網走市白鳥台小 道徳5授業公開 複式で同時間接指導充実 2・3年 学習リーダーが進行
(学校 2020-10-22付)

白鳥台小公開研
ウェブ会議システムで別室から参観

 【網走発】網走市立白鳥台小学校(大岩芳江校長)は16日、同校で公開研究会を開いた。研究主題「心を耕し、学びの種をまく~話す・聞く・書く活動を重視した授業づくりを通して、自己の生き方についての考えを深める子供を育てる」のもと、道徳の5授業を公開。新型コロナウイルス感染症対策として、ウェブ会議システムを活用したり、録画映像を上映したりするなどの対応を取った。2・3年生の複式学級では、同時間接指導の充実を図るため、3年生で学習リーダーが進行するなどの工夫を取り入れた指導過程に基づき授業を展開した。

 同校は、長年にわたり道徳教育について研究を推進。「価値観」「児童観」「教材観」の明確な指導観に基づいた授業づくりに取り組んでいるほか、多面的・多角的な思考を促す交流活動、書く力を生かして道徳的価値を自分自身でみつめる活動などを位置付けている。

 平成30年度から開始した複式学級における道徳授業の研究について、前年度は、1・2年生と5・6年生の複式学級だったため、展開後段で共通の内容項目を扱う異学年交流を取り入れた。

 3年次目となる本年度は、1・2年生の低学年同士の複式学級が2・3年生の低学年と中学年の複式学級となり、内容項目の指導の観点が異なるため、1時間を通してわたり・ずらしを行う指導過程を作成。同時間接指導の充実を図るため、上級学年で学習リーダーの児童に進行させるといった工夫を取り入れた。

 同校の重点内容項目の一つ「希望と勇気、努力と強い意志」について扱った5授業を公開。新型コロナウイルス感染症対策として、参加者はウェブ会議システムを通して別室から授業を参観した。また、6年生の授業は、前日の録画映像を昼食休憩時に上映した。

 2・3年生の複式学級では、大島拓見教諭が2年生「やりぬいて」(児童数2人)、3年生「ゆめにむかって」(児童数9人)を指導した。

 本時では、2年生で「自分のやるべき仕事を頑張ってやり遂げることのよさについて、友達の多様な考えを受け止め、自分自身について深く考える姿」、3年生で「自分が立てた目標や夢をかなえるための気持ちについて、友達の多様な考えを受け止め、自分自身について深く考える姿」を引き出すことを目指した。

 2年生では、教材「黒ばんがにっこりするかな」について、黒板をきれいにするために必要な気持ちや行動、主人公・ぼくが黒板係の仕事を頑張っている理由について考えさせた。2年生は人数が少ないため、架空のクラスメイトの考えを紹介し、多面的・多角的な思考を促した。

 その上で、中心発問「先生やみんなが笑った顔を見たときのぼくの気持ち」について交流させ、褒められること、やり遂げることのよさについて気付かせた。

 3年生では、パティシエの辻口博啓さんが夢をかなえるために努力した姿を描いた教材「スーパーパティシエ物語」を活用し、展開部は学習リーダーの児童が台本に沿って進行した。

 中心発問「ヒロがケーキづくりの修業を頑張ることができたのはなぜか」について考える場面では、全体交流のあと黒板にネームプレートを貼り付け、それぞれの意見を「好きだから」「夢をかなえたい」などの項目に分類。夢や目標をかなえるために大切な気持ちについて考えを深めさせた。

 展開後段、2年生では「今まで、自分の仕事を最後まで頑張ることができていたか。また、その理由は」、3年生では「あばたにとっての夢や目標は何か」「つらいことを乗り越えるために、どんな気持ちを大切にするか」と発問し、価値について、これまでの自分を振り返りながら考えさせた。

 授業後は、ウェブ会議システムで東京と結び、文部科学省初等中等教育局教育課程課の浅見哲也教科調査官が「教材を効果的に活用した道徳科の授業構想」と題し、講演した。

(学校 2020-10-22付)

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