札幌市教委　３年度研究開発事業　ＩＣＴ活用など３点で　感染症踏まえ５課題中止に

（札幌市 2021-06-22付）

　札幌市教委は本年度研究開発事業について、当初予定していた８つの研究課題のうち「ＩＣＴを活用した学ぶ力の育成」「地域とともにある学校づくりの推進」「英語教育改善プランの推進」の３つの研究課題に絞って研究を推進する。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から「自殺予防等、生命を尊重する心の育成」「がん教育の推進」など５つの研究を中止。推進校について、地域とともにある学校づくりの推進は７月上旬ごろ、英語教育改善プランの推進は、今月末にも決める見通しだ。

　市教委は、本年度研究開発事業にかかわって、①知・徳・体の調和の取れた育ち②札幌らしい特色ある学校教育③子どもの発達への支援④信頼される学校の創造⑤教科等の枠組を越えた教育―の５分野で８つの研究課題を設定。研究課題ごとに設定する実施要項に基づき研究推進校を指定するとともに、専門性のある研究課題について、校長、教諭、有識者等と教育委員会からなる実践研究会を設置して研究を進めるとしていた。

　新型コロナウイルス感染症の現状に鑑み、「自殺予防等、生命を尊重する心の育成」「がん教育の推進」「ＳＤＧｓ“環境”等の視点を意識した取組の推進」「帰国・外国人児童生徒等に対する教育の充実」「防災教育の推進」の５つの研究の中止を決断。「ＩＣＴを活用した学ぶ力の育成」「地域とともにある学校づくりの推進」「英語教育改善プランの推進」の３つの研究課題に絞って研究を推進することとした。

　「ＩＣＴを活用した学ぶ力の育成」の研究推進校には、中央小学校、中央中学校、宮の森中学校、市立札幌新川高校を指定。端末の家庭への持ち帰りの使用に関する検証や、すべての教科・教育活動におけるＣｈｒｏｍｅｂｏｏｋと無線ＬＡＮ、プロジェクターを活用した教科指導などについて実践研究を進めている。

　地域と学校が一体となり子どもを育てる組織や地域の人材を活用した多様な学び、体験の場づくりなどの具体的な取組の実践・効果等を検証する「地域とともにある学校づくりの推進」の推進校は７月上旬ごろに決定する予定。英語を用いてコミュニケーションを図る資質・能力の育成を目指した言語活動やパフォーマンス等による評価の実践的研究を進める「英語教育改善プランの推進」の推進校は、今月末にも決める見通しだ。

(札幌市 2021-06-22付)