道議会質疑 決算特別委員会(令和2年11月11日)(道議会 2021-03-16付)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】
【質問者】
▼佐藤伸弥委員(北海道結志会)
▼真下紀子委員(日本共産党)
【答弁者】
▼小玉俊宏教育長
▼志田篤俊教育部長
▼池野敦総務政策局長兼幼児教育推進局長
▼松本邦由教職員局長
▼阿部正幸総務課長
▼泉野将司総務課法制・公務管理担当課長
▼藤田善治健康・体育課長
▼今村隆之教職員課働き方改革担当課長
▼野上義秀教職員事務課長
◆不祥事防止に向けた取組
Q佐藤委員 道教委は、平成17年12月に懲戒処分の指針を策定して、これまで6回にわたり改正し、直近では、令和2年8月27日付で一部改正したと承知している。
これまで直近5年間における事犯別の処分件数はどのようになっているのか伺う。また、現時点での実績を併せて伺う。
A泉野課長 処分件数の推移について。直近5年間の教職員に対する懲戒処分の主な内訳は、体罰が平成28年度27件、29年度18件、30年度19件、令和元年度11件、2年度10月30日現在7件、わいせつ行為等は、28年度5件、29年度7件、30年度10件、元年度11件、2年度2件、生徒引率中の飲酒やJRの不正乗車等の信用失墜行為は、28年度9件、29年度12件、30年度7件、元年度6件、2年度1件となっている。
また、交通違反・事故は、28年度59件、29年度50件、30年度46件、元年度40件、2年度13件となっている。
Q佐藤委員 直近5ヵ年の懲戒処分の主な内訳として、体罰、信用失墜行為、交通違反・交通事故は減少傾向にあるものの、わいせつ事犯が一昨年は10件、昨年11件と2桁になるなどの増加傾向を示している。
このうち、児童生徒に対するわいせつ行為はどのようになっているのか伺いたい。
A泉野課長 わいせつ事犯のうち、児童生徒に対する行為等について。28年度が5件中4件、29年度が7件中4件、30年度が10件中4件、元年度が11件中6件、2年度が2件中ゼロ件となっている。
Q佐藤委員 道教委は、わいせつ事犯が増加している現状をどのように認識し、その原因をどのように分析しているのか伺う。
A池野局長 現状認識等について。教職員のわいせつ行為は、児童生徒の心に大きな傷を負わせるだけでなく、学校教育に対する保護者や地域の信頼を著しく失墜させる行為であり決して許されるものではなく、こうした事故が繰り返し発生していることは誠に遺憾である。
わいせつ行為に至るケースは、教職員と児童生徒などがLINEなどのSNSやメール、電話などを通じて周囲に気づかれることなく容易に直接連絡するようになり、教職員が雑談や相談に応じる中で次第に自己の感情をコントロールできなくなったり、特別な好意を向けられていると一方的に思い込んだりするなどして、規範意識を失い自己の欲求を満たそうとして加害行為に及んでいるものと考えている。
Q佐藤委員 懲戒処分の指針は、2年になって6月と8月の2回改正している。改正の趣旨および概要について伺う。
A泉野課長 指針改正の趣旨等について。2年6月に行った改正は、労働施策の総合的な推進ならびに労働者の雇用の安定および職業生活の充実等に関する法律の改正に伴い、パワー・ハラスメントにかかる言動を行った者について厳正に対処する旨の方針等を明確にする必要が生じたことから、パワハラによって相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させた場合は免職、停職または減給とする等の処分基準を新たに設けた。
また、2年8月に行った改正は、わいせつ行為等の不祥事が依然として発生しており、不祥事を抑止する機能を一層向上させる必要があることなどから、教職員の法令に違反する重大な性的行為を行った場合は免職とするなど処分を厳格化した。
Q佐藤委員 指針の内容について、現場にどのように周知を図っているのか伺う。
A泉野課長 指針の周知について。道教委では、指針の趣旨や内容について周知を図るため、改正を行った6月および8月にそれぞれ通知を発出し、職員会議や校内研修の場で、全員に指針を示しながら、改正内容等の確実な周知を行うとともに、繰り返し職場研修等を行い不祥事防止に努めるなど、服務規律の保持に万全を期すよう指導した。
Q佐藤委員 指針改正後の先月、道立高校の教員がわいせつ行為にまで至っていないが、知人女性宅への住居侵入容疑で逮捕されている。指針改正について周知徹底されていないのではないか。徹底方法について再度伺う。
A志田部長 指針の周知徹底について。道教委では、指針の周知が徹底されるよう、8月に行った指針の改正の際には、周知終了の報告を各学校から求めるとともに、わいせつ行為等が発生した際にも速やかに未然防止の徹底を図るよう、道立学校のみならず各市町村教委を通じ、これまで、各学校に通知するなどの取組を行ってきたが、その後も、不祥事が発生しており、未然防止をさらに徹底する必要があることから、各種会議や研修等の機会はもとより、各学校における個人面談の場を活用して、教職員一人ひとりに対する指針の内容の一層の周知を図っている。
