道議会質疑 予算特別委員会(令和2年12月8日)(道議会 2021-05-18付)
【Q 質問QuestionA 答弁AnswerP 指摘Point outO 意見OpinionD 要望Demand】
【質問者】
▼寺島信寿委員(公明党)
【答弁者】
▼平野正明総務部長
▼竹縄維章総務部法人局長
▼近藤史郎総務部学事課長
=役職等は当時=
◆私立高校支援
Q寺島委員 新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、道として私立高校に対し、これまでどのように対応しているのか伺う。
A近藤学事課長 感染症の拡大防止に向けた対応について。道では、これまで、各私立高校に対して、国の学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルや道の警戒ステージの移行等に伴う留意事項などを周知し、保健所とも連携して感染症対策の徹底に努めるよう要請している。
また、道教委と連携して、適時に教科指導、部活動、学校行事、生徒の心のケアなどに関する情報を提供し、公立学校における各般の取組も参考としながら、感染予防などに適切に対応するよう注意喚起等をしている。
Q寺島委員 私立高校では、様々な対策を行い、感染拡大防止に努めているものと承知している。
学校では、アルコールなどの消毒液やマスクの購入など、感染防止に伴い、新たな経費負担が生じているが、こうした対策経費に対する支援はどうなっているのか伺う。
A近藤学事課長 感染防止対策への支援について。各学校においては、国が示した衛生管理マニュアルなどに基づき、3つの密の回避をはじめ、石けんによる手洗いの徹底や大勢がよく手を触れる個所の消毒など、様々な感染防止対策を実施している。
このため、国では、マスク、消毒液、体温計などの保健衛生用品や、サーキュレーター等の感染を防止するための備品の整備に要する経費に対して助成しているほか、道においては、臨時休校に伴う未指導分の補習等を行う学習指導員や、校内の清掃、消毒を行う人材など、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、追加的に外部人材を配置した場合に、管理運営費補助金において一定額を加算するなど、学校における感染防止の取組に対し支援している。
Q寺島委員 新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化する中、子どもたちの学びの機会を確保するため、インターネットの活用を含めた家庭学習の支援が重要と考える。
オンライン授業等ができるよう、私立高校に対し、ICT機器整備や通信環境整備に対する支援が必要と考えるが所見を伺う。
A近藤学事課長 ICT環境の整備について。令和2年度から順次実施されている新学習指導要領において、情報活用能力が学習の基盤となる資質・能力に位置付けられ、また、新型コロナウイルス感染症拡大などによって、オンラインによる家庭学習への支援ニーズも高まっており、ICTを効果的に活用した教育の充実が求められていると認識している。
こうした中、これまで、パソコンやタブレットなどのICT機器をはじめ、情報通信ネットワークの環境整備や遠隔学習のための資機材整備などについて、国の補助事業を活用し、私立高校における取組を促進してきている。
道としては、子どもたちの情報活用能力の育成や学びの保障に向け、国に対し、引き続き、補助率の引上げ等の支援の拡充を要望するなど、道内私立高校におけるICT環境の整備が一層促進されるよう努めていく。
Q寺島委員 コロナ禍における私立高校生への修学支援について、公立高校と私立高校の保護者負担の差、授業料、諸経費など、生徒が納入する費用の公私間格差はどのような状況にあるのか伺う。
A近藤学事課長 公私間格差について。2年度においては、入学時納付金が、公立高校の5650円に対して、私立高校の平均が21万210円で37・2倍、授業料等の毎月納付金が、公立高校の9900円に対し、私立高校の平均が3万5082円で3・5倍となっている。
また、入学時納付金および毎月納付金を含めた初年度納付金は、公立の12万4450円に対し、私立が63万1197円で5・1倍となっている。
Q寺島委員 公立高校と比べ、私立高校に通う生徒の保護者負担は大変大きい。
長期化する新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、収入が急激に落ち込むなど、私立高校に通う生徒の学費の工面に苦慮されている家庭もあると考える。
コロナ禍を踏まえ、家計が急変した世帯への支援が必要と考えるが、どのように対応しているのか伺う。
A近藤学事課長 修学支援について。道では2年度から、授業料軽減補助金における家計急変世帯に対する支援について、収入基準額の引き上げや補助上限額の増額をしてきたが、このたびの新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえ、家計急変世帯の増加を見込み、第2回定例会において所要の経費を増額した。
それとともに、授業料以外の教育経費を対象とする奨学のための給付金についても、これまで支援対象としていなかった家計急変世帯を新たに支援対象とする制度改正を行った。
また、こうした支援制度の内容をまとめた保護者向けの資料を作成し、学校を通じ、各家庭に配布するとともに、ホームページにも掲載するなど、支援が必要となる世帯が制度を活用できるよう、周知徹底に努めている。
Q寺島委員 第3回定例議会予算特別委員会において、家計急変世帯の状況や家計急変に至った理由などの実態把握を行うとの答弁があったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって経済的な理由で私立高校を退学した生徒がいたのか、また、家計急変の事由のうち、新型コロナウイルス感染が原因であるものはどのくらいなのか伺う。
