札幌市幌南小 第44回教育研究大会 説得力ある提案追究 5年国語 スピーチを練習(札幌市 2021-03-05付)
感染症対策を徹底し20授業を公開
札幌市立幌南小学校(大牧眞一校長)は2月22日、同校で第44回道小学校教育研究大会を開いた。研究主題「学びを実感し、自己を形創る子ども」のもと、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育、外国語活動、特別の教科 道徳、総合的な学習の時間、特別活動、特別支援教育の20授業を公開。うち、5年生の国語は、相手を思いやる言葉遣いや正しい言葉遣いに注意しながら、説得力のある提案を行う授業を展開。児童は互いに助言しながらスピーチの練習に取り組んだ。
同校は学びの実感を生み出すための視点として、「学びがつながる学習の構成」「学びの自覚を促す教師のかかわり」の2点を設定。
本年度の研究大会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、校長助言者および協同研究者のみを招き開催した。
授業研究のうち、安岡剛教諭による5年2組国語「事実と感想、意見とを区別して、説得力のある提案をしよう」(児童数31人)は、6時間扱いの5時間目。本時のねらいは「内容や構成に着目したスピーチをすることで、話の内容が明確になるように、事実と感想、意見とを区別するなど、話の構成を考えることができるようにする」など3点を設定した。
児童は日ごろの言葉遣いについて、学級活動の議題に設定し、話し合いを積み重ねてきた。また、課題解決として、正しい言葉遣いを相手に提案するスピーチを実施することとした。
児童は前時までに「悪口を減らすための取組」「悪口を言う人への対処法」などテーマを定め、発表で用いる資料やスピーチの内容・構成を考案。資料は、クラス内で実施したアンケートやインターネットなどで調べた情報を収集して作成し、2~3人のグループでスピーチ練習を実施した。
本時では、説得力のあるスピーチの仕方や資料の示し方、タイミングなどに留意し、提案方法について各グループ内で追究。
安岡教諭はスピーチの良い点と改善点について、児童同士で随時振り返る場を設定。児童が新たな課題を見出すことができるよう支援した。
全体交流で安岡教諭は各グループの発表練習から良い点を児童に報告。具体的な例や自身の経験を加えること、相手に呼びかける際は語尾を上げること、「このように」などの接続詞を使用することなどを紹介したあと、児童に再度スピーチ練習させた。
児童は、資料を示すタイミングを変更したり、身振り手振りを取り入れたりするなど、聞き手の意見を踏まえスピーチを繰り返し修正。説得力のある提案方法を追究した。
◆協働的に学ぶ環境を パネルディスカッション
札幌市立幌南小学校の第44回道小学校教育研究大会では、道教育大学札幌校の引地秀美教授と文部科学省初等中等教育局教育課程課の渋谷一典教科調査官が、「子どもの“学び”を捉え直す~不易と流行を切り口に」と題してパネルディスカッションした。
中央教育審議会が、1月に「〝令和の日本型学校教育〟の構築を目指して」を答申したことを踏まえ、引地教授と渋谷教科調査官が各教科の研究授業をもとに個別最適な学びの在り方について意見を述べた。
5年国語を指導した安岡教諭の授業については、小グループでのスピーチ練習と振り返りの場を設定することで、協働的な学びの場と子どもが主体的に学ぶことができる場の両方が整っていると評価。
日常生活においても、子どもが必要に応じて主体的・協働的に学びを進めることができる環境の重要性を強調した。
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5年国語では、相手を思いやる正しい言葉遣いを意識
個別最適な学びの在り方について議論した
(札幌市 2021-03-05付)
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