道小 第63回北見大会 誌上交流⑥
(関係団体 2021-01-27付)

◆第12分科会 自立と共生

【研究課題】

 自立や共生の実現に向けた特別支援教育と環境教育の推進における校長の在り方

【研究発表】

共生社会を目指す特別支援教育を生かし明日へつなぐ学校経営を推進する校長の在り方

発表者=七飯町立大中山小学校・白石眞嗣校長

▼研究のねらい

 学校基本調査によると、本道の特別支援学級ならびに通級による指導を受けている児童生徒数は、全国同様、増加傾向である。また、障がいも重複化や多様化してきている。我々の目指す共生社会とは、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会である。将来を担う児童一人ひとりに寄り添う教育を実現していくための方策の一つとして、特別支援教育をより理解し、積極的に学校経営に生かす研究を進める。

▼研究の内容

▽調査研究

 校長として学校経営の視点をもとにした。

・特別支援教育の位置付け

・特別支援教育の実態や推進状況と課題

▽実践研究

・特別支援教育を生かした学校経営の取組

・課題解決の参考となる事例の紹介や分析・考察

▽まとめ(成果と課題)

▼研究の計画

▽1年次=アンケート調査(分析と考察)、課題の把握と方策の理論研究

▽2年次=特別支援教育を生かした学校経営の実践、まとめと成果

▼1年次研究の概要

▽調査研究

・実施時期ー令和2年3月

・調査対象=渡島管内小学校43校

・調査内容=学校経営における特別支援教育の推進に当たり、校長の考え方やかかわり方、実態や課題について

①学校経営

・ほとんどの学校で特別支援教育を経営の重点に位置付けている

・特別支援教育推進にかかわる課題が「現在ある、過去にあった」と答えた校長が約8割

②校内支援委員会

・学校によって開催頻度に差がある

・全教職員の共通理解のもと指導に当たりたいと考えている校長が多い

③外部との連携

・教育支援計画の共有に課題がみられる

・保護者との連携に工夫、努力している学校が多い

④特別な教育的支援を必要とする児童

・8割以上の学校が通常の学級に在籍する児童がいると回答

・約4割の学校が特別支援教育支援員等の配置について保護者の同意が得られていない

⑤特別支援教育の推進状況

・交流および共同学習を行っている学校が多い

・悩みを気軽に教職員間で相談できていると回答した学校が多い

・特別な教育的ニーズに概ね応えられているとの回答が多い

・ほとんどの学校が、教職員の意識は高まっていると回答した

・特別支援教育に対する保護者全体の理解は、管内の過半数の校長が進んでいないと感じている

⑥特別支援教育で効果的であった取組

・全校児童の個別の教育支援計画を作成

・学校経営の中核に位置付け、分掌において学習支援部を新設

⑦特別支援教育の推進に当たっての課題

・指導体制の充実(特別支援教育への理解)

・インクルーシブ教育実現のための環境整備(教室環境の充実や予算の増額等)

・人員の不足(教員、支援員等の増員)

・人事(特別支援教育の免許をもつ経験豊富な教員の確保)

・特別支援教育にかかわる研修の充実

・教職員の意識改革

・専門機関とのさらなる連携

・保護者との信頼関係の構築と特別支援教育への理解

・教育相談の充実(児童の困りの共通理解)

【誌上交流】

 本分科会の研究課題や研究発表に対して、つぎのとおり、多くの会員から感想や意見をいただいた。

▼特別支援教育の啓発

▽調査結果の中で、「特別な教育的支援を必要とする児童の担任が気軽に教職員間で相談できる」と回答した学校が多かった一方で、「特別支援教育に対する保護者の理解は管内の過半数の校長が進んでいないと感じている」という結果だったことに注目した。教育を進めるに当たっては、当然、家庭との深い連携が必要である。そのためには、教育だけではなく福祉との協力のもと、社会への特別支援教育のさらなる啓発が求められていると思われる

▽これからの教育活動の充実、子どもの様々なニーズやきめ細かな対応のためには、特別支援教育が果たす役割は大きく、学校経営の重点からは外せないと再確認した。課題として保護者の理解を挙げているが、学校が保護者に対し、日常的な子どもの困りを伝え、保護者の思いを聞く土壌をつくることや、今の特別支援教育の考え方を様々な機会を使って発信し、理解を深めていくことの必要性を強く感じた

