高校の端末整備で文科相　来年から開始へ　多様性踏まえ計画的に

（国 2020-12-03付）

　萩生田光一文部科学大臣は１日の記者会見で、来年から高校における端末の整備に段階的に取り組む考えを示した。義務教育のように単年度で全学年分を整備することは難しいとし、高校教育の多様性を踏まえて計画的に整備を進めるとした。

　文科省の公立高校における学習者用端末の整備状況調査によると、ことし１０月現在、４７都道府県のうち半数の自治体が１人１台端末の整備を目標に設定。秋田県など１１自治体が整備済み、または本年度で整備完了予定となっている。

　ＢＹＯＤ（個人端末の持ち込み）と学校に整備する端末を併用する自治体もあり、義務教育用と同様の仕様のものを調達したり、デジタル教材の購入費を家庭負担とするなど、対応は様々な状況にある。

　国では高校の端末整備に関し、設置者の取組を支援しつつ、全国の配備状況などを把握した上で方針を検討。コロナ禍をはじめとする緊急時の対応として、経済的に困難な世帯の高校生の学びを保障する観点からの対応も必要としている。

　農業高校や工業高校などの専門高校においては、産業界をけん引する人材育成を行えるよう、ハイスペックのＩＣＴ端末を含め、産業教育設備の整備を検討する必要があるしている。

　萩生田大臣は記者会見で、令和時代におけるデジタル化の推進と質の高い教育を実現するために端末は必要不可欠なツールであるとし、高校生も含め、将来的にすべての子どもたちにＩＣＴ環境の整備が必要との考えを示した。

　一方、高校教育の多様性を踏まえ、画一的な支援ではなく柔軟な対応が必要と指摘。計画的・段階的に整備を進める必要があるとし「まずは来年、切れ目なく（整備を）スタートしたい」と述べた。

(国 2020-12-03付)