道中 働き方改革に関する調査 多忙な業務「部活動」87% 校務支援システムで一部教員に負担集中
(関係団体 2021-02-15付)

 道中学校長会(鎌田浩志会長)は、令和2年度『働き方改革の推進に関する調査報告書』をまとめた。教職員の負担が大きい業務で最も多かったのは「部活動指導」で87%。成果のあった業務改善の取組は「部活動の活動時間や休養日の設定」「学校閉庁日の設定」がいずれも8割以上となっている。校務支援システムの導入によって、書類作成の効率化など多くの効果が報告された一方、一部の教員に負担が集中するなどの問題も指摘された。

 道中の対策部は、平成29年度から新・生徒指導に関する調査を実施。本年度は調査研究テーマを「学校の働き方改革」に設定し、30年度に全日本中学校長会が実施した全国調査を参考に、新型コロナウイルス感染症への対応や対策などを踏まえ、札幌市を含む道内の状況を調査・分析した。

 教職員の出退勤管理の把握手段は、「校務支援システム等」が66%、タイムカードやICカードなど「その他」が24%など、客観的な方法による出退勤管理の取組が広まっている。

 教職員の多忙・負担感が大きい業務は、学校の運営では「職員会議・学年部会・分掌部会などの会議」が54%と最も多く、「学校運営」「調査への回答事務」と続く。感染症対応では、消毒作業、トイレ清掃、検温業務などが上位となった。

 生徒の指導に関する業務では「部活動指導」が87%、外部対応や校外の業務では「保護者・PTA対応」が78%と多く、全国と同様の傾向となった。

 成果が得られた業務改善の内容は「ガイドラインに沿った部活動の活動時間や休養日の設定」が89%、「長期休業期間における学校閉庁日の設定」が87%と多い。学級担任の負担軽減の取組として、「授業のない日の設定」「全職員による道徳」などが報告された。

 働き方改革のために必要な事項として最も多く挙がったのは「教職員定数の見直し、給与待遇改善、予算拡充」の93%。また「部活動指導員やスクールサポートスタッフ等の配置」「学習支援サポートなどのスタッフ拡充」など人的支援の充実を求める声が多い。

 「全教員分のパソコンがあり、校務支援システムを導入している」との回答は58%。書類作成の効率化、成績処理の標準化などの校務効率化の効果が報告された。

 デメリットとして、持ち帰り業務に関連した在校等時間の増加、ICTに堪能な教員への負担集中、ICTに慣れていない教員の困り感などの指摘もあった。

(関係団体 2021-02-15付)

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