▼学校経営の視点と校長の効果的な取組

▽自校では、本年度初めて特別支援学級が設置され、学校経営の重点として、新たに特別支援教育の充実を加えて推進しているところである。そのため、渡島地区の調査研究は、特別支援教育を生かす学校経営の推進における校長の在り方について、実態から課題解決を図ろうとするもので大変興味深い研究であった

▼特別な教育的ニーズヘの対応

▽自校においては、教職員や保護者の特別支援教育への理解が着実に広がっていると感じている。しかし、特別支援学級に在籍する児童が最近、大幅に増え、さらに、通常学級においても特別な支援や配慮が必要な児童が増えている。町の支援員を増員して配置しているが、個のニーズに応じた教育活動が大きな課題となっている

▼特別支援教育の推進

▽学校教育法の一部改正(平成19年)以降、共生への意識は高まり、多様なニーズに対応する教育も充実が図られてきた。しかし、本調査結果の指摘のとおり、課題も多くある。中でも一番の課題は人材確保の難しさではないか。今後、私たちが教職員の適性を見いだし適切な研修機会を与え、特別支援教育のさらなる充実を図っていくことが重要であると考える

▼特別支援教育を推進する校長の姿勢

▽「その子の未来を見据え、正しい知識、正しい言葉で保護者に将来の見通しをもたせることが我々の仕事である」という考察に同感する。専門機関、行政、放課後児童デイサービス、職親会や育成会等各種団体と連携し、多面的・多角的な視点で特別支援教育を推進する必要性を再認識した

▽「私たちは、特別な教育的支援を必要とする子どもを語るとき、その子の未来まで見据えて話しているだろうか」という提言の言葉に尽きる。現在、特別な支援を必要とする子どもへの就学前から学齢期、社会参加までの切れ目ない支援の体制整備・充実が進められている。子ども一人ひとりの教育的ニーズを把握し、その子の将来を見据えた適切な支援を行うための校長のリーダーシップの在り方を問う主張だと思う

▽「そもそも人は一人ずつ違ってよい。すべての子どもに光を当てるべきである。(中略)正しい知識と正しい言業で保護者に見通しをもたせ、安心と希望を与えるのが私たちの仕事である」という提言の言葉から、全職員が特別支援教育の正しい理解をするために校長がリーダーシップを発揮し、組織づくりと研修を行う重要性を感じている

▼支援員や補助員

▽専門的な知識のある教員と支援員の増員が一番の課題である。専門的な知識をもとに、児童の10年後、20年後を見据え、保護者の理解を得ながら、今すべき教育を適切に進めたい。学校そのものが一つの共生社会になるよう研修を進め、教職員個々の専門的な知識を高めていきたい

▼関係機関との連携

▽学校も共生社会の一つであり、学校と保護者そして関係機関との連携等によって成り立つものだと思う。話しやすい職員室づくり、保護者への積極的なアプローチ、未来まで見据えることの大切さなど、多くのことを再確認させていただいた

▼教員の意識改革と力量の向上

▽特別支援教育を推進する上で一番の課題と考えているのは教員の意識改革と力量の向上である。そのために校長は、初任段階から計画的に育成を図る必要がある。全道大会では、成功事例の交流があるとよい

▼指導支援の充実を図るために

▽地域特有の特別支援の課題を市町村レベルで整理し、計画的な研修を各市町村で充実させることが必要であり、学校においてはアセスメントから改善までの支援サイクルと支援段階を明確にして取組を進めることが重要であると感じた

 以上、概ね調査内容と結果に関して肯定的な意見が多くを占めたことから、渡島地区の研究発表はこれからの学校経営に資する資料として活用いただけることが確認できた。

【まとめ】

 渡島地区では、つぎの3点を念頭に特別支援教育の研究を進めてきた。

▽研究を一過性のものにしない

 1年次研究では、全体の傾向を把握するなどの成果が得られた。しかし、研究によって何かが変わったという変化に乏しかったのではないかと考え、2年次研究ではより実践的な内容に取り組むこととした。

