旭川市３年度予算案　教育費は８０億円 部活動指導員２人増員 通信環境ない家庭に機器貸与

（市町村 2021-02-09付）

　【旭川発】旭川市は５日、令和３年度予算案を発表した。一般会計の総額は前年度当初比３・２％増の１６０１億３０００万円。うち、教育費は３・６％減の７９億８７５６万円となった。東栄小学校の増改築工事が完了したことなどが減額の主な要因。主な事業をみると、学校ＩＣＴ環境整備費として７２１８万円を計上し、タブレット端末を授業に活用するためのネットワーク接続料や、家庭に通信環境がない児童生徒へのモバイルルーター貸し出しなどに充てる。また、特別支援教育推進事業に１億４８８７万円計上し、医療的ケアを必要とする児童生徒のために看護師資格を有する補助指導員を１人増員。部活動指導員配置促進事業には３５７万円を当て、部活動指導員を２人増員する。

　教育関連の主な事業はつぎのとおり。

▼すくすくと子どもが育ち、誰もが健やかに暮らせるまち

▽発達支援相談＝３４６２万円

▽児童家庭相談＝２６０７万円

▽児童虐待防止対策（新規）＝５１万円

　虐待防止啓発と相談窓口を周知するカードを児童生徒に配布。

▽児童虐待予防・早期発見推進（新規）＝６７２万円

　妊産婦、児童とその保護者・家庭の状況等に応じて、訪問など必要な相談支援を実施。

▽虐待防止情報共有システム導入準備（新規）＝２４７万円

　転出入などの際に過去の相談内容等の情報を共有できる国のシステム導入に向け、相談記録の入力、児童記録票を整理。

▽子ども医療費助成＝６億７７１２万円

　中学生までの入院・通院にかかる医療費を助成。

▽私立認可保育所等建設補助＝２億７８５０万円

　認定こども園など２ヵ所で増改築工事。

▽保育士等研修＝４２８万円

▽特別支援保育事業補助＝１億１４６１万円

　新たに３ヵ所の認定こども園で実施。

▽保育体制充実＝３億１７１７万円

▽私立一時預かり＝２億１６１４万円

　保育所や幼稚園等が実施する一時預かり事業の補助項目などを、国の制度に合わせて拡充。

▽病児保育＝２３２３万円

▽延長保育事業補助＝９４６２万円

▽子育て支援ナビゲーター活動＝６９８万円

▽子どものための教育・保育給付＝１０７億１８５９万円

▽市立保育所病後児保育＝６９２万円

▽市立保育所延長保育等＝７３１万円

▽放課後児童クラブ運営＝７億２９１６万円

▽放課後児童クラブ開設＝１億４２１６万円

　５ヵ所を増設するとともに、新たに放課後児童健全育成事業を実施する民間事業者１者の運営費を補助。

▽市立保育所一時預かり＝５９４万円

▽子育て支援員研修＝２５５万円

▽保育士確保＝６１７１万円

▽放課後の児童の居場所づくり＝４６９万円

　市内３ヵ所の小学校で放課後子供教室を実施。

▽地域子育て支援拠点運営＝６５２６万円

▽地域子育て活動支援＝３３３万円

▽私の未来プロジェクト＝３０１万円

▽子どもの未来応援＝９６万円

　子ども食堂や学習支援などの支援。

▽あさひかわっ子夢応援プロジェクト＝９２万円

▼たくましく未来を拓く人材を育み、生涯を通じて学べるまち

▽社会科副読本整備＝２６３万円

▽英語教育推進＝３２１４万円

　小・中学校へＡＬＴ（外国語指導助手）、小学校へ外国語活動サポーターを派遣。

▽各種大会選手派遣等推進（小学校）＝７３万円

▽学校図書館活性化推進（小学校）＝３７３６万円

▽学校保健活動（小学校）＝１億２４９万円

▽スクールカウンセラー活用推進＝１０４１万円

