特別支援マスタープラン ICT活用など掲げ 富良野市教委 原案まとめる
(市町村 2021-01-29付)

 【旭川発】富良野市教委は、令和3~7年度の5年間を計画期間とする第4次特別支援教育マスタープランの原案をまとめた。障がいの有無にかかわらず、子ども一人ひとりのニーズに応じた専門的な指導・支援を行うための特別支援教育の方向性を示すもの。重点項目には、切れ目のない支援体制の整備や、特別支援教育におけるICTの活用などを掲げた。2月2日までパブリックコメントを実施し、市民などに広く意見を求めている。

 市は、平成19年度から特別支援連携協議会を組織し、22年度には市における特別支援教育の方向性を示す特別支援教育マスタープラン(基本計画)を策定。26年に第2次計画、30年に第3次計画を定め、医療・保健・福祉・幼稚園・保育所・教育の連携を図りながら、特別支援教育の推進に取り組んできた。

 最終年度を迎えた現行計画の成果として、「特別支援教育支援員の配置による支援の充実」「特別支援教育に関する専門性向上を図る研修会の実施」などが挙がっている。

 一方で、「各校の特別支援教育コーディネーター同士の情報共有体制」「校種間の指導に関する共通理解・情報交換」「要録や個別の指導計画等における市で統一した記述方法の導入」などが課題に挙がった。

 これらの成果と課題を踏まえ、市総合計画や市教育振興基本計画などとの整合性を図りながら、第4次特別支援教育マスタープランを策定。計画期間は令和3~7年度の5年間とした。

 基本理念は「教育と福祉が中心となり、障がいのあるなしにかかわらず互いを尊重し、生涯にわたって富良野で共に学び育ち、支え合う環境をつくる」。

 スローガン「すべては子どもたちのために すべての子どもたちのために」のもと、一人ひとりの教育的ニーズに応じた専門的な指導・支援を行い、自立や社会参加に向けての個々の能力を伸ばすことができる特別支援教育を推進していく。

 また、支援を必要とする子どもや保護者に対する一貫した相談・支援体制を充実させ、子どものライフステージに応じて各機関と連携し、相互の共通理解を図る。

 重点項目には、特別支援教育支援員の継続配置など「特別支援にかかる環境整備」や、特別支援学校教諭免許の取得推進・研修の充実など「教職員の資質・能力の向上」、個別の教育支援計画を活用した幼保小中高間の連携強化・保護者支援を視野に入れた地域連携マネージャーの配置検討など「切れ目のない支援体制整備」、個別の教育支援計画等作成のアシスト・特別支援教育ポータルサイトの開設など「特別支援教育におけるICTの活用」などを盛り込んだ。

 このほか、乳幼児期、小・中学校など、各発達段階に応じた具体的な支援体制などを掲載している。

 原案は市ホームページ等で公開し、2月2日までパブリックコメントを実施。寄せられた意見を踏まえ、年度内の策定を目指す。

 また、市教委はプランの策定に合わせ、別冊で保護者向けのガイドブックを発行する予定。保護者への特別支援教育に関する情報を積極的に発信していく。

(市町村 2021-01-29付)

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