O佐藤委員 改正された内容を現場が知っていなければ何の意味もないわけであるから、しっかり周知徹底していただきたい。
Q佐藤委員 懲戒処分の全国の状況は把握できるのか否か伺う。把握できるのであれば、北海道の状況について、全国と比較し、どのように分析しているのか併せて伺う。
A池野局長 懲戒処分の全国の状況などについて。文部科学省が実施した全国調査によると、30年度における教育職員の懲戒処分等の件数は、全国が5978件、全教育職員に占める割合は0・65%となっており、一方、本道は103件、0・29%と全国平均に比べればその割合はわずかながら下回っている状況である。
道教委では、職員一人ひとりのコンプライアンス意識の向上を図るため、24年度から毎年度、各学校が不祥事防止の重点を定め1年間を通して校内研修の十分な機会を確保するとともに、5月から6月に設定するコンプライアンス確立月間において、不祥事の再発防止にかかる情報共有を行うことなどの未然防止に向けた取組を強化しており、こうした取組が一定の効果を上げているものと考えている。
Q佐藤委員 一定の効果を上げてはいるが、なくなってはいない。不祥事発生ゼロを目指して今後の学校における効果的な対策をどのように行っていくのか伺う。
A小玉教育長 不祥事防止に向けた取組について。法令順守を指導する立場にある教職員による不祥事は、不祥事を起こした一個人に帰するものではなく、教職員を学校さらには行政を含む教育界全体に対する信頼を著しく損なうこととなり、適正な学校運営にも大きな損害を与えるものとして、私としても大変遺憾である。
道教委としては、教職員の不祥事防止に向け、各学校に対し、児童生徒との連絡手段にかかわる校内規定の順守を徹底することや、管理職が日ごろから教育活動全体の詳細な把握に努めるとともに、個人面談の機会を活用して、指導方法や児童生徒への接し方などに対する適切な評価と必要な指導を行うよう求めている。
今後は、他の都府県の取組事例なども参考にしながら、校長会議や各種会議、研修会など、あらゆる機会をとらえ教職員に対する注意喚起を図るとともに、服務規律の厳正な保持と不祥事の未然防止に向け効果的な取組を鋭意進めていく。
◆学校における働き方改革
Q佐藤委員 道教委は毎年度、道教委の活動状況に関する点検・評価報告書を取りまとめ、公表している。30年3月に策定した学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」の取組状況については、学校運営の改善の項目に整理され、元年度総合評価の定性評価は「進展あり」とされているものの、定量評価は4段階で下から2番目の「C」とされている。
点検・評価報告書には、PDCAサイクルによって評価を実行するため、目標指標が設定されている。学校運営の改善にかかる指標の内容として、1週間当たりの勤務時間が60時間を超える教員の割合があり、小・中・高・特別支援学校に示されているが、元年度の実績値はいずれも目標値を下回っている。
目標の60時間については、元年3月に国の公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを踏まえ、時間外在校等時間を1ヵ月45時間と見直しており、ますます目標達成は難しい状況にあると考える。
長時間勤務解消に向け、具体的にどのような取組をしてきたのか。また、目標未達の原因をどのように分析しているのか伺う。
A今村課長 働き方改革にかかる取組等について。道教委では、これまで、学校における働き方改革の手引きを作成し、全道すべての公立学校に配布するとともに、モデル校を指定し業務改善を積極的に進めているほか、部活動指導員やスクール・サポート・スタッフの配置を促進することに加え、部活動休養日の完全実施や研修の精選・見直し、調査業務等の見直しなど、教員の業務削減を進めてきた。
一方、元年11月に実施した教育職員の時間外勤務等にかかる勤務実態調査の結果では、特に、授業準備や校務の処理に要する時間が長い傾向にある若年層や、地域行事や少年団活動に従事している割合が高いへき地校の教員、部活動の顧問をしている教員が長時間勤務となっていることが明らかになった。近年、学校環境、学校を取り巻く環境が複雑化・多様化し、学校に求められる役割が拡大していることに加えて、学校現場には、学校としての伝統だからとして続いている業務や、地域や保護者の期待に応えるといった理由などで長時間勤務の要因となっている業務もあるものと考えている。
Q佐藤委員 道立高校では、教育職員の業務量の適切な管理を行うため、QRコードやパソコンなどICTの活用によって、客観的に計測・記録する道立学校出退勤管理システムを導入している。市町村教委には、どのように働きかけ、導入状況はどのようになってるのか伺う。
