札幌市教委3年度学校教育の重点 第13回 基本的人権尊重した活動を 教科等の枠組を越えた教育 (札幌市 2021-04-28付)
◆人間尊重の教育
すべての教育活動において基本的人権を尊重するとともに、一人ひとりが自他の生命を尊び、互いにかけがえのない人間としての尊厳や個性、多様性を認め合い、あらゆる偏見や差別をなくし、支え励まし合う温かい人間関係の中で、心豊かにたくましく生きようとする態度を育む人間尊重の教育を推進する。
【人間尊重の教育の推進に向けた3つの視点】
学校教育においては、あらゆる教育活動を通して女性、子ども、高齢者、障がいのある人、アイヌ民族、外国人、インターネットによる人権侵害など、子どもにとって身近な事例を取り上げ、つぎの3つの視点から人間尊重の教育を推進していくことが重要である。
▽視点1
校種間の連携による連続性のある人間尊重の教育に向けた取組の推進
▽視点2
教師自らの人間尊重の意識の向上
▽視点3
子ども自身が自分を振り返り、人間尊重の意識の高まりに気付く手立ての構築
【人間尊重の意識を育む学級経営・学校づくり】
▼札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例の理念に基づいた指導の充実
▽人権感覚を醸成し、いじめを未然に防止するなどの指導の充実
▽ピア・サポートなど、子ども同士が支え合い、助け合う取組の充実
▽教職員向け研修資料を活用した校内研修の推進
▼性に関する指導の充実
▽『性に関する指導の手引』の活用や、デートDVの講演会開催など、発達の段階に応じた互いを認め合う態度を育成する指導の充実
▼性的マイノリティに配慮した教育の充実
▽性的マイノリティの子どもが身の回りにいることを前提とした、温かい人間関係づくりの推進
▽相談支援体制の整備など、すべての子どもが安心して学校生活を送るための学校におけるきめ細かな支援の充実
▼民族教育の推進
▽アイヌ民族の歴史や文化等を尊重する態度を育成する指導の充実
▽アイヌ教育相談員の学校派遣やサッポロピリカコタン、民族共生象徴空間ウポポイ等を活用した体験的な学習の推進
▽『アイヌ民族の歴史・文化等に関する指導資料―第6集』を活用した授業の推進
◆国際理解教育
わが国の伝統と文化を大切にし、世界の人々の多様な生活や文化を理解し尊重する態度を養うとともに、世界の平和に貢献し、国際社会で信頼と尊敬を得るにふさわしい資質を育成する国際理解教育を推進する。
【外国語教育の充実(札幌市英語教育改善プランの推進)】
小・中・高校の学習指導要領の理念を実現するため、市英語教育改善プランに基づき、つぎの取組を通して児童生徒が主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図る資質・能力を育成する。
▼札幌CAN―DOスタンダードの活用
▽小・中学校、高校の学びを円滑に接続するため、「英語を使って何ができるようになるか」を示す学習到達目標の札幌モデル版「札幌CAN―DOスタンダード」を参考にして、各学校で学習到達目標を作成・活用する
▼外国語教育における小中一貫した教育の推進
▽小学校と中学校が指導方法や評価方法等についての情報交換、交流、連携した学習到達目標や指導計画の作成等に取り組み、円滑な学びの接続を図る
▼英検IBA(RL)の活用(中学校全学年)
▽自らの英語力を総合的に発揮する機会を通して伸びを実感するとともに、新たな目標をもち、英語を学ぶ意欲を高める
▼言語活動の充実
▽コミュニケーションを行う目的や場面、状況等を児童生徒が理解し、英語で互いの考えや気持ちを伝え合う言語活動を充実する
▼外国語指導助手(ALT)の活用
▽児童生徒が生きた英語にふれる機会を一層充実するため、ALTの効果的な活用を図る
▼ICTを活用した外国語授業の推進
▽指導者用デジタル教科書、1人1台端末を併用し、情報収集や整理、やり取り・発表などの言語活動において活用する
▼異文化理解の深化
外国の人と子どもたちの交流等、体験的な活動を充実させ、わが国の伝統と文化の理解とそれらを大切にする心情の育成や、世界の多様な文化を受け入れ、尊重しようとする資質・能力を育成する。
▼平和に関する教育の充実
▽自ら平和な社会の形成に参画する資質や態度を育成するため、戦争体験者の講話や平和へのメッセージ作成など、児童生徒の自発的な参加による活動の推進
▽平和な国際社会の実現を目指す上で必要な知識や理解を深めるため、各教科、道徳科、特別活動等における『平和に関する学習資料』(市・市教委編)などを活用した学習の推進
(札幌市 2021-04-28付)
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