道高P連上川・名寄・留萌大会 生徒の希望につながる取組を
(関係団体 2021-06-16付)

道高P連旭川大会
海東会長はコロナ禍におけるPTA活動の重要性を訴えた

 【旭川発】第70回道高校PTA連合大会上川・名寄・留萌大会が12日、旭川トーヨーホテルを拠点に初めてオンラインで開催された。動画配信サイトでライブ配信し、道内外に発信。大会主題「新時代をひらく若者を共に支えよう~本音の語らいから生まれるPTAの活力」のもと、講演や分科会を展開した。各校のPTA研修等で活用できるよう、大会の様子は後日オンデマンド配信する。

 道高校PTA連合会(=道高P連)主催、全国高校PTA連合会(=全国高P連)共催。道高校PTA連合会旭川・留萌・名寄支部が主管した。

 新型コロナウイルス感染症の影響で2年ぶりの開催となった本年度は、実施方法を模索。運営担当者のみが会場に参集し、他会員は動画配信サイトYouTubeで映像を生視聴する形態をとった。

 開会式で、道高P連の海東剛哲会長があいさつ。「PTA活動は子どもたちの学校生活を知る貴重な機会」とコロナ禍におけるPTA活動の重要性をあらためて示した上で、学校と連携を密にし、少しでも高校生の希望につながる取組を進められるよう理解と協力を求めた。

 引き続き、旭川南高校PTA会長を務める小野寺公男大会実行委員長、全国高P連の泉満会長がそれぞれあいさつした。

 続いて、特別功績者表彰、功績者表彰、優良PTA会報表彰を実施。前道高P連会長の新井田寬氏、功績者代表で前道高P連監事の山本傑氏、旭川東高校PTAを代表して佐藤麻里子氏に海東会長から表彰状が手渡された。

 分科会Ⅰのあと、㈱土屋ホームスキー部選手兼監督の葛西紀明氏が「夢は、努力でかなえる」と題して講演。

 「保護者が学ぶICT教育」をテーマに掲げた分科会Ⅰでは、旭川明成高校の柿﨑哲平教頭による実践発表のあと、関係者がICT教育への期待や課題などについてパネルディスカッションを行った。

 大会の様子は、各校PTAの研修活動に活用できるよう、編集して後日オンデマンド配信する。開会式、分科会Ⅰ・Ⅱを12月25日まで、基調講演を7月11日まで公開する予定。

◆“社会人基礎力”重要 分科会Ⅰ 保護者や経営者ら議論

 分科会Ⅰでは、「子どもの進路のために親ができること」をテーマに講演やパネルディスカッションを展開。高校生が社会人基礎力を養うために何ができるか、学校・保護者・経営者それぞれの立場から意見を交わした。

 はじめに、札幌大谷大学の平岡祥孝教授が「学びを通して社会人基礎力を養う」と題して講演した。

 平岡教授は、本道における新規高卒就職者の離職率が全国より高いことなどから、学校教育におけるキャリア教育と職業社会の間に大きなかい離があることを指摘。

 「単なるインターンシップや職業探しに終始していないか」「資格取得志向に偏りすぎていないか」などと警鐘を鳴らし、働き続け、長く成長し続けるための基盤となる“社会人基礎力”を育成することの重要性を伝えた。

 社会人基礎力とは、経済産業省が提唱する「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」のこと。「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力と12の要素で構成されている。

 社会人基礎力の育成に当たっては、普段の学校生活における学びがすべて職業社会につながることから、「毎日がキャリア教育」との意識をもって指導にあたるよう呼びかけた。

 また、親は「職業人の先輩」との視点で子と向き合うなど、学校教育のみならず保護者の意識変革の必要性を強調。「学校と家庭・地域と三位一体で子の社会人基礎力の育成を」と訴えた。

 パネルディスカッションでは、平岡教授のほか、旭川南高校の斉藤昌志校長、留萌高校PTAの大石昌明会長、旭川商業高校PTAの鎌本かおり副会長、司会として旭川東高校PTAの北岸睦会長が登壇。

 「社会に求められる人材像」「進路にかかわる親子の話し合いの在り方」を中心に、学校・保護者・経営者の立場から意見を交わした。

 中で、「親として、社会人として子に何を語ってあげられるか、考え直さなければならない」「家族間の会話など、日常生活の中で折にふれて親が社会常識を伝えていく必要がある」など家庭教育の在り方が話題に。

 経営者としての顔をもつ登壇者からは、企業が重視している力として、コミュニケーション能力やチームの中で働く力などが挙がった。

 また、学校教育に求められる姿勢について「社会人基礎力を身に付けるため、人とのかかわり合いを通して成長する様々な機会を多く設定することが大切」「根拠をもって理解させ、心が納得しなければ動かないのが今の若者。働き方改革で一人ひとりと丁寧に向き合う時間の確保を」などの意見が出された。

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道高P連分科会
キャリア教育について意見を交わした

(関係団体 2021-06-16付)

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