道内小中高 元年の保健室利用 小36% 10年で6ポイント増 道養護教員会 調査結果報告(関係団体 2021-01-22付)
道養護教員会(佐藤芳美会長)は、保健室利用状況に関する調査結果をまとめた。在籍者数に占める利用者の割合は、平成21年の前回調査と比べ小学校が6・2ポイント増の36・0%と増加。平均対応時間は各校種とも長くなっており、中学校では2倍近くの29分38秒となった。相談内容は、小学校が「発達障がい(疑いを含む)」、中学校、高校は「友人との人間関係」に関するものが最も多い。
調査は、道内の小学校、中学校、高校を対象に、保健室の利用状況や養護教諭の対応などの実態を調査し、保健室の機能をより良く生かすための資料作成に寄与することが目的。平成11年から10年ごとに実施している。
調査対象は、道内の小学校、中学校、高校から抽出した38校で、保健室を利用した児童生徒1万902人。調査時期は令和元年9月初旬の5日間。
過去1年間で保健室登校をしている児童生徒の1000人当たりの平均人数は、小学校が2・2人、中学校が4・6人、高校が0・4人。10年前と比べ小学校が2・8倍と増加している。別室登校は、小学校が0・4人、中学校が10・6人、高校が0・7人と中学校で多く、9割以上の学校で養護教諭が支援にかかわっている。
スクールカウンセラーが設置されている学校の割合は、小学校が42・9%、中学校が85・7%、高校が90・0%でいずれも上昇。養護教諭とスクールカウンセラーが定期的な連絡・打ち合わせを行っている割合は、小学校が28・6%、中学校が50・0%、高校が90・0%だった。
児童生徒の保健室の利用率は、小学校が6・2ポイント増の36・0%、中学校が11・8ポイント減の32・3%、高校が15・2ポイント減の19・4%。利用の理由は、小学校が「けが」、中学校、高校が「体調が悪い」が最も多い。
児童生徒と対応して記録の必要性があると判断された相談内容は、小学校は「発達障がい(疑いを含む)」が最も多く、「漠然とした悩み」「身体症状」「学習に関する悩み」と続く。中学校は「友人との人間関係」「身体症状」「家族との人間関係」、高校は「友人との人間関係」「身体症状」「体の発育・発達」の順に多かった。
記録の必要性があると判断され養護教諭が対応した内容は、各校種とも「健康観察」「バイタルサインの確認」が上位。
児童生徒の1回当たりの平均対応時間は、小学校が12分14秒、中学校が29分38秒、高校が26分10秒。いずれの校種も増加し、中学校では2倍近くに増えている。
道養護教員会は、救急処置を必要としない利用者にも訴えの背景に支援の必要があるとし、特に、いじめや虐待の兆候をいち早くつかむことのできるよう意識を向ける必要性を指摘。学校に様々な職種の専門家が入る中、包括的に児童生徒をとらえることができる養護教諭の役割がより重要になっていくとしている。
(関係団体 2021-01-22付)
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