【解説】コロナ差別・偏見なくそう

（コロナウイルス関連 2020-10-26付）

　文部科学省は、新型コロナウイルス「差別・偏見をなくそう」プロジェクト啓発動画を同省ホームページに公開した。学校における新型コロナウイルスの感染者の発生が継続する中、差別や偏見が生じないよう、優しさや思いやりのある行動をとるよう周知。ワークシートや授業用教材などの資料も制作し、啓発活動を展開する。

　文科省は８月、「新型コロナウイルス感染症に関する差別や偏見等の防止に向けた文部科学大臣メッセージ」を児童生徒、学校関係者、保護者・地域住民に向けてそれぞれ発出。鈴木直道知事も１０月にメッセージを公表し、感染症を正しく理解し、思いやりのある行動を呼びかけていた。

　文科省は、感染者とその家族、完治した人や感染症にかかわる人への接し方を子どもたちに考えてもらうため、新型コロナウイルス「差別・偏見をなくそう」プロジェクトを発足。感染症に対する不安から陥りやすい差別や偏見などを考えるきっかけとなるよう、啓発動画や関連資料などを作成した。

　啓発動画は、日本赤十字社が発信している「３つの感染症」の考え方をもとに、差別や偏見の行動や考えが生まれる理由を考えさせる内容。目に見えないウイルスへの不安や恐怖が感染症を連想させる人・場所への嫌悪や差別へとつながるとし、これらの連鎖を防ぐために一人ひとりの行動の大切さを強調。だれにも罹患する可能性があり、感染症の治った人を温かく迎えるよう呼びかけ「優しさや思いやりがウイルスと戦う力になる」と伝えている。

　併せて、ワークシートや授業用教材などの資料、学校内で継続して啓発するためのポスター、子どもたちが学んだ授業の内容や大人が気を付けたいことを伝える保護者向けリーフレットも制作していく。

(コロナウイルス関連 2020-10-26付)