A近藤学事課長 家計急変世帯の状況について。これまでに提出のあった授業料軽減補助金の申請書の内容を確認したところ、家計急変による申請があった59人のうち、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるものが34人で、割合は58%。
また、この34人の家計急変事由については、収入の減少が20人、失職が14人となっている。
なお、申請を受け付けた際に学校に確認したところ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、経済的理由で退学した生徒はいなかった。
Q寺島委員 依然として大きい保護者負担にかかる公私間格差を踏まえ、私立高校生に対する修学支援の充実に努めるべきと考えるが、所見を伺う。
A竹縄法人局長 修学支援について。2年4月から国の就学支援金制度が拡充されたことに伴い、道の授業料軽減補助金を見直した。年収590万円未満程度の世帯に関し、国の就学支援金の補助上限額と道内私立高校の授業料等の平均額の差額を助成する制度に改め、施設整備費等の納付金も含め、実質無償化となる世帯の範囲を拡充した。
道としては、引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって家計が急変した世帯の状況把握や、2年度から支援内容を見直した授業料軽減補助金制度について、その周知徹底や的確な運用に努めるとともに、国に対し、就学支援金制度のさらなる充実を要望するなど、私立高校に通う生徒が家庭の経済的事情に左右されず、安心して教育が受けられるよう、修学環境の整備に取り組んでいく。
Q寺島委員 私立高校に対する支援について、3年度予算に向けてどのように取り組んでいくのか伺う。
A平野総務部長 私立高校への支援について。道内の私立高校は、公教育の一翼を担いながら、建学の精神と独自の教育理念に根差した特色ある教育を展開し、本道の未来を担う個性豊かで多様な人材の育成に重要な役割を担っていると認識している。
少子化の急速な進行に加え、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校における新しい生活様式への対応など、私立高校を取り巻く環境は厳しさを増しているものと考えている。道としては、私学団体から、学校が抱える課題についてきめ細かに聞くとともに、今後とも、国に対し、修学のための経費はもとより、ICT環境の整備促進に向けた支援内容の充実を要望するなど、ウィズコロナにも対応した私立高校の健全な運営と時代に即した教育環境の整備が図られるよう、引き続き限られた財源を効果的かつ効率的に配分しながら、私学助成の充実に努めていく。
(道議会 2021-05-18付)
その他の記事( 道議会)
道議会質疑 文教委員会(令和3年1月13日)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】 【質問者】 ▼檜垣尚子委員(自民党・道民会議) ▼木葉淳委...(2021-05-28) 全て読む
道議会質疑 文教委員会(令和2年12月10日)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】 【質問者】 ▼中司哲雄委員(自民・道民会議) ▼木葉淳委員...(2021-05-27) 全て読む
道議会質疑 予算特別委員会(令和2年12月8日)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】 【質問者】 ▼道見泰憲委員(自民党・道民会議) ▼田中英樹...(2021-05-21) 全て読む
道議会質疑 予算特別委員会(令和2年12月8日)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】 【質問者】 ▼植村真美委員(自民党・道民会議) ▼白川祥二...(2021-05-20) 全て読む
道議会質疑 予算特別委員会(令和2年12月8日)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】 【質問者】 ▼佐々木大介委員(自民党・道民会議) ▼木葉淳...(2021-05-19) 全て読む
道議会質疑 予算特別委員会(令和2年12月4日)
【Q 質問QuestionA 答弁AnswerP 指摘Point outO 意見OpinionD 要望Demand】 【質問者】 ▼壬生勝則委員(民主・道民連合) ▼寺島信寿委員(公明...(2021-05-17) 全て読む
道議会文教委員会(令和3年5月11日) 知事公邸全体で施設整備を検討 近美の在り方
5月11日の道議会文教委員会では、道立近代美術館の今後の在り方について質疑が行われた。 近代美術館は昭和52年の開館後44年が経過し、収蔵環境の狭あい化などの課題が顕在化している。道の...(2021-05-14) 全て読む
道議会文教委員会(令和3年5月11日) 少人数学級導入で120学級増加 札幌市立を除く 小3・4の学級数
少人数学級の実施に伴う学級数の増加の状況について質疑が行われた。 国は令和3年度から7年度までの5年間で、段階的に小学校の全学年で少人数学級の導入を計画。道教委は2年度から3ヵ年計画で...(2021-05-13) 全て読む
道議会文教委員会(令和3年5月11日) 本年度は273校 時間講師欠員1校 札幌市立を除く小学校専科教員
専科教員の配置状況について質疑が行われた。 道教委の奥寺正史教職員課長は、本年度の札幌市を除く道内の小学校における専科指導教員の配置数として、加配によるものが国語20校、理科86校、算...(2021-05-13) 全て読む
道議会文教委員会(令和3年5月11日) 1日現在で21人 前年度比12人増 札幌市立を除く 教員の欠員状況
教員の欠員状況について質疑が行われた。 道教委の奥寺正史教職員課長は、札幌市を除く道内の学校における欠員状況として、5月1日現在で小学校13人、中学校7人、高校1人の合計21人となり、...(2021-05-13) 全て読む