コロナ禍の取組等 小・中対象に調査 全校が学習課題を配布 GIGAスクール状況も 上教研
(コロナウイルス関連 2020-10-23付)

臨時休校中の学習対応(小中学)
小・中学校における臨時休業中の学習対応(クリックすると拡大表示されます)

 【旭川発】上川管内教育研究会(=上教研、鈴木薫会長)は、管内小・中学校97校を対象としたコロナ禍における現状や取組に関する教育活動アンケート調査の結果を公表した。臨時休校中の学習対応では、小・中学校全97校が「学習課題を配布した」と回答。GIGAスクール構想については、94校が「すでに学校および教育委員会で推進中」と答え、推進上の課題として、推進委員会、活用に関する校内研修など「校内体制」を挙げた学校が最も多かった。

 調査は、本年度の新型コロナウイルス感染予防にかかわる臨時休校や学校再開後の教育活動における管内小・中学校の状況を把握することで、今後の教育活動の方向性を探るための資料とすることがねらい。

 実施日は7月27日から8月4日(8月20~25日に追加実施)で、小学校62校、中学校35校の計97校の管理職が回答した。

 質問項目は、①臨時休校中の学習対応②学校再開後の課題の有無③リモート授業の実施状況④GIGAスクール構想の進ちょく状況⑤運動会・体育大会の実施状況⑥学芸会・学校祭の実施状況⑦修学旅行の実施状況⑧宿泊研修の実施状況―の8項目。

 ①では、小・中学校共に全校が「学習課題を配布」に取り組んでおり、次いで「どさんこ学び応援サイト等の周知」が多い結果となった。

 ②では、学校再開後に課題ができていると答えた小学校が16校、中学校が13校。

 主な課題として、特定の教科(音楽・家庭科)の遅れや教育課程の再編成(特に総合的な学習の時間)、毎日の感染予防対策による教職員・児童の負担増などが挙がった。

 ③で「現在リモート授業の実施に向けて準備中」と答えた学校は、小学校で43校、中学校で24校。①と比べ、小学校の方が実施に向けた動きをしている学校が多いことが分かった。

 「現段階では考えていない」と答えた学校は、環境や端末が整っていない家庭が複数あることなどを理由に挙げた。

◆GIGAスクール 課題は校内体制

 ④のGIGAスクール構想にかかわる質問では、小・中合わせ3校を除く94校が「すでに学校および教育委員会で推進中」と回答。

 導入予定端末ではiPadが最も多く37校、次いで、Chromebookが31校、Windowsが25校だった。

 推進に当たっての課題として、校内体制(推進委員会、活用に関する校内研修、専門スタッフの育成、学校全体でのイメージの共有化等)が35校と最も多く、30校が校内環境整備(端末の納入時期、台数やその性能、通信速度等)、25校が端末の活用方法や保管方法、トラブル対応、導入アプリ(有料含む)を挙げた。

 ⑤では、運動会を「延期して実施した・実施予定」の学校が小・中学校合わせて59校と最多。

 ⑥で、小学校では28校が学芸会を「予定どおり実施する」と答え、中学校では学校祭を「延期して実施」が16校と最も多かった。

◆修学旅行延期実施 行き先変更等工夫

 ⑦では、修学旅行を「延期して実施した・実施予定」と答えた学校が小・中学校共に最も多く、小学校で44校、中学校で33校。

 行き先は、小学校では「札幌小樽方面」が23校と最も多く、中学校では「函館方面」が30校で最多。

 実施に当たっては、感染症対策の徹底のほか、自主研修の中止や縮小、バスの増便や大型化、ホテルの部屋数増などの工夫や、感染拡大地域を避けるための行き先の変更などを行っている。

 ⑧でも宿泊研修を「延期して実施した・実施予定」と答えた小学校で37校、中学校で27校と共に最も多かった。

 上教研では、これらのアンケート結果について、ホームページ上や会報『かがやき』第388号に掲載。

 同内容の教職員用のアンケートは11月ごろに掲載するとしている。

 また、コロナ禍でほぼすべての活動が中止となる中、例年どおり計6号の会報『かがやき』発行を予定。より紙面を充実させ、各校の参考となる情報の発信を目指していく。

(コロナウイルス関連 2020-10-23付)

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