▽「校長として」という点に重きを置く

 校長としての理念を確立したり、磨き合ったりすることができるような研究にすることを目標とした。

▽通常の学級に在籍する児童にも目を向けた研究を

 先進的な取組を行っている他の教育団体と同じ内容では、研究の効率化が図られないことに加えて、特別な支援を必要とする子どもが増加している状況を鑑み、どのような学校においても有効に活用できる研究に取り組むこととした。

 以上のことを踏まえ、成果と課題についてつぎのとおりまとめる。

▼成果

▽この2ヵ年の研究計画において、初年度はアンケートや実践事例から得られた結果の分析、交流、そして管内の研究大会での熟議を行い、次年度の取組の共通理解を図ってきた。さらに次年度は、その共通理解のもと、各校の実践につなげ、一層の成果を得たいと考えている。これによって経年変化や取組の経過をとらえ、実践に反映することができる

▽数々の実践や調査結果から、校長がやるべきことについて、「学校を小さな共生社会にしていく」と端的に表現することができた。このキーワードを常に念頭に置くことで、校長の役割を整理することができた

▽特別支援学級における取組は、通常の学級における特別な支援を必要とする子どもをはじめ、発達に課題のある子どもに対して極めて有効であり、広汎に応用できるものがある。これを実証するには、地域の学校が一体となった共同研究が不可欠であり、この研究体制を確立したことが今回の取組の大きな成果であった

▼課題と今後に向けて

 子どもの自立を図るための特別支援教育は、校長の理念のもと、将来の子ども像を見据えて、すべての教職員が同じ方向にベクトルを向けた動きが理想である。しかしながら、現状として校内の支援委員会の設置が半数にとどまっていること、教育支援計画の共有が十分ではないこと、保護者との共通理解に苦慮しているなどの実態がある。

 これら足元の課題の解決、解消が喫緊であり、これまで以上に必要性が高まっている特別支援教育に対する知識や経験、ノウハウを蓄積していくことの重要性を教職員とともに自覚していくことが必要である。

◆第13分科会 連携・接続

【研究課題】

 家庭・地域等との連携と学校段階等間の接続の推進における校長の在り方

【研究発表】

連携・接続の推進における「人材育成・人材発掘」に向けた校長の役割と指導性

発表者=弟子屈町立川湯小学校・中岡美緒校長

 本研究は、釧路校長会において連携・接続を推進する人的資源を育成・発掘するための校長のコーディネート機能を高める取組について、各校での実践事例をもとに検証した。

▼研究のねらい

 連携・接続の推進にかかる管内小学校の現状を把握するとともに、推進の鍵となる要素「人材育成・人材発掘」に即して校長の取組事例を収集し、家庭・地域などとの連携や、学校段階等間の接続の充実に向けた今後の在り方を追究する。

▼研究内容

▽研究の視点=「人材育成・人材発掘」

・学校における人材育成・人材発掘

・地域における人材育成・人材発掘=地域との連携・協働の再構築、義務教育9年間と保育所・幼稚園等との連携接続、実効性・波及性のある校長の取組(役割・指導性)

▽実践事例

 つぎの視点ごとに2例ずつの実践事例が紹介された。

①視点1「家庭・地域等と連携および協働を深め、創意ある教育活動を展開する学校づくりの推進」

・事例1「地域におけるコーディネーター」

 コミュニティ・スクール(CS)の立ち上げの際に校長会が中心的な役割を果たす。教育委員会が発掘した人材をコーディネーターとして有効活用するとともに、新たな要望に対し積極的に働きかけるなど事業の活性化に努めている。

・事例2「学校におけるCSコーディネーター」

 経験豊かな教職員だけに頼るのではなく、若手教職員のアイデアを生かすべくCSコーディネーターとして、小中連携促進チームの推進役を担わせた。

 このことによって、若手教職員の理解が進み、地域との連携が一層充実した。

②視点2「成長の連続性を生かした学校段階等間の接続の推進」

・事例3「小中連携の取組」

 道教委の指定事業を活用し、小・中学校長が連携の上で地域連携部会を発足させた。組織立ち上げ時に十分な協議を行ったことで、その後の運用での教職員の積極的な参画が得られた。

