門スタッフや外部人材の活用、学校のトラブルをサポートする体制の構築が求められる

【提言2】特別支援学校における危機管理(防災対策)および基礎的環境整備に関する提言

 平成30年9月に発生した北海道胆振東部地震は、最大震度7を記録し、道央圏中心に甚大な被害が出た。また、地震直後に発生したブラックアウトは、これまで経験したことがない非常事態となり、道民が不安と混乱の中で数日を過ごすこととなった。

 ここ数年は台風による大きな被害が続けて発生するなど、自然災害に対する危機意識を高めて、災害に強い特別支援学校を運営することが重要である。

 自然災害のみならず、現在世界的にまん延している新型コロナウイルスの感染予防についても最大限の危機管理意識が求められている。

 特別支援学校は道内各地に点在し、多くは寄宿舎を設置している。24時間が生活の場であること、障がいの状況や広域な地域の特性などを踏まえた危機管理(防災対策)および基礎的環境整備が急がれることから、以下の事項を提言する。

▽多くの学校では、児童生徒の安全な避難、ライフラインの確保、防災備蓄、学校外での対応、登下校時(スクールバス含む)など、災害発生時に多くの不安を抱えている。特に、防災備蓄は、胆振東部地震の教訓から防災備蓄に努め始めているものの、冬季、または長期化には十分対応できる状況にはない。学校の予算だけでは不十分であることから、教育委員会が計画的に予算を配分し、つぎの災害に備えることが求められる

▽災害時には地域との連携が重要だが、実際には学校所在地域と災害に関する連絡体制が十分ではなかったり、避難所開設時に具体的な相互連携が進んでいなかったり、学校がある自治体と災害時の対応について十分な協議をしていなかったりするなどの課題がある。道教委あるいは道として、災害に対する地域との連携強化を図るために、例えば特定の自治体と特別支援学校を災害発生時の対応に関するモデル事業に指定し、相互連携に関する諸課題の洗い出しや、解決の方向性を検討するなどの具体的な取組が求められる

(関係団体 2020-08-06付)

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