網走市 学校力向上実践地域指定 可視化で勤務時間意識 働き方改革の取組など協議(市町村 2021-02-02付)
中核校、指定校の校長・教頭などが出席
【網走発】道教委の学校力向上に関する総合実践事業で地域指定を受けている網走市の第3回地域協議会が1月27日、第一中学校(北野浩幸校長)で開かれた。中核校・網走小学校(吉田昌広校長)をはじめとする各指定校の校長、教頭、主幹教諭、教務主任など約20人が出席。働き方改革に向けた各校の取組状況や、学力検査の結果を今後の授業改善に生かす組織的な取組などについて協議し、課題や今後の方向性などを確認した。
網走市は、学校力向上に関する総合実践事業で道教委が本年度試行している地域指定を受けた。網走小を中核校、潮見小学校(薮下一己校長)、第一中、第三中学校(木野村寧校長)を指定校とし、学校力向上に関する「日常授業の改善」「人材育成」「組織力」「職員風土」の4つの観点に基づく学校改善など、4校で連携した取組を進めている。
はじめに、第一中の齋一成教頭、佐藤大志主幹教諭、教務主任を務める川上かおり教諭が同校の学校力向上にかかわる取組について説明。
齋教頭は、生徒の実態に基づいて進めてきた様々な取組について、学校力向上に関する4つの観点に当てはめて紹介。「4つの柱に沿って自校を分析したことで、これまで漠然としていた“強み”が明らかになった」と成果を示した。
全学級の授業参観のあと、網走小の大垣正紀教頭が「働き方改革の趣旨と取組のポイントについて」、教務主任の加藤正俊教諭が「“確認”から始まるマネジメント2~学力検査のチェックを授業改善のアクションにつなげる組織力」と題して実践発表。
大垣教頭は、昨年12月に策定した網小アクション・プランについて紹介した。
アクション・プランでは、「1ヵ月当たりの超過勤務時間が45時間を超える教員数をゼロに」を達成するため、奨励退勤時間を午後6時30分と設定。①勤務時間を意識した働き方②業務の効率化・簡略化に関すること③環境整備に関すること―の3点について具体的な取組を推進している。
①では、出勤時にその日の退勤予定時刻を記入し、勤務時間を可視化する「出退勤マネジメントボード」を作成した。また、毎週月曜日を「学校完全消灯の日」と定め、午後6時30分には校内を消灯・施錠している。
②では、午後6時以降には電話対応しないこととし、その旨を保護者や関係機関に周知している。
③では、担当者の退勤後に折り返し電話がかかってきた場合、適切に引き継げるよう「不在伝言ボード」を作成し、職員間で情報を共有している。
これらの取組の成果や課題については、各学年や分掌ごとに検証し、チェックシートに記入。全体で共有し、改善に生かしている。
取組の成果は表れつつあるとし、「職員のワークライフバランスの確立と、子どもたちの学力の保障を両立するハイブリッドな取組にしていきたい」と話した。
加藤教諭は、CRTなどの学力検査結果について「自分の授業を省みるツールとしてとらえ、日常授業の改善のために活用している」と説明。分析結果をもとに、教務部の担当者と各学年の担任で今後の授業の在り方を検討し、共有していることを紹介した。
組織的な授業改善に向けては、意図的な人材配置にも努めている。ただ、人材育成に力を入れるあまり、職員が疲弊してしまうことのないよう「時間軸への配慮も重要」と話した。
このあと、各校ごとの協議へ。「働き方改革にかかる事項の取組と今後の方向性」「学力検査のチェックとアクション」の2点について、組織的な取組になっているかなどを話し合った。
(市町村 2021-02-02付)
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