札幌市教委　４年度教員採用選考　臨時教員経験を考慮　一部変更　小学音楽実技廃止

（札幌市 2021-03-22付）

　札幌市教委は１８日、令和４年度教員採用選考検査を一部変更することを発表した。臨時教員の経験を考慮した特別選考を新たに実施するほか、小学校教諭などの音楽実技の廃止、ICT活用指導力を有する受検者に対する加点制度などを盛り込んだ。

　変更点はつぎのとおり。

▼臨時教員特別選考を新設

　市立学校の臨時教員として、過去３年間（平成３０年４月１日～令和３年３月３１日）に通算２４ヵ月以上の勤務実績を有する者を対象に、第１次検査の教養検査を免除する。常勤の臨時教員（臨時的任用教員・期限付教員・代替教員）としての勤務実績が対象で、非常勤講師などとしての勤務実績は対象外とする。

▼障がい者特別選考

　対象となる障がい種を拡大。精神・知的障がいを追加するとともに、一般選考および他の特別選考と別枠での選考とする。

▼中学校教諭の受検区分変更

　「中学校・高校教諭」に変更する。当該区分の登録者は、中学校のほか、本人の希望や所有免許の状況などによって、高校に配属される。

　当該区分は、中学校教諭免許状のみでも受検できるが、高校教諭免許状のみでは受検不可。専門検査および教科等指導法検査は、中学校区分の問題とする。

　「高校教諭区分」は、従来同様、道教委との共同登録となるため、出願時に道採用希望、市採用希望の区別は不可となる。

▼中学校・高校教諭区分における受検資格の拡大

　教科に関する専門的な知識技能や経験を有する人材を幅広く確保するため、道教委で授与する特別免許状の所有者についても、中学校・高校教諭区分の受検対象とする。

▼小学校教諭と特別支援学校教諭（小学部）区分における音楽実技の廃止

　小学校教諭および特別支援学校教諭（小学部）区分においては、第２次検査の音楽実技を廃止する。

　市では、ピアノを用いた指導に限らず、ICT機器等の活用など、場面に応じた効果的な指導ができる人材を求めていることや受検者負担軽減の観点から、当該区分における音楽実技（ピアノ演奏）の検査項目を廃止する。

▼特別支援学校教諭（中学部・高等部）区分を新設

　「特別支援学校教諭（中学部・高等部）」に一本化する。当該区分の登録者は、中学校の特別支援学級や特別支援学校の中学部のほか、本人の希望や所有免許の状況等によって、特別支援学校の高等部に配属される。

　また、当該区分は、特別支援学校教諭免許状と中学校教諭免許状があれば受検が可能であるが、特別支援学校教諭免許状と高校教諭免許状のみでの受検不可。　専門検査Ⅰおよび教科等指導法検査は、中学校区分の問題となる。

▼特別支援学校教諭（中学部・高等部）における第２次検査の実技廃止

　一人ひとりの障がいの特性に応じた適切な指導を行うための専門性と資質・能力に重点を置くことや、受検者負担軽減の観点から、実技（体育・音楽・英語）の検査項目を廃止する。

▼加点制度の追加（ＩＣＴ活用指導力・小学校における複数免許所有）

　すべての受検区分において、情報処理推進機構主催の情報処理技術者試験（基本情報技術者）等の合格者は申請によって、第１次検査の総合点に１０点を加点する。

　「小学校教諭区分」においては、中学校または高校の数学、理科の免許所有者について、申請によって第１次検査の総合点に１０点を加点する。

(札幌市 2021-03-22付)