A今村課長 出退勤管理システムの導入について。道教委では、道立学校に導入した出退勤管理システムを2年4月に各市町村教委に提供することとし、必要に応じて活用していただくよう促した。
各市町村教委における出退勤管理の状況については、2年7月1日現在で実施した調査の結果では、札幌市を除く178市町村のうち157市町村において、全部または一部の学校で本システムを利用するなどして、在校等時間の計測記録を行っている。残りの市町村にあっても、2年度末までには最適な方法で在校等時間の計測・記録をする予定であると承知している。
O佐藤委員 システムをしっかりと導入して、出退勤の管理を行っていただきたい。
Q佐藤委員 点検・評価報告書では、部活動休養日を完全に実施している部活動の割合についても目標指標に掲げ、進ちょく率は、高校が100%、中学校が97・9%となっている。
部活動は、学校が運営するため、教員の長時間労働の一因となっていると言われている。アクション・プランでは、部活動について、道立学校には部活動指導員を配置する、市町村教委に対しては部活動指導員の配置を支援するとしている。配置状況について伺いたい。
また、文科省では、休日の部活動について、地域や民間団体に委託し、教員による指導は希望者のみとする形式に切り替えることを柱とする改革方針を取りまとめている。道教委は、この改革方針について、どのような見解をもっているのか併せて伺う。
A松本局長 部活動指導員の配置状況などについて。部活動指導について、2年11月1日現在、道立学校では119校に204人を配置、中学校では13市町29校に41人を配置しており、部活動指導員を初めて導入した30年度と比較すると、道立学校では25人、中学校では29人分の配置を拡大している。
国においては、2年9月に今後の部活動の在り方として、休日の部活動について、教員が指導に携わる必要のない環境と、地域の活動として実施できる環境を整えるとする改革の方向性が示された。
道教委としては、31年1月に策定した北海道の部活動の在り方に関する方針において、学校と地域が協働・融合した形での持続可能なスポーツ・芸術文化活動を行うこともできる環境整備を進めることとし、国の改革の方向性の趣旨と同様の認識をもっており、今後、国において実施予定の実践研究の活用も視野に入れながら、学校と地域スポーツクラブ等との連携など、地域の実情を踏まえた部活動の望ましい在り方等について、各市町村や関係団体の意見を伺いながら、引き続き、検討を進めていく考えである。
O佐藤委員 私は以前、外部からの指導員を入れてはどうかと質問をした。若干増えているが、それほど広がりをみせていないのが現状と思う。
市町村教委に広がっていかないのは、市町村の財政的な負担が要因なのではないかということも言われている。小さい自治体になると、人材の確保が厳しいという話も伺っている。ぜひ、体制の整備に努め、教職員の働き方改革を実践していただきたい。
Q佐藤委員 現在のアクション・プランは、2年度で取組期間を終了するが、学校における働き方改革は、いまだ道半ばである。来年度以降、どのように取り組んでいくのか。
A志田部長 来年度以降の取組について。これまで、道教委では、30年に策定した北海道アクション・プランに基づき、教員の長時間勤務縮減のため、各種取組を実施してきた。2年6月に公表した教育職員の時間外勤務等にかかる勤務実態調査では、3年前の前回調査と比べ改善が図られてはいるものの、アクション・プランにおいて、時間外在校等時間を1ヵ月45時間以内とするという目標については、まだ半数がその数字には達していない状況である。
道教委としては、教員がゆとりをもって授業に集中し、健康でいきいきとやりがいをもって勤務するため、教職員が本来担うべき業務に専念できる環境を整備していくことは何より重要であり、今後も不断の見直しが必要と考えている。
そのため、2年度末でアクション・プランの取組期間は終了するが、これまでの取組の進ちょく状況を把握、分析するなどし、その成果や課題について検証を進めながら、今後も、庁内に設置している学校における働き方改革実現本部会議で協議を進めるとともに、有識者などから意見を伺いながら、来年度以降の対応について検討していく。
◆部活動と働き方改革
Q真下委員 学習指導要領における部活動の位置付けを伺う。
A藤田課長 部活動の位置付けについて。中学校および高校の学習指導要領の第1章総則において、教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連にかかわる学校運営上の留意事項として、生徒の自主的・自発的な参加によって行われる部活動については、スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感・連帯感のかん養と、学校教育の目指す資質・能力の育成に資するものであり、学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意することと示されている。
