道教委・山本委員が中富良野小を視察　独自のコロナ対策に感心　「子に元気な姿を」教職員を激励

（コロナウイルス関連 2020-09-25付）

教職員を激励する山本委員

　【旭川発】道教委の山本伸弘委員は１６日、中富良野町立中富良野小学校（金光保校長）を訪問した。新型コロナウイルス感染症対策などについて関係者と懇談。前例がない中での経験を生かした同校独自の感染対策マニュアルの作成や、感染防止に向け継続している施設・環境の整備などについて報告を受けた。山本委員はこれらの取組をたたえるとともに、全教職員に向けて激励。健康に留意し、児童に元気な姿を伝えていくよう呼びかけた。

　中富良野小では、金光校長と八柳学教頭、中富良野町教委の鈴木晶教育長らの案内で校内を回り、体育や国語、学級活動などの授業を見学。続いて、学校の概況説明や新型コロナウイルス対策について報告を受けた。

　同校は、２月に児童２人が新型コロナウイルスに感染。全国で初めて１０歳未満の感染者が確認されたことから、感染症に対する情報が少ない中で様々な対応に追われた。感染予防のみならず、児童に正しい知識を身に付けさせ、いじめや偏見につながらないよう様々な対策を模索。臨時休業中の分散登校では、スライドを用いて感染症に関する指導を丁寧に行ったことや、いち早く児童の心のケアに当たったことなどを報告した。

　また、学校再開直後の６月、これまでの経験を生かした独自の感染マニュアルを作成。家庭と連携した健康管理の徹底や消毒など、基本的な感染対策に加え、学校生活における場面ごとの対策や感染が判明した際の扱い、学びの保障についても記載している。

　現在も家庭と連携した児童の体調管理などに努めており、毎朝、アプリなどで家庭から体温報告や欠席連絡を受け、入力のない児童には登校時に非接触型体温計で検温。今後、赤外線サーモグラフィーを導入する予定であることなど、継続して感染防止のための施設・環境の整備に努めていることを伝えた。

　山本委員は「活発でいながら集中力があり、協力して学習している姿から、子どもたちが教育の中で育てられていることをあらためて感じた」と評価。「先生方は前例のないことに相当苦労したことと思う。厳しい状況の中、しっかりとした体制を構築した結果がマニュアルなどに表れており、これは今後の参考となる取組」と感心していた。

　また、教職員全員に向け、これまでの取組をたたえるとともに「先生方自身が元気な姿を伝えていくことで、子どもたちも前を向いて頑張れると思う。現場で直接子どもたちに向き合う先生方の健康に何よりも留意してほしい」と激励した。

　この日、山本委員は中富良野小とともに、富良野市立樹海中学校（森田繁校長）、上富良野高校（辻芳恵校長）を視察。道教委の國安隆総務課長補佐、上川教育局の河野秀平局長、高野拓実義務教育指導監が同行した。

(コロナウイルス関連 2020-09-25付)