道教委　いじめ根絶へ緊急会議　１人で抱えない組織を　近く通知　全道で取組徹底

（道・道教委 2021-05-21付）

　道教委は２０日、生徒指導にかかる緊急会議をオンラインで開催した。道内教育関係団体の代表が出席し、いじめ根絶に向けた方策を共有。１人の教師が問題を抱え込まない環境と組織づくり、保護者・地域と連携した情報モラル教育の重要性などを確認し必要な取組を徹底して進めていく。会議の内容は各市町村教委に通知し、取組の徹底を図っていく。

　道内すべての学校で教職員一人ひとりが児童生徒理解を深め、「いじめをしない、させない、許さない」学校づくりといじめ根絶に向けた必要な取組の充実を図るために開催したもの。

　道小学校長会、道中学校長会、道高校長協会、道特別支援学校長会、道都市教委連、道町村教委連の代表が出席した。

　中澤美明学校教育局指導担当局長は、重大事態の発生件数の増加、SNSの普及に伴ういじめの多様化・複雑化などから、学校・関係機関が連携していじめ根絶に取り組むことが一層重要になるとし、会議の内容を共有し、全道で徹底する考えを示した。

　続いて、出席者がいじめ防止の対応について発表。校長会は、１人の教師が問題を抱え込むことのないよう報告の徹底と情報共有、職員室の話しやすい環境づくりなど組織的な対応の重要性を指摘。子どもの安全を守る校長の意識とリーダーシップ、学校のいじめ防止基本方針の見直しと教職員の共通理解、早期発見・早期対応と有事に迅速に対応できる組織体制づくりを示した。

　小樽市教委の林秀樹教育長と池田町教委の加賀学教育長は教育委員会の対応を発表。ＳＮＳでのいじめは発見が困難かつ深刻化しやすいことから、家庭・地域との連携による情報モラル教育やネットパトロールなどに取り組んでいることを伝えた。

　このほか、いじめが起きた場合、関係するすべての子どもを含め面談し、総合的な情報からいじめをとらえる必要性を強調。教育委員会による支援体制の強化、複数の教員、スクールカウンセラー、学校外の人間を含めて情報を共有する組織づくりの大切さも示した。

　最後に、中澤局長は「いじめが放置され、命が失われることは絶対にあってはならない。現場の声を聞きながら施策、指導助言に努めていく。困ったことがあれば教育局に相談してほしい」と呼びかけた。

(道・道教委 2021-05-21付)