Q真下委員 学校教育の一環と明記されている。ところが、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)で、部活動は教職員の自発的な参加とされている。
平日の指導については、一切手当がない。しかし、土・日・祝日の部活動指導については、教員特殊業務手当が支給されているという、ちぐはぐな対応が行われている。手当の支給要件について伺う。
A阿部課長 手当にかかる支給要件について。教員が部活動の指導業務に従事した場合に支給される教員特殊業務手当については、国における義務教育費国庫負担金の算定基準に基づき、非常災害時等の緊急業務をはじめとする教員の心身に著しい負担を与えると都道府県人事委員会が認める場合に支給されるものである。
このうち、部活動指導に関し、対外運動競技等への児童生徒の引率指導業務については、泊を伴うものについて、週休日、休日等に行うものについては日額5100円、また、学校の管理下において行われる部活動での児童生徒に対する指導業務については、週休日、休日等に3時間程度業務に従事した場合は日額2700円を支給している。
Q真下委員 過去5年間の教員特殊業務手当のうち、部活動指導にかかる手当の決算状況を示していただきたい。
A野上課長 部活動指導にかかる手当の決算状況について。過去5年間における小学校、中学校、高校および特別支援学校の教員が部活動指導に従事する場合に支給した手当の合計額は、対外運動競技と引率指導業務にかかる手当については、平成27年度は約2億2400万円、28年度は約2億2700万円、29年度は約2億5千万円、30年度は約2億3100万円、令和元年度は約2億2700万円となっており、学校の管理下における部活動指導業務にかかる手当については、27年度は約20億9200万円、28年度は約20億5400万円、29年度は約17億4200万円、30年度は約18億6800万円、元年度は約16億3400万円となっている。
Q真下委員 学校の部活動指導業務にかかる手当が5年間で5億円近く減少しているが、この理由は何か。
A松本局長 部活動指導手当の増減の理由について。29年度において、部活動指導手当が約3億円減っている理由としては、29年度から県費負担教職員の給与等の負担について、指定都市に委譲されたことから、札幌市立学校の教員の分が減となっており、この部分が先ほど委員指摘の5億円の中に含まれている。
Q真下委員 了解した。2007年の中央教育審議会答申では、部活動は正規の勤務時間を超えて実施される実態があるが、本来は、教員のほかの業務と同様に、正規の勤務時間内で実施すべきものと明記されている。
13年経過して現状はどうなっているか。
A今村課長 部活動指導について。主幹教諭、教諭における部活動の平均の従事時間は、20年に行った調査で、平日は、中学校が40分、高校が53分となっており、元年11月に実施した教育職員の時間外勤務等にかかる実態調査の結果では、中学校が33分、高校が37分と、約10年前と比較し、それぞれ7分、16分の減少となっているものの、従事時間のおよそ半分が勤務時間外となっている。
また、勤務不要日の従事時間は、20年には、中学校が1時間36分、高校が57分であったものが、昨年は、中学校が1時間36分、高校が1時間13分となっており、いずれにしても、依然、部活動の多くは正規の勤務時間を超えて実施されている実態にあるものと認識している。
Q真下委員 顕著な改善がみられない。その中で、平日と土日で手当支給が異なるという矛盾はあってはならない。平日指導にも手当を支給することと、勤務時間を過ぎている場合、1時間単位で手当を支給することが必要であると考える。
現状の手当支給について、見直す必要性を伺いたい。
A阿部課長 平日に行われる部活動指導について。先ほども答弁があったとおり、部活動の多くは正規の勤務時間を超えて実際されている実態にあるものの、本来、部活動は時間外勤務が生じないようにする必要があることから、道と道教委が定める部活動の在り方に関する方針では、活動時間に上限を設けるとともに、部活動顧問の負担とならないよう、複数顧問の配置や部活動指導員の活用を図ることとして、各学校における適切な部活動運営のための体制整備を進めており、現在、平日の手当の見直しは検討していない。
今般、国において、部活動の段階的な地域移行をはじめとした部活動改革の方策が示された。道教委としては、今後とも、こうした国の動向を注視しながら、平日における部活動指導について、必要な対応を検討していきたいと考えている。
O真下委員 平日の手当の見直しは絶対に必要だと思うので、検討を求めておく。
Q真下委員 道教委は、2018年度から、こうした状況の改善のため、部活動指導員の配置などを進めてきたと承知している。
