【解説】教育実習等で特例措置　文科省

（コロナウイルス関連 2020-08-17付）

　文部科学省は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、本年度に限り教育実習・介護等体験の実施に関する特例措置を講じる。教育実習の総授業時数の一部または全部を大学での実習で、介護等の体験を大学の授業・レポートなどで代替できる。萩生田光一文部科学大臣は、実習ができない場合も学習指導員として学校現場を訪れる重要性を示し、関連大学・教育現場が連携し取り組むよう求めた。

　文科省は４月、教員養成大学における本年度の教育実習の実施時期を秋以降とするよう要請する通知を発出。一方、再開後の学校では、感染症対策に万全を期しながら学びの保障に取り組んでいる状況にあることから、例年と同様に教育実習を実施することが困難な状況と判断した。

　このため文科省は、１１日付で通知「教育職員免許法施行規則等の一部を改正する省令の施行」を発出。大学に在学する学生等が教育実習の科目の単位を修得できない場合、総授業時間数の全部または一部を大学での実習によって代替できること、学内の実習が困難な場合、課程認定を受けた教育実習以外の科目の単位を充てることができる。

　また、小・中学校の教員免許状授与の要件となる７日間の介護等体験（特別支援学校、老人福祉施設、障がい者支援施設等）の特例も設定。特別支援教育、介護・福祉に関する大学の授業・レポート、文科省が指定する講習の受講で代替できる。

　１１日の記者会見で萩生田大臣は、学生が教員免許状を取得できない事態を避けるための本年度限定の措置であると説明。実習の受け入れができなかった場合、学習指導員として学校現場を訪れることも重要とし、教員志望の大学生が学校現場を経験するため、関連大学や教育現場が連携して取り組むよう期待した。

(コロナウイルス関連 2020-08-17付)