コロナ禍での観察・実験法 10月~3年3月実施の学習で 北理研が『理科学習の進め方』第3弾 力伸ばす学びの一例を 網走小で体育の指導を体験する生徒(コロナウイルス関連 2020-10-20付)
道小学校理科研究会(=北理研、三木直輝会長)は『理科学習の進め方』第3弾を作成した。10月から来年3月に実施する学習について、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じた上で実践できる実験方法を紹介。高学年の理科の授業で実施するプログラミング教材についての紹介も盛り込むなど、コロナ禍における理科授業の指導のポイントを示した。同資料をもって、3~6学年全単元の学びの例を示した。
北理研は、これまで3~6年生の理科における第1弾、第2弾の資料を作成。新型コロナウイルス感染症予防に留意し、観察・実験を行いながら資質・能力を伸ばしていく学習の在り方の一例を示した。
第3弾においても、感染症対策に留意し、子どもの心が動き、子どもの力を伸ばす学びの一例として作成。今回は、秋から冬にかけて実施すべき単元について、指導例を記載した。
学習の進め方について、後期が終了するまでの理科室使用、観察・実験の工夫について要点を示したほか、教科書について、可能であれば、取り組み方のアドバイスを付けることなどの工夫をして、家庭学習として“学びを生かして深めよう”を位置付けることも可能としている。
実験の際には同じ方向を向いて行ったり、器具や用具を共用で使用する場合は前後で消毒や手洗いするよう指導することを求めている。
3年生の「音を出して調べよう」では、授業時数を5時間から4時間に短縮。うち、音を出して調べる実験は1時間とし、押さえるべきポイントとして、「音の大きさと震えの大きさを関係付けて考える」ことを示した。
実験では、身近な楽器で音を出す活動として、トライアングルの震えに気付けるようにかかわるほか、大太鼓や和太鼓など様々な楽器に付せんを貼ることで、音の大きさによって震えの変化に対する考えを引き出させることを説明。
「和太鼓をたたくと台座も震えていた」「ピアノが鳴っているとき、ピアノの足まで震える」などと、振動の伝わりに着目する児童がいた場合には、震えている部分に耳を当てると音が聞こえるかを問うことで、「次時の活動につなげることができる」としている。
4年生の学習の進め方では、後期終了までに実施することとして、「冬の星」の観察を冬休み中に行えるよう、2学期末と3学期始めに分けて位置付けた。
「生き物の1年をふり返って」の授業は、従来の4時間から2時間に短縮。動画コンテンツを活用し、冬と早春を比較することで植物や動物の変化をねらっているものの、道内の季節感と動画の内容が異なることから、1年間の観察記録を整理する活動の中で、冬を越した植物や動物の様子を考えられるような授業例を構成した。
今までの観察記録を見返しながら、表に整理してまとめることで、1年間の生き物の様子の変化をとらえられるよう工夫することなどをポイントとして示している。
5年生版では、「物のとけかた」の授業時数を15時間から13時間に短縮。うち、「物が水にとけるとき」(5時間↓4時間)の授業では、食塩などを水に入れると「粒が見えなくなり、液が透き通って見える」ようになるなど、質的・実体的な見方を働かせて、「物が水に溶ける」ことをとらえられるようにすることが必要としている。
スライドガラス上で水を蒸発させる実験では、食塩水だけでなく水も蒸発させ、なぜ、水と食塩水の結果を比較する必要があるのかをとらえられるようにかかわる。溶かす前後の重さを量る実験では、食塩を入れていた容器を含む全体の重さを量る意味について理解してから活動を始められるよう求めている。
6年生版では、気温による観察のしやすさを考慮して、「月の形と太陽」と「電気とわたしたちのくらし」の単元を入れ替えている。
また、「電気とわたしたちのくらし」の授業時数を13時間から12時間に短縮。うち、「電気の有効利用・電気を利用したものをつくろう」(7時間)の授業では、身の回りの電気製品には、センサーとコンピューターを利用して電気を効率的に使うために工夫されている物があることなど、エネルギー資源の有効利用という観点から、電気の効率的な利用について考えることをポイントに挙げている。
プログラミング教材を活用する指導例についても紹介。理科の学習で用いる場合、プログラムによって電気回路のスイッチをオン、オフできる教材が適していることから、スイッチの機能がある教材についても紹介している。
資料は、北理研ホームページで公開している。
(コロナウイルス関連 2020-10-20付)
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