【解説】コロナ受けた学生への支援

（コロナウイルス関連 2020-10-21付）

　文部科学省は１６日、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた学生への支援状況等に関する調査結果を公表した。

　全国の国公私立大学（短期大学を含む）や高等専門学校を対象に調査。昨年とことしの４～８月の中退者数の割合を比較したところ、大きな変化はなかった。また、前期授業料の納付猶予について、全体の９９・１％の大学等で実施していることが明らかになった。

　調査は、９月２日から実施しているもの。今回の結果は、回答率が９９・４％となった１０月１４日現在の数字。

　結果によると、２年度前期授業料の納付猶予について、全体の９９・１％の大学等で、前期分の授業料の納付猶予を実施し、前年度４・５２％だったのに対し、本年度は６・７６％となり、より多くの学生に支援していることが分かった。

　後期授業料納付猶予については、全体の９７・５％の大学等で締め切り延長をすでに行っている、または、行う予定であると検討を進めている。

　昨年とことしの４～８月の中退者の状況を比較したところ、昨年は大学院生を含む学生２９６万９００３人に対し、中退者は１万４２３９人と０・４８％の割合を占めていた。

　ことしは、２９６万９３３７人のうち中退者が１万１４１１人で０・３８％の結果となり、前年度と比較しても大きな変化はないことが分かった。

　中退の主な理由は、経済的困窮が２３・１％、学生生活不適応・修学意欲低下が１５・６％など。上位を占めた理由とその割合は前年度同期と比べてもほぼ同様の数値となった。

　このほか、調査の際、各大学等が実施してきた経済的に困難な学生を支援するための取組や、退学を防ぐための様々な工夫に関する事例を紹介している。

(コロナウイルス関連 2020-10-21付)