道高校長協会　管理職の手引き　研修の支援体制確立を　学校力向上目指す方策例示

（関係団体 2021-01-18付）

　道高校長協会（廣田定憲会長）は、『北海道版　管理職の手引き―新たな知識の創造のために』を作成した。「学校力の向上を目指す学校経営の在り方」についての調査研究の成果を集約。将来の学校組織を支える人材育成を喫緊の課題とし、教職員本人の不断の自己研鑚に加え、人づくりのための支援体制を確立する必要があることなど、ポイントを示している。

　調査研究を開始したのは平成２９年度。２８年度末に校長退職者が５０人を超えたことから、これまでに引き継がれてきた慣例や経験が引き継がれないのではといった不安が課題として浮かび上がった。

　校長業務に対する不安を解消するため、同会の調査研究部管理運営委員会が中心となって全国調査を実施するなど検討を重ね、国や道教委の動向を踏まえながら４年の歳月をかけて完成させた。

　手引きは、「学校力の向上を目指す学校経営の在り方」をテーマに、学校力の向上を図る学校経営について調査研究し、その成果をまとめた。

　①校長とは②資質・能力の向上③学校運営④今日的課題―の４部構成となっている。

　①のうち、学校の組織マネジメントについて、学習指導要領で示す「カリキュラム・マネジメントの推進」を支える重要な要素と指摘。「授業を中心とする学校のカリキュラム開発は、教師が学校組織として協働しながら創造していくことで、最終的に生徒の学びの質の向上につながる」とした。

　②のうち、副校長、教頭、主幹教諭、ミドルリーダーなど人材育成については、一般職・管理職も含め大量の退職期に対応した個々の教職員の資質・能力の向上は喫緊の課題であると強調。全教職員の不断の自己研鑚が求められることに加え、管理職として、「組織としての人をつくるための支援体制を確立しなければならない」としている。

　ほかにも、「手引き」ガイドや、管理職が日々自身の仕事について状況を振り返る一助とするためのチェックリストを掲載している。

　同会は、手引きの活用を求め、学校経営力の向上に期待を寄せている。

(関係団体 2021-01-18付)