札幌市屯田西小 国際理解に関する授業 エクアドルの文化、学びを紹介 ゲストティーチャーが経験談(札幌市 2021-03-08付)
円山小のフローレス教諭が指導した
札幌市立屯田西小学校(影山晃校長)は4日、同校に札幌市立円山小学校(森田智也校長)のフローレス繭教諭をゲストティーチャーとして迎え、国際理解に関する授業を行った。フローレス教諭は、青年海外協力隊員としてエクアドルに派遣された際の経験を語り、人とのつながりの大切さや日本の教育との違いなどを伝えた。異国での様々な体験談に児童は熱心に耳を傾けていた。
授業は屯田西小の4年生を対象に、総合的な学習の時間に実施。児童はこれまで、SDGs(持続可能な開発目標)について学んでおり、今回は特別講座としてフローレス教諭を招き、海外での体験談を児童に伝える授業を行った。
フローレス教諭は平成26年から約2年間、青年海外協力隊員として南米エクアドルに派遣。アマゾン川とジャングルが広がるオリエンテ地域で、子どもたちの算数力、教員の指導力の向上を目的に指導方法改善のため、5つの学校を巡回する支援を行った。
授業では、はじめにエクアドルの地理について説明。本州と九州を合わせた大きさで、スペイン語を公用語としていること、日本との時差は14時間あることなどを説明。スペインの植民地だったことからヨーロッパ調の街並みが広がっており、世界遺産や自然遺産などが多く、魅力的な国であることを伝えた。また、あいさつや人とのつながりを大切にする文化があるとし、「学校に行くと全員がハグをしていた」「昼食の際も自宅で過ごし、家族との時間を大事にしていた」と紹介した。
ホームステイ先で驚いた経験として、ニワトリを素手でさばき料理をしていたことを伝えた。「命を絶ち、自分の口に入るまでをすべて見ることで、食べ物を大切にしなければならないと、あらためて実感した」と語った。
日本の学校との違いとして、時間割が午前7時30分から午後零時50分までと説明。授業の合間の5分休憩や給食がないこと、清掃は清掃員によって行われていることを伝えた。
学習面では、高学年になっても時計を読むことができない児童や、指を使って計算する児童が多かったことから、日本から教材時計を送ってもらったことを報告。教科書でしか学ぶことができなかった時計学習を自身で操作しながら学ぶことができる環境を提供した。
海外での経験から、フローレス教諭は「人とのつながりや食べ物の命をいただくことの大切さを実感した」と伝え、「一歩踏み出す勇気をもつことで、海外に行きたかった夢をかなえることができた。夢をもって楽しく過ごし、周りの人を大切にすることで自分の世界を切り拓くことができる」と呼びかけた。
授業後、児童は「どうして海外に行きたかったのか」などと活発に質問したほか、感想文を作成。「外国の人に勉強を教えるなんてかっこいい」「ニワトリを殺して食べた話を聞いて、胸が痛んだ。命を大切にしようと思った」などと、異国でのフローレス教諭の活動に、尊敬の念を抱く声や命の大切さを痛感する声が寄せられた。
(札幌市 2021-03-08付)
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