・事例4「幼小・保小の連携」

 学校経営計画の中に、認定こども園との「カリキュラム作成・改善」「認定こども園との交流」を打ち出した。方針や重点についても意見を交換している。主幹教諭を推進担当者として位置付けている。

【誌上交流】

▼意見・感想

▽「連携・接続」の推進に向け、校務分掌をどのように組織していくか、また、担当者の当事者意識を高めるために、どのような役割を担わせるのかは、校長の指導性の発揮どころとしてとても重要である。本研究発表においては、校長の指導性によって、校務分掌等の改善を通して、校内および地域における人材育成を成し遂げている。この研究成果を生かし、連携・接続における人材育成が図られるよう、校長の役割と指導性を発揮していきたい

▽釧路地区の貴重な実践からは、地域に根ざす学校の創造には、認定こども園も含め複数の学校等の教育(運営)方針の共有や地域の実態に即した取組が不可欠であることが読み取れた。特に、CSなど地域との連携・接続の充実・実効を目指す上で、軌道に乗るまでは、校長の責任を伴う行動力が重要であることもあらためて確認することができた。今後も各地区ならではの実践に学び、最適な学校経営を目指し、研鑚していきたいと思う

▽連携・接続分科会の趣旨・視点を拝読させていただき、教育活動の広がりとつながりに視点を当てたこの研究が、新学習指導要領の掲げる「社会に開かれた教育課程」に深くかかわっていることを実感した。人材育成・人材発掘という観点から課題に迫る提言からは、人を育てる戦略の大切さを学ばせていただいた。紹介いただいた多くの実践例をヒントに、連携・接続の充実を図っていきたい

▽地域や校種間の連携は、本校でも課題の一つであることから、第13分科会の研究発表を読ませていただいた。CSを核にした地域との連携では、コーディネーターの役割が重要であり、地域の人的資源の発掘にも有効であることを理解した。小中連携の取組では、具体策を示していただいたので、本校でも中学校と目指す子ども像を共有しながら進めていくためのイメージをもつことができた

▽小規模校である本校の課題は、教職員数の制約による連携・接続を推進する人材配置の困難さであり、今回の研究発表で示されていた課題と一致していた。地域ネットワークの有効活用を図るためにビジョンの共有化を図りつつ、校務分掌の中に連携推進担当を位置付けることが効果的であると理解できた。そのための業務全体の見直しと、必要な校務分掌を重点的に配置する戦略的な学校経営の必要性をあらためて認識した

▽これからの社会を見据え、地域の実態に応じた連携・接続について、学校・地域それぞれにおける人材育成・人材発掘に視点を当て、教職員に必要感や実感、達成感をもたせていた。また、地域ネットワークを築くなど、校長が果たすべき役割や指導性について実践を通して取り組まれた釧路地区の研究は、校長としてコーディネート機能を高めることの重要性を再認識させていただくものであり、非常に勉強になるものであった

▽本年度は、研究課題の文言も「異校種間接続」から「学校段階等間の接続」に進化している。人材育成・人材発掘に焦点を当てた校長のコーディネート機能を高める研究に取り組まれ、地域ネットワークを有効に活用し、成長の連続性を生かした学校段階等間の接続を推進されたこと、連携推進担当者を明確に位置付けたことによって、人材育成・人材発掘に成果を挙げられたことが分かり、大変勉強になった

▽第13分科会の研究発表を読ませていただき、先進的な実践例を学ぶことができた。特に、人材発掘について自校のCSコーディネーターに若手教員を配置し、参画意識を高めることや、幼小・保小の連携では、ことばの力を育てるカリキュラム接続表の実践は大変参考になる内容だった。いずれにしても、校長のビジョンや戦略を形にして推進することが、課題解決の王道であることを再認識した

▽第13分科会の研究発表を拝読し、釧路校長会の各町村において、学校が核となり、連携・接続の仕組みを構築していくエネルギーを感じた。また、要となる人材の育成・発掘という視点をもった取組は、とても重要なポイントになると思った。私の学校では、次年度からコミュニティ・スクールが導入となるが、今回の研究成果を参考に、校長としてできることをしつかりと見付け、実践していきたいと思う

