道教育大附属旭川小が校内研究授業 主体的学びを引き出す 6年算数「組み合わせ」公開(学校 2020-10-19付)
人数を制限して公開した
【旭川発】道教育大学附属旭川小学校(南部正人校長)は2日、校内研究授業を開いた。成田翔教諭による6年生の算数「並べ方と組み合わせ」を公開。児童の主体的、探究的な問いを引き出しながら、落ちや重なりがないよう組み合わせを調べる方法について多面的に考えさせる授業を展開した。
研究主題に「探究する子供を育てる教育活動の創造」を掲げる同校は、10月から来年3月にかけて、参加者を市内の小学校教職員に限定して研究授業を実施。10月1日の道徳を皮切りに13授業を公開する。
2日には、成田教諭による6年2組の算数「並べ方と組み合わせ」を公開。外部から11人が参観した。
同校算数科では、研究主題を「問いをもちながら数学的活動を遂行することを通して、問題解決能力を高める算数科の学習」と設定。問題解決能力を高める学習デザインや、問いをもって思考し続ける姿を引き出す指導の工夫、自己の学びを自覚し新たな学習や日常生活に生かす力を育む振り返りなどに取り組んでいる。
この日の授業は、8時間扱いの4時間目。本時の目標を「事象の特徴に着目し、組み合わせについて図や表などを適切に用いることで、落ちや重なりのないように順序よく筋道立てて考えることができる」「落ちや重なりのないように図や表などを用いて調べる方法を多面的にとらえ検討しようとしている」と設定した。
冒頭、様々な場面を発展的に考察させるため、「□チームでバスケットボールの試合をする。どのチームとも1回ずつ対戦するときに全部で何試合あるか」と問題を提示。何チームで考えていくか児童から問いを引き出した上で、まずは4チームの場合で考えることにした。
各自ノートで個人思考したあと、代表児童が前に出て考えを発表。樹形図を描いて説明したところ、周りから「これでは重なりが出るのでは」などの意見が挙がった。
成田教諭は、別の児童に重なりのない図の書き方を説明させたり、ペアで考えを深めさせたりする中で、「最初の説明があったからみんなが考えを深めるきっかけになった」とフォロー。「重なりがないように組み合わせを考える」と本時におけるポイントを説明した上で、樹形図以外の方法がないか投げかけた。
表を使って考えた児童が黒板に書いている途中、成田教諭は児童の説明を中断させ、ほかの児童が理解しているか確認。また、続きを別の児童に言わせたり、ノートに書かせたりして、全体で共有した。
5チーム、6チームなどほかの場合を考えたあと、振り返りをノートに記述。「図表を使うことで重なりを防げることが分かった」「自分の考えたやり方以外にも方法があることを知った」など、多様な方法で組み合わせを考えるよさを実感した。
授業のあと、外部参観者を交えて研究協議。問題把握の段階で明確に見通しをもたせる場面を設定しなかった理由について質問を受けた成田教諭は、子どもが個人で「まずやってみる」時間を確保することで、主体的に学ぶ力を高めることや、探究的に学ぶ力を効果的に育成することをねらったことを説明した。
また、児童が説明している途中で止めさせた意図についての質問には、一人の児童の考えを起点として学級全員の見方・考え方が高まっていくことや、児童が友達の考えを「自分事」として受け止め、主体的に考え始めるようになることをねらったことを伝えた。
(学校 2020-10-19付)
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