札幌市議会決算特別委ダイジェスト
(札幌市 2020-10-23付)

◆スケート検定実施 3密対策も支援へ 冬のスポーツ 具体的な取組

 20日の札幌市議会第2部決算特別委員会では、コロナ禍における子どもたちのウインタースポーツの具体的な取組が取り上げられた。 

 スポーツ局の田中斉スポーツ部長は「コロナ禍の長期化に伴い、身近な場所でのみ、簡単に体を動かすことを促すだけではなくスポーツ施設でスポーツを体験できる機会の確保に取り組んでいくことが必要」と強調。その上で、子どもたちに人気のカーリングなどが体験できるウインタースポーツ塾において、本年度、健康状態の確認や手や指の消毒、参加人数を抑えるなどの感染症予防対策を行いながら実施する考えを示した。

 また、ウインタースポーツ振興の新たな取組として、目標をもちながら継続してスケートに取り組めるよう、小学生向けに作成した解説動画を視聴した上で、自らスケート場に足を運んで練習を重ね、その成果を検定員に認定してもらう「さっぽろっ子スケートチャレンジ検定」を実施する考えを表明した。

 このほか、先の議会で成立した補正予算を活用し、小・中学生におけるスキー場リフト料金助成の拡大、スキー学習における3密対策のバス増便に対する支援などを行う意向を示し、「このような取組を進めることでコロナ禍にあっても子どもたちがウインタースポーツに親しむ機会を十分確保していきたい」と述べた。

 前川隆史委員(公明党)の質問に答えた。

◆アンケート踏まえ使いやすい制度に 冬スポーツ料金助成 対策と今後の取組

 20日の札幌市議会第2部決算特別委員会では、さっぽろっ子ウインタースポーツ料金助成事業における利用率引き上げに向けた対策と今後の取組について、質疑が行われた。

 事業は、ゲレンデスキーの授業が始まる小学3年生を対象に、スキー場に足を運ぶきっかけとして導入したもの。

 市は、制度の周知と動機づけとして、各校の担任から児童に対する声かけやチラシの配布によって、リフト助成券が親子券としても使用できることをPRするなど、利用促進に向けて取り組んできた。また、助成券を使用できる施設を、当初の6施設から10施設に拡大する取組も推進している。

 料金を助成することで、「家族でスキー場へ行く機会が増える」「兄弟の分もあればスキー場へ行くきっかけとなる」などの保護者の意見を踏まえ、子どもがスキーに親しむきっかけが根付くことを目的に、前年度は対象を6年生まで拡大。

 スポーツ局の田中斉スポーツ部長は「今後も毎年実施している保護者のアンケートを踏まえ、より使いやすい制度となるよう努めていく」とした。

 田中啓介委員(日本共産党)の質問に対する答弁。

◆6年連続増加傾向 今後も実態を把握 小・中学校不登校 コロナによる影響

 16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、小中学校における新型コロナウイルス感染症による不登校への影響について質疑が行われた。

 市内の平成30年度不登校児童生徒数は1635人と、全国と同様に6年連続で増加している。うち、90日以上欠席している不登校児童生徒数の割合は約67%となっている。

 長谷川正人児童生徒担当部長は、新型コロナウイルス感染症に不安をもつ子どもだけではなく、基礎疾患のある子どもや高齢の家族と同居しているなどの理由から学校を欠席している子どももいるとし、新たに不登校になった子どもや進路に向けた不安を感じる子どもの教育相談が増えてきていることを説明。今後も実態把握に努めていくとした。

 竹内孝代委員(公明党)の質問に対する答弁。

◆状況改善65・5% 社会的自立へ支援 フリースクール等 民間施設との連携

 16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、教育支援センター等における支援の取組状況と成果およびフリースクール等民間施設との連携状況について質疑が行われた。

 教育支援センター等においては、一人ひとりのペースに応じた学習支援を行うほか、徐々に人とのかかわりをもつことができるよう、様々な体験活動を通じて子どもたちの心の元気を取り戻す取組を実施している。

 長谷川正人児童生徒担当部長は、令和元年度における取組の成果として、教育支援センター等に通う252人の不登校児童生徒のうち、65・5%の子どもたちに登校状況の改善がみられていると報告。今後は、子どもの状況に応じた支援内容を見直すなど、子どもたちの社会的自立に向けた支援の充実を図っていくとした。

 竹内孝代委員(公明党)の質問に対する答弁。

◆働きかけを継続 ICT活用も検討 不登校の子の支援

 16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、自宅で過ごすことが多い不登校の子どもの支援について質疑が行われた。

 市教委や各校では、定期的な家庭訪問等のほか、スクールカウンセラーによる教育相談やスクールソーシャルワーカーによる家庭支援等に努めている。

 中学校卒業後に進路が決まっていない子どもについては、若者支援センターと学校が情報共有しながら支援を行っている。

 長谷川正人児童生徒担当部長は、学校外の支援施設につながらない家庭における学習支援が進んでいない状況および教育相談や学習の機会が不足している子どもがいることは課題であると強調。

 今後は担任やスクールカウンセラー等による働きかけを引き続き行うとともに、ICTを活用した学習支援や教育相談支援について様々な視点から検討を進めるなど、子どもたちの支援の充実を図っていくとした。

