札幌市美しが丘緑小　予告なしで避難訓練　集合場所変更も　休み時間に

（札幌市 2020-10-22付）

例年のグラウンドに替えて体育館に集合した

　札幌市立美しが丘緑小学校（北原徹也校長）は１６日、同校で避難訓練を行った。実効性を高めるため、予告なしで休み時間に実施。また、集合場所を例年設定しているグラウンドから体育館に変更した。児童たちは、真剣な表情で放送での指示に耳を傾け、防災に対する意識を高めていた。

　同校は前年度、市教委の防災教育研究推進事業の研究推進校に指定され、実効性の高い学校安全体制の構築に向け、子どもの自己指導能力と教職員の危機管理能力を育む取組を推進。発達段階を考慮した教科等の指導のほか、休憩時間や清掃時間など、災害の発生時間に変化をもたせた避難訓練の実施などの研究を進めてきた。

　避難訓練は毎年行っているもので、今回初めて「休み時間に地震が発生」と想定。児童に、自分の命は自分で守る自己指導能力を培わせるとともに、教職員の危機管理能力を向上させることをねらった。

　また、前年度までの地震の避難訓練は、グラウンドに避難していたが、教職員から「安全な校舎の中からグラウンドへ避難する必要があるのか」との疑問が挙がったことを受け、今回は集合場所を体育館に変更。さらに、より実効性を高めるため「予告なし」「あらかじめ職員の配置もしない」などの方針のもと行った。

　当日は、放送（第１段階）で「地震発生、机の中に入りなさい」「遊びを止めてその場に座りなさい」と指示。グラウンドや体育館で遊んでいた子どもたちは、その場に座って放送に耳を傾けた。

　放送（第２段階）では、教職員に対して「付近の児童を掌握してください」と指示。校舎内外に散らばっている児童たちを各教職員が自分の近くに集め、最後の放送（第３段階）で児童全員が体育館に集合した。

　児童たちは、地震時の注意事項等を再確認するとともに、普段からの防災に対する意識を高めた。

　北原校長は「この取組を通して、子どもたちに自己指導能力、教職員に危機管理能力を培い、今後も一層、安全・安心な学校体制を充実させていきたい」と話していた。

(札幌市 2020-10-22付)