▽各種大会選手派遣等推進（中学校）＝８１２万円

▽学校図書館活性化推進（中学校）＝１３７６万円

▽少人数学級編制＝４６１２万円

　小学校１～４年生を対象に、国の基準より少ない人数での学級編制を実施し、対象校に市費負担教員を配置。

▽いじめ問題対策推進＝３０７万円

　いじめ防止条例の制定に向け、いじめ防止等対策委員会、連絡協議会等において協議。

▽特別支援教育推進＝１億４８８７万円

　医療的ケアの必要な児童生徒に対応するため、看護師資格を有する補助指導員を増員（看護師資格者１４人↓１５人、全体で８３人↓８４人）。

▽高等教育機関設置準備＝２３０万円

　旭川大学をベースとした公立大学の設置に向けて、準備体制を整えるなど、関係機関と調整しながら取組を進める。

▽学校施設大規模改修（小学校）＝６億７１７万円

　２年度補正予算と合わせ、アスベスト含有断熱材を使用した３本の煙突改修。

▽学校施設大規模改修（中学校）＝３億９３７６万円

　２年度補正予算と合わせ、アスベスト含有断熱材を使用した９本の煙突改修。

▽学校ＩＣＴ環境整備費＝７２１８万円

　タブレット端末を授業に活用するためのネットワーク接続料や、学校の臨時休業時等の家庭に通信環境がない児童生徒へのモバイルルーター貸し出し。

▽明星中増改築（新規）＝５８０万円

　老朽化した明星中学校改築に向け、耐力度調査を実施。

▽就学助成費（小学校）＝２億６７１１万円

▽就学助成費（中学校）＝２億４４７０万円

▽教育支援活動促進＝７２万円

　道教育大学旭川校の学生ボランティアの派遣など。

▽部活動指導員配置促進＝３５７万円

　部活動指導員を増員（８人↓１０人）。

▽小中連携一貫コミュニティ・スクール推進費＝２２７万円

▽地域学校協働活動推進（新規）＝１０万円

　地域学校協働本部の設置やコーディネーターを配置するとともに、地域学校関係者等を対象とした研修会を実施。

▽科学館事業活動＝１５１９万円

　新たに３Ｄプリンターを活用したものづくり体験ができる「テックラボ」や、地球上の様々な情報を地球儀の上で表現し、学習することができるインタラクティブ地球儀を設置。

▽郷土学習振興費＝４５万円

▽豊岡４遺跡発掘調査費（新規）＝８１万円

　埋蔵文化財包蔵地を含む豊岡小の改築工事の着工前に発掘調査を実施。

▽体育振興＝１２９０万円

　体育大会の選手派遣にかかる補助金について、１人当たり補助額および対象人数の上限を拡充。

▽アスリート発掘・養成＝１７８万円

▼活力とにぎわいにあふれ、経済が力強く発展するまち

▽地域連携技術者育成支援（新規）＝１５０万円

　旭川高専と地域企業との連携促進を図り、地域企業の課題解決と持続的な発展を図る。

▽旭川圏トライアルワーク連携支援＝１２９８万円

　地域独自の職場体験、インターンシップ支援。

▽ＩＣＴパーク運営費＝７２９０万円

　ｅスポーツやプログラミング的思考体験の拠点として、ＩＣＴへの関心が高い人材を育成。

▽教育旅行等誘致促進費（新規）＝１３９１万円

　修学旅行や合宿の受け入れを促進するため、市内ホテルを利用する宿泊者に市内飲食店等で使用可能なクーポン券を配布。

▼主な建築物等（２年度補正予算額を含む）

▽東栄小増改築＝４億８１０万円

　旧校舎等の解体工事。

▽千代田小増改築＝５億５７６万円

　増改築工事。４年度完成予定。

▽豊岡小増改築＝１億３１５９万円

　増改築にかかる実施設計。５年度完成予定。

(市町村 2021-02-09付)