札幌みなみの杜高等支援の３人　写真甲子園でブロック賞　コロナ禍 状況表現した８枚

（札幌市 2020-10-19付）

受賞作のうち、３人のベストショット

　市立札幌みなみの杜高等支援学校（宮田佳幸校長）アート部の生徒３人は、第２７回全国高校写真選手権大会写真甲子園２０２０でブロック賞に輝いた。コロナ禍の日常に対する不安や希望を８枚の写真で表現。受賞について３人は「驚きとうれしさなど、いろいろな感情が入り混じっている」と話した。

　大会には約３００校から応募が寄せられ、道内で５校が初戦を通過。

　市立高校では同校のみで、５校のうち、唯一同校がブロック賞を獲得した。

　同校アート部は写真撮影のほか、絵画など日ごろから様々な活動に取り組んでいる。

　受賞作に携わったのは、同部の藤井文佳さん（３年）、公平諒君（２年）、高橋賢正君（１年）の３人。日ごろからスマートフォンなどのカメラで写真撮影をすることが好きで同部に入部したという。

　３人は「Ｈｏｐｅ　Ｄａｙｓ」をテーマに、コロナ禍の日常を乗り越えていく意味を込めた写真８枚を共同制作。

　新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う臨時休業期間後から写真制作に関するテーマを話し合い、校内や放課後、自宅などで撮影を開始。１００枚以上の写真の中から、テーマとしてふさわしい８枚を選抜して応募した。

　チームリーダーの藤井さんは、円山動物園のホッキョクグマが背中を向けて泳いでいる様子を撮影。「背中を向けているのは珍しかったから」と話し、ホッキョクグマが不安な様子や寂しげな表情など、様々な様子をとらえられる点について反響があったという。

　公平君は臨時休業明けの放課後、公園で友人の背中を撮影したほか、閉ざされたフェンス越しから夕陽が差し込む様子をカメラに収めた。

　高橋君は「ステイホームの期間、見ることができなかった空を写真に取り入れたかった」と言い、雲の動きや換気をしている体育館の写真など、空を取り入れた３枚の写真を撮影。

　受賞について、顧問の若林慎二教諭は「不安と希望を表現したよい作品ができたと思う」と話した。

　３人は「受賞を聞いたときは驚いたけれど、うれしかった。よい作品ができたという自信があった」と喜びを噛み締めていた。

　今後の活動について、藤井さんと高橋君は「雪景色を撮影したい」、公平君は「紅葉の写真を撮ってみたい」と話していた。

(札幌市 2020-10-19付)