各年度ごとの配置実績と決算額をそれぞれ示していただきたい。
A今村課長 部活動指導員の配置状況などについて。部活動指導員の配置を開始した30年度においては、道立学校と中学校合わせて118校191人を配置し、決算額は約1495万円、元年度では、142校228人を配置し、決算額は約2282万円となっており、配置は拡大している。
Q真下委員 部活動指導員の申請は、各市町村教委ごとに行うとのことだが、予算に限界があることから、十分に配置できない状況が続くことが懸念される。市町村教委まかせといった受動的な姿勢から、道教委自らが配置を強力に進めるとともに、配置数の目標を設定して能動的にかかわっていく、実効性ある取組が必要と考えるが、いかがか。
A松本局長 部活動指導員の配置促進について。中学校における部活動指導員の配置については、国、道、市町村がそれぞれ3分の1ずつ経費を負担するものとされ、当該市町村には地方財政措置が講じられている。現在、道教委では、配置の申請があったすべての市町村に対して、道が定める補助金交付要綱の上限の範囲において、補助金を交付している。
道教委としては、この補助金を有効に活用していただけるよう、国が補助要件としている市町村が設置するすべての学校において、客観的な在校等時間の状況を把握すること、また、適切な活動時間や休養日の設定など、部活動の適正化を進めることについて、引き続き、指導助言していく考えである。
また、より多くの中学校において、部活動指導員の配置事業が積極的に活用されるよう、本制度の趣旨や実践事例の周知を図ることを通して、部活動指導員の配置の促進に努めるとともに、引き続き、国に対しても、財源措置の拡充を求めていく考えである。
Q真下委員 部活動指導の負担軽減は、教職員の働き方改革を行っていく上で、極めて重要な課題である。
指導時間の短縮、部活動指導員の配置の拡大とともに、時間外の指導や顧問の在り方について検討を加速する必要があると考えるが、見解を伺う。
A志田部長 部活動指導の在り方について。道教委では、30年度から部活動指導員を導入し、毎年度、配置数の拡大に努めているとともに、31年1月には北海道の部活動の在り方に関する方針を策定し、原則として、活動時間を平日2時間、休業日3時間程度とすること、休養日を週当たり2日以上設定することなどを規定して、各市町村教委および各学校においても、本方針を参考に部活動の方針を定め、適切に実施するよう要請している。
国においては、2年9月に学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について取りまとめ、今後の部活動の在り方として、休日に教員が部活動の指導に携わる必要のない環境と、休日の部活動を地域の活動として実施できる環境を整えるとする改革の方向性が示された。
道教委としては、今後、国において実施予定の実践研究の活用も視野に入れながら、学校と地域スポーツクラブ等との連携など、地域の実情を踏まえた部活動の望ましい在り方などについて、各市町村や関係団体の意見を伺いながら、引き続き、検討を進めていく考えである。
Q真下委員 2019年に中教審は、多くの教師が顧問を担わざるを得ないと明記しており、この状況の解消が急がれる。今後、どのように取り組むのか伺う。
A小玉教育長 部活動にかかわる今後の取組について。学校教育の一環として行われる部活動は、生徒をスポーツや文化および科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感・連帯感のかん養等に資するものであり、教育的意義が高いと認識している。
その一方で、中学校および高校等における多くの教員が携わっており、長時間勤務の主要な要因の一つとなっている。
このため、道教委では、部活動が合理的かつ効果的・効率的に行われ、教員の部活動指導における負担が過度にならないよう、部活動指導員の配置の拡充のほか、部活動数の適正化、適切な活動時間や休養日の設定等に取り組んできた。こうした学校における取組を積極的に推進し、平日および休日の部活動指導時間の一層の縮減に努めていく。
私としては、部活動の適正化については、地域におけるスポーツ、文化等を支える人材や、その地域のスポーツ等に親しむ世代の広がり、練習場所などの社会基盤を土台としながら、部活動に尽力いただいている教員が心身にゆとりをもち、やりがいを感じながら、子どもたちに向き合うことができるよう、学校と地域との最適なパートナーシップを構築することが重要と考えており、今後、そうした地域ぐるみの環境整備に取り組んでいく。
O真下委員 部活動は、子どもたちにとって大切な時間である。しかし、教職員に負担になっているとしたらいたたまれないと思うので、この部分を早期に解決していただくことを求める。
(道議会 2021-03-16付)
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