道議会質疑 予算特別委員会(令和2年12月4日)
(道議会 2021-05-17付)

【Q 質問QuestionA 答弁AnswerP 指摘Point outO 意見OpinionD 要望Demand】

【質問者】

▼壬生勝則委員(民主・道民連合)

▼寺島信寿委員(公明党)

▼藤川雅司委員(民主・道民連合)

▼宮川潤委員(日本共産党)

【答弁者】

▼京谷栄一保健福祉部少子高齢化対策監

▼新井明保健福祉部障がい者支援担当局長

▼古川秀明保健福祉部地域保健課長

▼齊藤順二保健福祉部自立支援担当課長

=役職等は当時=

◆少子化対策

Q壬生委員 政府の将来推計人口では、年金の将来予測にも使われるため、楽観的な見通しとしている場合もあると考えており、現実として、政府の想定を上回るスピードで少子化が進むことがあるのもこのためであると言えると思う。

 少子化対策のためには、合計特殊出生率を上げることであるが、特にコロナ禍の中では、雇用不安や経済的制約などのほかに、ステイホームなどで人と人とが接する機会が減少しているということもあり、これまで以上に施策の推進が困難になっていくと考えている。

 新型コロナウイルス感染症対策の長期化が見込まれる中で、どのように少子化対策に取り組もうとしているのか見解を伺う。

A京谷少子高齢化対策監 少子化対策について。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が社会経済情勢に大きな影響を及ぼしている中、家庭や子どもをもちたいと希望されている方々が、経済的、精神的な不安から、結婚や出産に消極的になることが懸念されている。

 道では、これまでも、乳幼児の医療費助成や保育料の無償化などによる経済的負担の軽減をはじめ、待機児童解消や子育て支援の充実・強化、さらには、人口減少対策や経済・雇用対策など、幅広い少子化対策に取り組んできた。

 今後、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中においては、感染を心配する妊産婦に寄り添った相談対応や、非正規雇用労働者の処遇改善をはじめとする安定的な雇用対策などにも取り組み、結婚や出産を望むすべての人々の希望がかなうよう、各般の少子化対策を進めていく。

◆子どもの発達障がい

Q寺島委員 発達障がいのある子については、できるだけ早期に適切な支援を行うことが必要であり、そのためには、早期の診断によって発達障がいのある子の特性に応じた療育やその家族に対する支援の充実を図ることが極めて重要である。

 道では、これまで、小児科医や内科医を対象に、医学的な知識の習得に向けた研修会の開催や地域の関係機関との連携のもと、療育支援体制の確保に努めてきているほか、国に対しても、チーム医療としての対応の必要性といった課題に対応するため、発達障がいの診断にかかわる公認心理師や精神保健福祉士等のコメディカルにかかる診療報酬の充実について要望するなどの取組を行ってきているものと承知している。

 今後、子どもの受診を望む保護者がますます増えていくという状況を踏まえ、道として、発達障がいの診断の待機解消に向け、具体的にどのような対応を図る考えなのか伺う。

A新井障がい者支援担当局長 子どもの発達障がいについて。発達障がいを早期に発見し、早期療育につなげるためには、専門医療機関への速やかな受診が重要であると認識しているが、現在、道立の医療機関においても、新規の外来受診については5ヵ月から6ヵ月程度の待機が生じている。

 このため、道では、現在、道医師会や専門医療機関の協力をいただきながら、子どもの発達障がいの診断が可能な医療機関のほか、各医療機関における新規外来受診までの待機期間などの実態把握を行っている。

 今後、この結果を踏まえ、医育大学の児童精神医学講座や専門医療機関等の有識者の意見を伺いながら、発達障がいのある子が身近な地域で適切な診療や療育を受けることができる体制の確保に努めていく。

◆児童虐待防止

Q藤川委員 国は令和元年度の全国の虐待相談対応件数を公表した。全国では、平成30年度の15万9838件に対して、元年度は19万3780件と、3万件以上増加して過去最高を更新している。

 そこで、本道の虐待相談対応件数については、どのような状況になっているのか伺う。

A齊藤自立支援担当課長 児童虐待の状況について。本道の元年度の虐待相談対応件数は、道児童相談所分は、30年度と比べ、228件増の3995件、札幌市児童相談所分は516件増の2401件、合計で744件増の6396件となっており、いずれも過去最高を更新し、増加傾向が続いている。

Q藤川委員 虐待相談が増加している中、迅速かつ効果的な相談体制の構築に向け、どのように取り組むのか伺う。

A齊藤自立支援担当課長 相談体制について。児童相談所における子どもや家庭に関する相談業務は、直接、対面で行うことを原則としているが、新型コロナウイルスへの感染を心配するあまり、相談者が対面による面談を拒否することなども懸念される。

 こうしたことから、道としては、マスクの着用や手指消毒の順守、相談室のアクリルボードの設置など、感染防止対策を徹底していることを相談者に丁寧に説明するとともに、状況によっては、オンラインで面談できるよう、タブレットを整備したところであり、可能な限り、表情や態度といった子どもの様子を対面で観察することで、適切な支援方針につなげ、深刻な事案への対応が停滞することのないよう、相談体制の工夫に努めている。

Q藤川委員 痛ましい虐待事案の発生を繰り返さないためにも、子育てに悩んでいたり、子育てする力が十分にないといったリスクのある家庭の状況を関係者が早い段階で察知して、未然防止や早期発見につなげていく不断の取組が必要だと考えるが、道として、今後、虐待防止に向けてどのように取り組んでいくのか伺う。

A京谷少子高齢化対策監 虐待防止に向けた取組について。虐待の未然防止や早期発見のためには、地域における日常的な見守りが不可欠である。

 特に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策のもとでは、家庭に閉じこもる時間が長くなるなど、環境が大きく変化をし、周囲が虐待の兆候に気づきにくくなることなどが懸念されることから、これまで以上に、市町村の要保護児童対策地域協議会を中心とする関係機関の連携が重要と認識している。

 このため、道では、児童相談所の専門職員の増員や資質向上はもとより、地域の見守り機能が十分に発揮されるよう、児童相談所の職員が、直接、市町村に出向き、その地域の要支援児童などの家庭環境や支援内容について情報交換の上、必要に応じた助言を行うとともに、児童相談所の研修に市町村職員の参加を求め、資質向上を支援するなど、関係機関と緊密な連携のもとで、虐待防止対策に万全を期す。

◆学校における感染対策等

Q宮川委員 学校でのクラスターの未然防止、感染対策について、どう注意喚起を行ってきたのか伺う。

A古川地域保健課長 学校における感染対策等について。これまで、道内では、小・中学校および高校における集団感染が6件発生しているが、児童生徒に感染者が発生した場合には、保健所が学校や教育局など、関係機関と連携して積極的疫学調査を行い、濃厚接触者を特定するとともに、検査等を迅速に行うなどして、まん延防止に努めている。

 各事案で考えられる感染要因については、学校や教育局等と情報共有しながら感染防止対策を進めている。

 なお、学校では、文部科学省が策定した『学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル』に基づき、マスクの着用や密集の回避など、集団感染のリスクの低減に向けた対策を行っている。

(道議会 2021-05-17付)

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