札幌市議会決算特別委ダイジェスト
(札幌市 2020-10-21付)

◆急な臨休に備え生活含め支援を 特別支援学級学習保障の取組

 16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、臨時休業期間に特別支援学級で実施した学習保障の取組が取り上げられた。

 臨時休業中、各学校は、市教委が提供した学習課題を活用するなどして、児童生徒一人ひとりの状況を踏まえた家庭学習の支援に努めた。

 相沢克明学校教育部長は、特別支援学級に在籍する子どもの状況がより一層多様化している現状を踏まえ、「急な臨時休業の際にも各学校が個別の教育的ニーズに基づく適切な学習課題を速やかに提供できるよう、環境整備することが必要」との認識を表明。

 また、特別支援学級の子どもたちは、日常と異なる状況において不安やストレスなどの影響も大きいことから、生活リズムなども含めて支援する必要性を示した。

 今後については「各学校で作成している様々な学習課題等をすべての学校で適宜活用できるようホームページなどに掲載するとともに、GIGAスクール構想に基づく1人1台タブレットのモデル校において、心身のケアを含めた特別支援学級における学習保障の在り方を検証するなど、その充実に努めていく」との意向を示した。

 くまがい誠一委員(公明党)の質問に答えた。

◆本年度1500人 必要な人に受給を 奨学金

 16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、市奨学金について質疑が行われた。

 市奨学金は現在、高校等の部と大学等の部の2種類がある。

 令和元年度まで、高校の部は1040人、大学の部は260人の計1300人を毎年採用。応募者数は、平成28年度から元年度までの直近5ヵ年で毎年2000人前後減少しており、本年度は若干増加傾向にある。

 本年度からは採用数を200人増やして1500人とし、内訳については高校等の採用者数を増やしたことで、本年度の採用者数は高校等の部が1240人、大学の部が260人となった。

 相沢克明学校教育部長は、市が実施している返還不要の奨学金の役割は非常に重要性を増していると強調。今後も奨学金を必要とする人に多く受給させることができるよう努めていくとした。

 田中啓介委員(日本共産党)の質問に対する答弁。

◆申請期間延長検討 収入減世帯に配慮 就学援助制度

16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、新型コロナウイルス感染症の影響によって収入が減少した小・中学校在学の子どものいる世帯に対する就学援助制度の配慮について質疑が行われた。

 就学援助制度は、経済的な困窮を要件とする給付制度であることから、市では確定した前年所得を審査の対象としている。

相沢克明学校教育部長は、ことしの収入については未確定であるとし、申請に必要な要件を満たしていることの判断や公正な担保が極めて困難であることを説明。現段階ではことしの収入に関しては審査していないとした。

なお、コロナ禍で実際に経済的に苦しい状況に置かれている家庭もあることから、引き続き他都市の状況を参考としながら検討していくとした。

このほか、申請期間については1ヵ月の延長を検討していることを報告した。

田中啓介委員(日本共産党)の質問に対する答弁。

◆社会情勢踏まえ制度充実を検討 就学援助制度 支給費目追加

 16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、就学援助制度の支給費目の追加について質疑が行われた。

 市は、これまで小・中学校の入学準備金の支給時期を入学前に前倒ししてきたほか、令和元年度からは中学生の支給費目に生徒会費を追加するなど、制度の充実に取り組んできた。

 相沢克明学校教育部長は社会情勢や経済状況を踏まえながら、引き続き支給費目の追加について検討していくとした。

 田中啓介委員(日本共産党)の質問に対する答弁。

◆エアコン等導入率 前年比大幅上昇 学校の暑さ対策

 16日の札幌市議会第1部決算特別委員会では、学校の暑さ対策について質疑が行われた。

 市教委は、ことし6月、各学校に対し、暑さ対策にかかる予算を配分し、各学校において普通教室への扇風機、保健室への移動式エアコン等を導入。7月には、国の補助金を活用して感染症対策や熱中症対策等に必要な予算を配分し、各学校の実情に応じて網戸やサーキュレーターの導入などの取組を進めた。

 また、令和元年度に引き続き、本年度も各学校における暑さ対策の取組状況を把握するため、9月1日時点の扇風機等の導入状況について調査した。

 調査の結果、小・中学校での全普通教室への扇風機導入率については、前年度の29・7%に対し、本年度は81・6%、保健室への移動式エアコン等の設置率が前年度ゼロに対し、本年度は90・8%となっており、導入率は前年度に比べ大きく上昇している。

 このほか、約2割の学校の普通教室と約1割の学校の職員室に移動式エアコンが導入されている。

 松原和幸学校施設担当部長は、学校における具体的な取組内容について、効果的な取組例として、普通教室において、移動式エアコンと扇風機を組み合わせて使用することで効率よく温度・湿度が下がったことを紹介。また、廊下に大型の扇風機を設置し熱気を外に逃がすことで教室内が涼しくなった、遮熱カーテンの設置によって室内の上昇が抑えられたなどの例を確認したことを伝えた。

 その上で、「引き続き、各学校の状況把握に努めるとともに、効果的な事例について情報提供を行うなど、暑さ対策がより効果的に進むよう支援していく」との考えを示した。

 くまがい誠一委員(公明党)の質問に答えた。

◆効率的施設配置で敷地を有効活用 向陵中の改築

 16日の札幌市議会第1部決算特別員会では、向陵中学校の改築が取り上げられた。

 松原和幸学校施設担当部長は、向陵中の現状について「学級数が多く、施設規模は大きいが、それに比べて敷地面積は標準面積を若干下回る1万9200平方㍍」と説明。改築に当たっては「限られた敷地を有効に活用するため、学校施設やグラウンドを効率的に配置することが重要」との考えを示した。

 中川賢一委員(自民党)の質問に答えた。

(札幌市 2020-10-21付)

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