▽幼保小中の連携に取り組む最初の段階は、校長間の仲がよいことと、それを教職員が見ていることだと思う。また、特別支援教育から始めることが一番スムーズだと考えている。子どもの実態交流から始まり、学習会等で顔を合わせたり、指導等の情報交流をしたりすることで徐々に距離が縮まっていく。個別の指導計画等の記録の蓄積をどのようにしていくかまで話が進むと、かなりよくなると思う。記録の蓄積には市町村教委にもかかわってもらい、記録の形式を統一したり、保健福祉課などとの連携をしてもらったりしながら、市町村全体で進めることができるように働きかけをしていくことが必要だと思う。幼保小連携では、年長の子どもが小学校に安心して来ることができるように幼稚園や保育所に校長が顔を出して、年長の子どもが「あの先生のいる学校にいくんだ」と思えるようにすることがよいと思っている。小中連携においては、教職貝の中で担当者を決めて小中連携会議をもつことがよいと考える

【まとめ】

 本分科会では、弟子屈町立川湯小の中岡校長から、釧路校長会での前年度本分科会の研究協議で明らかになった諸課題や、これまでの成果のある取組が紹介されるとともに、本年度の課題について明確にし、校長が果たすべき役割や指導性について誌上で発表された。

それをもとに、誌上にて意見をいただき、成果と課題を確認した。

▼成果

▽視点1「家庭・地域等と連携および協働を深め、創意ある教育活動を展開する学校づくりの推進」

コミュニティ・スクールを核とした地域との連携においては、コーディネーターの役割が重要なので、校長が地域および学校におけるコーディネーターに積極的にかかわり、地域との連携を深めていくことで、地域の人材発掘や特色ある教育活動が推進されている。

 校務分掌の中に、連携推進担当を位置付けることで、教職員の参画意識を高め、組織的で持続的な体制が整ってきている。

▽視点2「成長の連続性を生かした学校段階等間の接続の推進」

 幼小、保小の連携では、目指す姿や身に付けさせたい力をカリキュラムの接続表に表し見える化することで、校長のビジョンを形にして推進できる。

 校区の小中、幼保および関係機関と日常的な交流、連携を図ることで、9年間あるいは12年間を見通した取組や目指す姿への成長につながる。

▼課題

▽視点1「家庭・地域等と連携および協働を深め、創意ある教育活動を展開する学校づくりの推進」

 コミュニティ・スクール等地域との連携・接続の充実・実行を目指す上で、軌道に乗るまでは、校長の責任を伴う行動力が重要である。

 小規模校では、教職員数の制約による連携・接続を推進する人材配置の困難さもあることから、連携推進担当を校務分掌の中に位置付けるためには、業務全体の見直しと必要な校務分掌を重点的に配置するなど、戦略的な学校経営の推進が必要である。

▽視点2「成長の連続性を生かした学校段階等間の接続の推進」

 小中連携として学校経営方針(グランドデザイン)に、9年間の連続した子どもの育ちを意識して、小中同じ取組の部分を校長が意図して記載していくことができるようにすることなどで、接続部分の共有化が見えたので、出口となる「15の春」の共有化に向けた取組も重要になってくる。

▼今後に向けて

▽対外的な協働体制整備

 教育委員会をはじめとする地域の関係機関に積極的に働きかけ、小中連携の窓口やコミュニティ・スクール、地域連携の窓口としての役割等にかかわってもらえるような体制づくりを進める。

▽校内体制整備

 地域連携、幼保小中連携等への必要感、モチベーションを高める取組や体制を整える。

 これからの社会を見据え、地域の実態に応じた連携・接続について、学校・地域それぞれにおける人材育成・人材発掘に視点を当て、教職員に必要感や実感、達成感をもたせ、また、地域ネットワークを築くなど、校長自らが積極的にかかわり、コーディネート機能を高めていくことが重要である。また、教職員、地域の人材育成・人材発掘に視点を当て、組織的・継続的な体制を構築していくことが必要となってくる。

(シリーズ終わり)

(関係団体 2021-01-27付)

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