富良野市　第１次教育振興基本計画案　全教員がＩＣＴ活用を　学校段階間の円滑な接続へ

（市町村 2021-01-28付）

　【旭川発】富良野市教委は、令和３～７年度の５年間を計画期間とする第１次市教育振興基本計画の原案をまとめた。学校教育および社会教育の中期計画を一体化し、両分野を包括した教育の方向性を示した。２月２日までパブリックコメントを実施。主な施策をみると、ＩＣＴを活用して指導できる教員を１００％にすることなど、社会のグローバル化に対応する教育や、学校段階間の円滑な接続等に関する取組および成果目標を盛り込んでいる。

　市教委では、市総合計画のもと、第３次学校教育中期計画と第７次社会教育中期計画を策定。

　今回、両計画の成果を検証するとともに、次代を担う人材の育成と生涯学習社会の実現のため、両分野を包括した第１次市教育振興基本計画として教育の方向性を示した。

　基本理念は「未来を切り拓く人づくり　豊かな心を育むまちづくり」。

　政策目標として、①主体的な学びを育てる「知育の木」②自主自律の心を育てる「情意の木」③恵まれた環境と食で育てる「健康の木」④原点を見つめ未来へと輪を広げる「学びの大地」⑤家庭・地域の教育力の向上、学校との連携・協働の推進⑥人々の暮らしの向上と人生１００年時代を見据えた生涯学習の推進⑦文化伝承活動と社会教育施設整備の推進―の７点を設定し、それぞれ基本施策と実践項目、７年度までの成果目標などを掲げている。

　主な実践項目をみると、①の「国際理解教育の充実」では、海外の人々とふれ合う機会を充実するとともに、国際理解教育の推進に関する研修を実施。「国際理解教育を教育計画に位置付けている学校」「ＳＤＧｓを理解し、授業ができる教員」１００％を目指す。

　「ＩＣＴ教育の推進」では、ＩＣＴにかかわる教職員研修や環境整備、情報モラル教育の推進に取り組み、成果目標として「授業にＩＣＴを活用して指導することができる教員」「児童のＩＣＴ活用を指導することができる教員」１００％を掲げた。

　②の「不登校児童生徒への支援」に向けては、適応指導教室の充実や、「児童生徒理解・支援シート」を活用した組織的・計画的支援を推進。「多様な教育機会確保のため、ＩＣＴ機器の活用や家庭学習の評価、適応指導教室などの学習活動を評価材料に生かしている学校」など１００％を目指す。

　④の「学校段階間の円滑な接続」では、学びの連続性を踏まえた教育課程の編成・実施などに取り組み、成果目標を「近隣等の小・中学校と合同で授業研究などの研修を行っている学校」「小中一貫した９年間を見通し、特色ある教育活動を推進している学校」１００％に設定。

　「高校教育の推進」では、中高連携による学力向上プロジェクトチームや、魅力ある高校づくりなどの推進を通して、市内の中学校卒業者の富良野市内の高校への進学率７５％を目指す。

　原案は市ホームページ等で公開し、２月２日までパブリックコメントを実施。市民などから寄せられた意見を踏まえ、年度内の策定を目指す。

(市町村 2021-01-28付)