 竹内孝代委員(公明党)の質問に対する答弁。

◆3年度は2人程度 期限付教諭も必要 市立幼稚園教諭の採用

 16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、市立幼稚園教諭の来年度の採用数の見通しおよび採用の在り方について質疑が行われた。

 紺野宏子教職員担当部長は、市立幼稚園教諭の来年度採用数が2人程度となっていることを表明。今後も辞退者数等を踏まえ、必要な採用数を確保できるよう努めていくとした。

 採用の在り方については、令和7年度に市立幼稚園が5園に編成することや幼保小連携の推進の観点を踏まえ、小学校教員免許を保有していることが必要と強調。

 一方で、市立幼稚園における期限付教諭は経験を有する人材として今後の幼稚園教員教育にとっても必要であるとし、今後の採用検査において期限付教諭の経験を考慮できるような仕組みを検討していくとした。

 ふじわら広昭委員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

◆今後の選考方法 道教委と協議へ 市立高校教諭採用の在り方

 16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、今後の市立高校教諭の採用の在り方について質疑が行われた。

 市立高校教諭の採用に当たっては現在、道教委と共同登録の形式で実施している。

 紺野宏子教職員担当部長は、市の特色ある高校教育に対する理解の度合いについて、選考過程の中で判断することは難しいとの認識を表明。今後は、中学校、高校区分の設置も含め、高校教諭の選考方法について道教委と協議していくとした。

 ふじわら広昭委員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

(札幌市 2020-10-23付)

その他の記事( 札幌市)

札幌みなみの杜高等支援 地域と連携 28日初開催  ミライデザインフェスタ

みなみの杜高支援学ミライデザインフェスタ  市立札幌みなみの杜高等支援学校(宮田佳幸校長)は、28日午前9時から、地域と連携し、活動の場を披露する「ミライデザインフェスタ」を同校や南区民センターなどで初開催する。近隣小・中学校特別支...

(2020-10-26)  全て読む

地域の環境美化に汗 札幌市東白石中有志120人

札幌市立東白石中ゴミ拾い  札幌市立東白石中学校(三浦英悟校長)は19日、生徒会ボランティア活動の一環でごみ拾いを行った。有志生徒約120人が参加。生徒たちは9グループに分かれて学校近隣をくまなく清掃し、環境美化に対...

(2020-10-26)  全て読む

札幌市教委 学校経営研修開く 明確なビジョン示して 長谷川教育長 組織力向上を

札幌市学校経営研修  札幌市教委は21日から2日間、市内ちえりあで園長、校長、副校長、事務長対象の令和2年度学校経営研修を開いた。21日は、市内幼稚園、小・中学校、高校、中等教育学校、特別支援学校から約160人...

(2020-10-26)  全て読む

ことしはオンライン 札幌市立高校生招待プログラム

 TEDⅹSapporoは、高校生プログラム2020プロジェクトTEDx Sapporo OneFesを開く。札幌市立高校8校から各1人の募集を予定。オンラインで新型コロナウイルス感染症対策...

(2020-10-23)  全て読む

札幌市 小学校区別の保育所整備 高必要度 山鼻南など11校区 4月改定時と比べ2校区減

 札幌市子ども未来局は、保育所などにおける小学校区別の必要度を改定した。12日現在、特に整備の必要度が高い校区として、中央区の山鼻南小学校区など11校区を設定。保育所整備の推進によって、前回...

(2020-10-23)  全て読む

札幌市 高校、大学の女子対象に 建設業就業へ意識高め 施設見学や座談会など

土木施設めぐり女子ツアー  札幌市建設局は17日、札幌工業高校、北海道大学、北海学園大学、道科学大学の女子生徒・学生16人を対象に土木施設めぐり女子ツアーを開いた。市内の工事現場2ヵ所を見学したほか、女性技術者との座...

(2020-10-22)  全て読む

札幌市立高校等生徒会リーダー交流会 遠隔で12月2日と9日 オンライン情報交換は初

 札幌市立高校・特別支援学校長会(鈴木恵一校長)は、本年度の生徒会リーダー交流会について、オンラインで開催する予定だ。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、12月2日と9日にウェブ会議シ...

(2020-10-22)  全て読む

札幌市議会決算特別委ダイジェスト

◆先進事例など調査 着実に開校準備を 公立夜間中学  16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、札幌市における公立夜間中学について質疑が行われた。  相沢克明学校教育部長は、教職員への...

(2020-10-22)  全て読む

札幌市美しが丘緑小 予告なしで避難訓練 集合場所変更も 休み時間に

美しが丘緑小避難訓練  札幌市立美しが丘緑小学校(北原徹也校長)は16日、同校で避難訓練を行った。実効性を高めるため、予告なしで休み時間に実施。また、集合場所を例年設定しているグラウンドから体育館に変更した。児童...

(2020-10-22)  全て読む

札幌市各区家庭児童相談室の調査 学校との連携強化を 負担減へ業務標準化検討

 札幌市子ども未来局は、8~9月に各区家庭児童相談室を対象に行ったヒアリング調査の結果をまとめた。今後は小・中学校への学校訪問などを検討。教職員との関係性を築き、連携を強化することで児童虐待...

(2020-10-21)  全て読む