道教委　小・中・高英語教育支援事業　１２月に互見授業など実施　富良野高でコンソーシアム初会合

（学校 2020-11-09付）

１２月に互見授業などを行うことを決めた

　【旭川発】富良野高校（髙橋宏明校長）で１０月２７日、道教委新規事業「小・中・高校英語教育支援事業」にかかるコンソーシアムの第１回推進協議会が開かれた。指定を受けている富良野市内の小・中学校、高校の教職員や教育行政職員、有識者ら１６人が出席。３校種合同研修会などの日程や、校種間の接続を考慮した富良野版ＣＡＮ―ＤＯリスト作成の方向性などを協議し、系統的な英語教育の推進に向けて協議した。

　事業は、道教委による本年度新規事業。上川管内では推進校に富良野市立東小学校、鳥沼小学校、富良野東中学校、富良野高、協力校に富良野緑峰高校が指定され、小・中・高校１０年間の系統的な英語教育の指導体制を整備する。

　コンソーシアムは、各校の英語担当教員のほか、市教委や上川教育局職員、有識者として大学教授や富良野商工会議所、ふらの観光協会の職員で構成。

　この日、その初会合を開いた。

　髙橋校長によるあいさつのあと、同校の中島康晴教頭が事業の趣旨や概要、スケジュールを説明。「富良野版ＣＡＮ―ＤＯリストの作成」「小・中学校・高校合同研修会の実施」などの取組内容や目標指標を案として提示した。

　今後のスケジュールとして、１２月３日に富良野高で互見授業兼公開授業、１２月８日に富良野東中で小・中学校・高校合同研修会兼互見授業を実施することを確認したほか、来年３月ごろに本年度の成果や次年度に向けた取組を協議する第２回コンソーシアムを開催することを申し合わせた。

　続いて、小・中学校における取組を富良野市教委の松原光利主幹（指導主事）が説明。市教委で数年前から立ち上げている小学校外国語活動推進委員会について、中学校教員による小学校への乗り入れ授業を通した小中連携の取組などを紹介した。

　高校における取組については、富良野高で英語科を担当する志知英尚教諭が説明。地元ＰＲによる活性化の取組として、２年生全員がコミュニケーション英語Ⅱで富良野観光名所を英語で紹介する動画を作成することを紹介した。

　現在、４～５人１グループで制作に取り組んでおり、観光協会や市経済部商工観光課などから提供された動画や写真をもとに絵コンテなどを作成中。完成した絵コンテや素材などを札幌大学で編集し、来年３月のＷｅｂ掲載を目指していることを伝えた。

　協議に移り、互見授業の実施形態や富良野版ＣＡＮ―ＤＯリストの作成、合同研修会の内容など、校種を横断した取組について共有。うち、ＣＡＮ―ＤＯリストの作成については、暫定版を提示し、各校における作成や活用の方向性、富良野市として共通する児童生徒の目指す姿などがあらためて話し合った。

　また、各校の担当者が英語教育改善プランに基づく英語力向上に向けた指導方法における工夫改善の取組について報告した。

　説明や協議を踏まえ、有識者として出席した道教育大旭川校の石塚博規教授と富良野商工会議所の大玉英史専務理事が助言。石塚教授は、３校種が一堂に会して英語教育を改善する事業に期待を寄せるとともに、１０年間の着地点をしっかりと意思統一・合意した上で取組を推進することの重要性や、ＩＣＴ活用による充実などを話題に上げた。

　最後に、上川教育局の渡部慶一高校教育班主査、望月俊綱義務教育班主査が全体を振り返って講評した。

(学校 2020-11-09付)