網走市教委　児童生徒の１人１台端末　臨休時等に持ち帰り　７月から訓練　ルールも整備

（市町村 2021-06-25付）

端末持ち帰りなどが議題に挙がった

　【網走発】網走市教委は、臨時休業などの緊急時において児童生徒１人１台端末の持ち帰りを実施する方針だ。７月上旬から各学校で緊急時を想定した持ち帰り訓練を行い、各家庭の接続状況などを確認する予定。持ち帰りが必要になったときに備え、各校では活用ルールの整備など学びの保障に向けた準備を進めている。

　市教委は令和２年度、ＧＩＧＡスクール構想に基づく１人１台端末として、Ｃｈｒｏｍｅｂｏｏｋを各学校に整備した。

　また、新型コロナウイルス感染症拡大などによって臨時休業等になった場合に備え、通信環境が整っていない家庭に貸し出すためのモバイルＷｉ―Ｆｉルーター１８０台を整備するなど、端末の持ち帰り実施に向けた検討を進めるとともに、体制を整えてきた。

　持ち帰りを進めるに当たり、７月上旬から各学校で緊急時を想定した訓練を実施。児童生徒が端末を家庭に持ち帰り、専用フォームへの入力作業などを通して接続状況などを確認する。

　原則、家庭のインターネット環境を使用するが、環境が整っていない家庭に対しては、市教委のモバイルＷｉ―Ｆｉルーターを貸し出す。

　各学校では、訓練に向けて接続確認用フォームの作成や、持ち帰り時の活用ルールの整備などの準備を進めている。

◆学校ＩＣＴ推進委員会が会合　市内全校が連携し活動　デジタル教科書活用推進

　網走市学校ＩＣＴ活用推進委員会（大西篤委員長）は２１日、市内の網走地方教育研修センターで第１回会議を開いた。市内小・中学校の管理職や担当教諭などが出席。授業実践の共有等を通して、市内全校が連携して１人１台端末とデジタル教科書の活用を推進していくなどとする令和３年度活動内容や、緊急時における端末の持ち帰りに向けた取組について確認した。

　委員会は、ＧＩＧＡスクール構想における「誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学び」の実現に向け、どのように子どもたちを育成していくべきかについて、ＩＣＴを活用した授業等の調査研究、研修、情報共有を通して検討することを目的に、令和２年度に設置したもの。

　網走市教委の岩永雅浩教育長は開会あいさつで、ＧＩＧＡスクール構想に基づき、３年度から本格的に始まった端末の活用について、「まずは使って、児童生徒と一緒により良い使い方を模索していく、新たな使い方に挑戦してみるなど、主体的な取組が必要」と強調。学級間、学校間で格差が生じることのないよう、組織的な取組の推進を呼びかけた。

　大西委員長は、「各学校の実践や成果を共有して、網走の子どもたちの学びの質がより一層高まっていくものになってほしい」と述べた。

　議事に移り、大西委員長が委員会の本年度の取組について説明した。

　市内の子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現を目指したＩＣＴの活用に向け、市内全校の連携による１人１台端末とデジタル教科書の活用、学校間（学級間）で活用の差を生じさせない組織的な取組を推進。ＩＣＴを活用した授業実践の共有などに取り組んでいく。

　続いて、市教委の担当者が端末の持ち帰りについて説明。緊急時を想定した持ち帰り訓練の実施に向けたスケジュールや、貸出事務の流れなどを示した。

(市町村 2021-06-25付)