名寄産業高で建設業団体出前講座 避難所運営など考察 ゲーム通し防災意識高揚
(学校 2020-10-21付)

名寄産業高防災出前授業
様々な場面を想定しながら避難所運営を学ぶ生徒たち

 【旭川発】名寄産業高校(坂野裕悦校長)で7日、上川管内の建設業若手経営者などで構成する旭川建設業協会二世会による防災出前講座が開かれた。全校生徒226人に向け校内放送で自然災害の対応に当たる建設業の役割を紹介したほか、2年生75人が避難所運営ゲーム・HUGを体験。災害時の実践的な対応を学ぶとともに、日ごろからできる災害への備えについて考えるきっかけとした。

 講座は、二世会が高校生の防災意識の向上と建設業への理解を促すことをねらって開講。平成28年から旭川実業高校で始め、前年度には名寄産業高にも取組を広げた。本年度はさらに富良野緑峰高校を含め3校で開講することとしている。

 はじめに、「近年の災害状況の復旧について」と題したプレゼンテーションを全校放送。同会地域貢献委員会に所属する東海産業㈱の津山信取締役副社長が、資料を示しながら本道における自然災害の脅威や災害に対する建設業のかかわりについて解説した。

 続いて、前生徒会長の日下未久さん(3年)と現生徒会長の下河原佑太さん(2年)が、開発局旭川開発建設部の津村喜武技術管理課長補佐と水害や河川防災をテーマに対談。気候変動による水害リスク増大への対策などについて説明を受け、日ごろから災害に備える意識をもつことの大切さを学んだ。

 体育館に移動し、2年生を対象に避難所運営ゲーム「HUG北海道版」を実施。ルールや意義について説明を受けたあと、ゲーム上の条件を確認した上で、会員の助言を受けながら取り組んだ。

 読み手がカードを読み上げ、カードの扱いについてグループで相談。カードは様々な事情が記載された「避難者カード」、災害対策本部からの連絡事項や避難者からの質問・要望などが書かれた「イベントカード」、時間経過や気象状況などが書かれた「情報提供カード」の3種類あり、種類に応じて平面図に配置したり、ルールを決めたり、考えたことを付せんに記入したりする。

 12班に分かれた生徒たちは、同校の校舎平面図をもとに、避難者の家族構成や来所方法、病気やけがの有無など様々な事情を踏まえてカードを配置。

 ごみの分別やたばこを吸いたい避難者など、実際に起こり得る事態に対応するため、同校の環境や季節、気象情報などを想定しながら活発に話し合った。

(学校 2020-10-21付)

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