札幌市教委　学校経営研修開く　明確なビジョン示して　長谷川教育長　組織力向上を

（札幌市 2020-10-26付）

園長・校長等約１６０人が参加した

　札幌市教委は２１日から２日間、市内ちえりあで園長、校長、副校長、事務長対象の令和２年度学校経営研修を開いた。２１日は、市内幼稚園、小・中学校、高校、中等教育学校、特別支援学校から約１６０人が参加。長谷川雅英教育長は、学校経営者として、自校の教職員に明確なビジョンを示し、チームとしての学校、組織力を向上させる重要性を説いた。

　学校経営研修は、学校経営にかかわる諸課題・教養的事項について研修を深め、管理職としての資質の向上を図ることが目的。園長、校長、副校長、事務長を対象に毎年開催している。

　市教委は本年度の研修について、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から「集合研修で実施することは困難」と判断。当初予定の６月から１０月に変更し、分散して開催することとした。

　市内１０区を５区ずつ２地区に分けて実施。Ａ地区（中央区・北区・白石区・厚別区・豊平区）は２１日、Ｂ地区（東区・清田区・南区・西区・手稲区）は２２日に開いた。また、当初予定していた講師の来札が困難となったことから、檜田英樹教育次長の講話に振り替えた。

　開会に当たり、長谷川教育長があいさつに立ち、１校・園を預かるリーダーとして、明確なビジョンを示し、チームとしての学校、組織力を向上させる必要性を説いた。

　また、日ごろの教職員とのコミュニケーションから情報を共有していく大切さを強調。「何気ない会話から教職員の様子を把握し、チームとして機能する体制を創り上げることが重要」との考えを示した。

　さらに、危機管理に必要な能力として、①情報収集力②想像力③瞬発力―の３点を提示。

　「常にリスクの発生に備えたイメージをもつことが大切。気付く力、想像する力、行動する力を日ごろから鍛錬してほしい」と求めた。

　引き続き、檜田教育次長が「今求められる管理職とは」と題して講話。

　市教育振興基本計画や市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン２０１９などの各施策・計画から市の教育を取り巻く状況について説明した。

　学校における働き方改革にふれ、「学校での働き方改革を進めるためには、管理職のマネジメントが必要」と指摘。個々のマネジメント力を発揮して、各学校における働き方改革を推進するよう求めた。

　このあと、相沢克明学校教育部長が「学校経営の充実に向けてⅠ～札幌市の教育課題について」、紺野宏子教職員担当部長が「学校経営の充実に向けてⅡ～教職員の人事・服務・研修について」、長谷川正人児童生徒担当部長が「生徒指導に関する危機管理」と題してそれぞれ講義した。

　なお、教頭対象の研修はA地区が２８日、B地区が２９日に市内ちえりあで開催する。

(札幌市 2020-10-26付)