札幌市教委　１人１台端末活用モデル　新川高指定し実践研究　個人所有端末活用の成果周知

（札幌市 2020-10-20付）

　札幌市教委は１６日の市議会第１部決算特別委員会において、国のＧＩＧＡスクール構想の１人１台端末活用モデル校に市立札幌新川高校を指定し、実践研究を進める意向を示した。一斉臨時休業期間に生徒が所有している端末を利用して実践した「Ｇｏｏｇｌｅ　Ｃｌａｓｓｒｏｏｍ」の取組など、個人所有端末の様々な活用の成果を各市立高校や市内各小・中学校に周知していく。なお、小・中学校におけるモデル校については、今月中にも決める見通しだ。

　市教委は８月、緊急時の家庭貸出用として各学校にタブレット端末を整備。タブレット端末は、教員が基本的操作やソフトウェアの機能を確認できるようにしており、現在、学校からの質問に対して市教委の担当者が対応している。

　市は、３定補正予算で教育の情報化推進費に１億円を計上。来年度からの１人１台端末を使用した授業開始に向け、モデル校を指定するほか、教員向けの研修の実施、マニュアル作成の支援を行うＧＩＧＡスクールサポーターを年明けにも配置するとした。

　また、５日に行われた市議会文教委員会では、今後、市内の小・中・高校各１校をモデル校に指定する意向を表明。小・中学校においては、小中一貫した教育の推進の観点を踏まえ、情報共有を図りやすい学校の組み合わせを検討する考えを示した。

　１６日の市議会第１部決算特別員会で相沢克明学校教育部長は、ＧＩＧＡスクール構想について、「生徒用タブレットの備品整備が高校においてしないことから市立高校において、個人所有の端末によって１人１台端末の活用を進める必要がある」との認識を表明。また、令和４年４月に市立札幌旭丘高校に開設予定の新学科「仮称・理数情報科」において、市立札幌開成中等教育学校における実践の成果を踏まえつつ、機種統一方式によって１人１台端末を活用する予定を報告した。

　その上で、先の一斉臨時休業期間に生徒が所有している端末を利用し、オンラインによる課題提出や学習状況の進ちょく管理等が可能なツール「Ｇｏｏｇｌｅ　Ｃｌａｓｓｒｏｏｍ」を積極的に活用した札幌新川高校を１人１台端末活用モデル校に指定する意向を表明。「今後は、個人所有端末の様々な活用方法についての実践成果を各市立高校間で積極的に普及していく」との考えを示した。

　藤田稔人委員（自由民主党）の質問に答えた。

　なお、小・中学校における各モデル校については、今月中に決定し、各学校に通知する見通し。

(札幌市 2020-10-20付)