新たに旧札幌控訴院　文化審議会が重要文化財指定答申

（札幌市 2020-10-19付）

旧札幌控訴院庁舎の外観

　国の文化審議会（佐藤信会長）は１６日、重要文化財（建造物）の指定について文部科学大臣に答申した。本道関係では、新たに旧札幌控訴院庁舎を指定。歴史的価値が高いものと評価された。

　文化審議会は１６日に開催した文化財分科会の審議・議決を経て、新規１件の建造物を国宝に、新規１６件、追加２件の計１８件の建造物を重要文化財に指定することを文部科学大臣に答申した。

　今後、官報告示を経て、国宝・重要文化財（建造物）は、２５２３件、５２４１棟（国宝２２８件、２９１棟を含む）となる予定。

　本道からは、重要文化財として旧札幌控訴院庁舎を新たに指定した。

　旧札幌控訴院庁舎は、札幌市街の中心部、大通公園の西端に面し、現在は札幌市資料館として公開している。大正１５年建設。札幌の近代を代表する建材である札幌軟石の建物として現在最大級で、多彩な石加工技術をみることができる。

　意匠は、ルネサンス様式を基調とするが、セッションなどの近代芸術運動の影響もみられる。

　壁体を石と煉瓦の組積造とする一方、２階床は鉄筋コンクリート造とし、新旧の構造技術を織り交ぜている。また、司法省の盛期の設計を伝えるとともに、意匠と構造の両面で建築の近代化が進展した時代を具体に示しており、高い価値を有している。

(札幌市 2020-10-19付)