札幌市各区家庭児童相談室の調査　学校との連携強化を　負担減へ業務標準化検討

（札幌市 2020-10-21付）

　札幌市子ども未来局は、８～９月に各区家庭児童相談室を対象に行ったヒアリング調査の結果をまとめた。今後は小・中学校への学校訪問などを検討。教職員との関係性を築き、連携を強化することで児童虐待防止への支援拡大を目指すほか、事務負担軽減へ業務標準化を検討すべきとの意見がみられた。

　ことし３月に市がまとめた『令和元年６月死亡事例検証報告書』では、子ども・子育て会議児童福祉部会検証ワーキンググループ委員から、要保護児童対策地域協議会（＝要対協）を最大限活用し、児童虐待懸念事項に関するケースについて、随時案件を報告することで、広く支援していくべきといった提言がなされた。

　８月１７日から９月２４日、市児童相談所の課長職が各区の家庭児童相談室業務を所管する課長職および係長職に対し、初めてヒアリング調査を実施。業務実態を把握し、課題や改善点等を確認することで対応策を検討することとした。

　調査結果のうち、児童相談所との連携については、個別ケースの支援方法について、「考え方の違いから議論になることがある」「児童相談所から各区への見守り依頼に関しては家庭状況、見守り内容の具体的な提示などによって丁寧な引き継ぎを求める」などの声があった。

　好事例としては、他区や市外から転入したケース全件について、関係職員が一堂に会して情報共有と支援方針の検討を行っていることが示された。

　課題としては支援ケースの進行管理方法について、区によってばらつきがみられるほか、資料作成や管理の事務負担が過大となっており、標準化を検討する必要があるとした。

　業務改善および検討事項では、学校訪問の全校実施などが挙がった。

　学校訪問は多くの区が年度当初に各学校を訪問し、教職員などと顔を合わせているものの、区によってばらつきがあることから、全区で実施を検討。学校との連携を強化していく方向性を示した。

(札幌市 2020-10-21付)