小中休業要請67%が妥当 道 新型コロナでアンケート調査
(コロナウイルス関連 2020-09-25付)

表
新型コロナウイルス感染症にかかるアンケート調査結果(クリックすると拡大表示されます)

 道独自の小・中学校における一斉休業要請(2月27日~3月4日)について、道内179市町村の67%が「妥当だった」「どちらかといえば妥当だった」と回答していることが、道の調査で明らかになった。全国の学校休業要請で影響を及ぼしたもの(複数回答)は「児童生徒の学びへの影響」が91%と最多で、「学校行事への影響(62%)」「児童生徒の心理への影響(59%)」などと続いた。

 道が実施した「新型コロナウイルス感染症にかかるアンケート調査」は、道新型コロナウイルス感染症対策有識者会議での議論の参考にするとともに、9月上旬に決定した「北海道における新型コロナウイルス感染症対策に関する検証中間取りまとめ」に反映させることを目的に実施したもの。

 調査対象は、道内179市町村、関係団体53団体。第1波・第2波への対応、医療提供体制等における連携、緊急対策などへの意見を調べた。

 教育関連の設問と回答はつぎのとおり。

《第1波への対応 学校の一斉休業》

【道独自の学校休業要請(2月27日~3月4日)にかかる設問】

1.2月26日に道独自の小・中学校の一斉休業要請(2月27日~3月4日)を行いましたが、その判断は、妥当だったと思いますか。

▼③、④と回答した市町村の主な意見

▽学校規模、管内感染状況、地域の実態等によって自治体判断としても良かったのではないか

▽教育現場(学校、保護者、児童生徒)での連絡体制、保護者の就労先、学童保育所の開設時間の工夫など、学校休業の要請日から開始までの時間が短く、混乱もあった

▽児童生徒・保護者に、感染症に関する正しい知識を伝えることを目指すのであれば全面休業を要請すべきではなかった

▽市町村、市町村教委との事前の十分な情報共有と連携がなかった

▽2月28日に国の一斉休業となり、家庭への周知、家庭内での養育方法など混乱を招きかねない状況であったため、国との連携を密にして判断すべきだった

2.当初決めた道独自の小・中学校の一斉休業要請の期間(2月27日~3月4日)について、どのようにお考えですか。

▼回答の主な理由

▽根拠のある期間なのか、説明等がなく不透明であった

▽地域の状況に応じた期間の設定が必要

▽結果として全国一律の一斉休校となったが、道独自の期間だけでは感染症対策としては短いと感じた

▽振興局別の感染状況を踏まえて判断すべき。振興局によっては当時の感染状況を考えると長かった

▽この時点での一斉休校の必要性に疑問がある

▽3月2日からの休業でも良かったのではないか

▼その他の主な意見

▽唐突な休校要請で、事前の準備・配慮に欠けていることや、期間の根拠は分からなかった

▽期間の妥当性についてはどちらとも言えないが、市町村に対して事前の確認と連絡を行い決定すべき

▽当時の状況からやむを得ないが、休業期間および再開の根拠を明示すべき

▽妥当ではなかった理由として、期間の長短ではなく児童生徒や保護者、地域住民への周知や休業期間中の生活等についての指導のための時間が必要だった

3.道独自の小・中学校の一斉休業要請に当たり、事前の情報提供や要請の考え方等についての貴市町村・貴団体との情報共有・連携に関する対応についてどうお考えですか。

▼③、④と回答した市町村の主な意見

▽正確な情報がない中でマスコミ情報が先行し、対応に影響があった

▽事前の情報提供がなく一方的な休業要請だったため、混乱を招いた

▽一斉休業による疫学的な有効性や、児童生徒・保護者に与える負の影響に対する対応策が示されなかった

▽道教委と教育長間では情報交換の機会をつくっていたが、首長の意見を知事部局に伝える機会も必要

▽休校、分散登校などは全道または振興局単位で統一見解が示されないと現場の混乱は避けられない

▼その他の意見

▽多少現場の混乱はあったが、タイミング的にやむを得ないものと判断

4.道独自の小・中学校の一斉休業要請に当たり、事前の情報提供や要請の考え方等についての、市町村教委との情報共有・連携に関する対応についてどうお考えですか。

▼③、④と回答した市町村の主な意見

▽道教委からの事前の情報提供が足りない

▽正確な情報がない中でマスコミ情報が先行し、教職員や保護者に混乱が生じた

▽メールやテレビ会議等での情報共有、連携が図られたが、道教委の方針が分かりづらく、市町村教委の判断に委ねられる対応が少なくなかった

▽検討状況の情報提供や各市町村の意見を聞くなどの連携があれば、市町村が判断に主体性をもちスムーズに取り組むことができたのではないか

▼その他の意見

▽前代未聞の非常事態に、先導する道教委としても混乱の中で必要な対応をいただいた

【全国的な学校休業要請を含む一連の学校休業要請にかかる設問】

5.道独自の小・中学校の一斉休業要請後、すぐに全国的な学校(小・中学校、高校、特別支援学校)の休業要請が行われたことによって、最も大きく影響を及ぼしたと思われるものを最大3つまで選んでください。

▼その他の回答

▽国に先駆け、地域に合った北海道としての対応を判断したことによって、先進的な前例をつくることができたと評価している

▽文部科学省と厚生労働省、さらには道のそれぞれの部局で、児童生徒の感染予防対策が統一、徹底されておらず、「学校は休め、保育は受けろ」によって、末端の自治体では混乱が生じていた

▽教職員については、休業期間中の課題の作成や家庭生活における指導対応の準備、また、再開後においては保護者への不安の解消や、学校生活において感染症対策の検討や実施などで大変苦慮しているのが現状である

▽給食の食材供給者やスクールバス運行事業者への影響も忘れないようにしてほしい

▽第2波、第3波(今後)において、全国・全道一斉休業は見直す必要があると考える。専門家の意見も割れているが、若年層や子どもの重症化率を踏まえると、季節性インフルエンザ等に準じ、感染状況によって学級閉鎖・学校閉鎖の対応をとることが望ましいと考える

▽道の要請後には、3月5・6日に登校して体制を整えられると踏んでいたが、国の要請によって、児童生徒、保護者、教員等には、多大な不安を及ぼしたと考えている

(コロナウイルス関連 2020-09-25付)

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