文科省３次補正案　総額１.２兆円　スマート専門高　実現へ　低所得世帯高校生に端末等

（国 2020-12-16付）

　総額１兆１８３０億円の本年度文部科学省第３次補正予算案が１５日、閣議決定された。地域産業をけん引するスマート専門高校の実現に２７４億円を措置し、デジタル化に対応した産業教育装置を整備。新たに低所得世帯の高校生の端末や通信環境を整備するほか、学校における感染症対策等支援の継続に必要な経費を措置した。

　世界レベルの研究基盤構築のための大学ファンド創設に５０００億円を計上した。

　学校教育に関連する主な事業をみると、学校等における感染症対策等支援に３４１億円を計上。幼稚園、小・中学校、高校、特別支援学校等における保健衛生用品の購入費や、コロナ禍に対応するための教職員研修の実施、特別支援学校のスクールバスにおける感染リスク低減に必要な経費の補助などを支援する。

　ＧＩＧＡスクール構想の拡充などＩＣＴ環境整備には２５９億円を充て、低所得世帯の高校生が使用する端末や通信環境の円滑化に向けた整備に取り組む。また、オンライン学習システムの拡充、全国学力・学習状況調査のＣＢＴ化に向けた調査研究、子どもの学びを保障できる環境の実現、幼稚園のＩＣＴ環境整備を推進する。

　スマート専門高校の実現に２７４億円を計上し、専門高校でデジタル化に対応した産業教育装置を整備。最先端の職業教育を行うことで、地域の産業界をけん引する人材を育成する。

　デジタルを活用した大学・高専教育高度化プランには６０億円を計上。基盤設備等を整備し、ポストコロナ時代の高等教育における教育手法の具体化を図る。

　高校生等への修学支援には１０２億円を計上し、コロナ禍で困窮する高校生等の世帯に必要な教育費を上乗せして支給する。家計が急変した学生への無利子奨学金の充実では９０億円を措置している。

　スポーツイベントの開催や子どもの運動機会創出の支援に向けては５８億円を計上。イベント開催のための感染症対策やデジタル技術を活用した新たな取組を支援する。

　文化芸術活動の支援には３７０億円を措置し、文化施設の新たな活動に向けた環境整備を支援する。

　学校施設等の整備には２３６５億円を計上。学校施設の衛生環境改善、耐震対策、老朽化対策、防災機能強化などを推進する。

(国 2020-12-16付)