旭川市教委と市中連Ａｃｔサミット　差別・偏見なくそう　いじめ防止　取組動画配信

（市町村 2021-02-05付）

　【旭川発】旭川市教委と旭川市中学校連盟による生活・学習Ａｃｔサミットが、動画によるオンデマンド形式で開催されている。本年度のテーマ「コロナ禍におけるいじめの未然防止について」のもと、当番校の北門中学校を中心に取り組んできたシトラスリボン運動、医療従事者等への応援運動などの取組を動画で紹介。これらの実践を参考に、市内全校で新型コロナウイルス感染症による差別や偏見、いじめをなくす活動に取り組んでいく。

　サミットは、市内の生徒が自らより良い生活や学習の在り方について考えることを目的に開催しており、毎年、各中学校の代表生徒が一堂に会してテーマに沿った協議を実施。

　５年目を迎えた本年度は、感染症拡大防止の観点から、配信動画を各校の生徒会役員がそれぞれ視聴するオンデマンド形式での開催とした。

　テーマ「コロナ禍におけるいじめの未然防止について～差別や偏見、いじめをなくすために」に向けた取組の充実を図ろうと、本年度の当番校・北門中が協力校の春光台中学校、東鷹栖中学校と共に活動を推進。

　これらの取組を収録・編集した動画を、昨年１２月から公開範囲を限定して配信した。１月中旬にはすべての動画がそろい、市内全中学校で視聴している。また、取組を全市で広げるため、小学校でも視聴を可能とした。

　動画は、①開会式②教育長メッセージ③北門中の取組④北門中の交流報告⑤東鷹栖中の交流報告⑥春光台中の交流報告⑦医療従事者へのメッセージの取組⑧北門中への講評⑨東鷹栖中への講評⑩春光台中への講評⑪病院等から届いた画像―で構成。

　①では、北門中生徒会の８人がサミットの目的や、取組の内容などを紹介。活動を通して「私たち自身があらためて“差別や偏見、いじめは絶対に駄目なんだ”との考えをもち、自校の生徒に呼びかけることが大切」などと訴えた。

　②では、黒蕨真一教育長が出演。「皆さんが学校のリーダーとして、コロナ禍でも有意義な学校生活へ心を一つにして取り組んできたことはとても頼もしい」と評価した上で、取組の交流を通して活動の輪が市内全体に大きく広がることを期待した。

　③では、１２月に北門中の全校生徒で取り組んだコロナ対策宣言文づくり、シトラスリボンづくりの様子を紹介。「全校生徒が真剣に取り組んだことで団結力を高め、不安や恐怖をなくしたい思いが一層強くなった」と総括するとともに、各校の取組の参考となることを期待した。

　④～⑥では、北門中、東鷹栖中、春光台中生徒会役員が道外でいじめ撲滅に積極的に取り組んでいる中学校３校とウェブ会議システムＺｏｏｍでそれぞれ行ったオンライン交流の様子を報告。

　⑦では、医療従事者に感謝や激励、自分たちの行動への決意を伝える応援メッセージ作成の取組を紹介。

　⑧では、旭川人権擁護協議会の奥山ゆみ子人権擁護委員が、北門中の取組を「思いやりの心を行動に表したところが素晴らしい」などと評価。

　⑪では、応援メッセージに励まされた市内７ヵ所の基幹病院等から寄せられた画像を紹介している。

　これらの動画を視聴した上で、市内各中学校の生徒会役員らは自校での取組を協議・実践。

　シトラスリボン運動はすでに全小・中学校で展開しており、各校がリボンを作成するとともに、中学校ではリボンを活用した感染症による差別や偏見、いじめをなくす活動に取り組むこととしている。

(市町村 2021-02-05付)