奥尻町3年度教育行政執行方針 デジタルドリル活用 ICTの実証モデル構築
(市町村 2021-06-24付)

奥尻町教委新谷順二
奥尻町教委・新谷順二教育長

 【函館発】奥尻町教委の新谷順二教育長は令和3年度教育行政執行方針において、国のGIGAスクール構想を踏まえ、遠隔学習やデジタルドリルなどを活用した「奥尻教育STEP―UPプロジェクト」に取り組むとした。新たなICT活用教育の実証モデルを構築し、児童生徒の学力向上に努めていく。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼確かな学力の育成等

 国のGIGAスクール構想に基づき、2年度に整備した1人1台端末の効果的な運用を図るため、企業等と遠隔学習やデジタルドリルなどを活用した新たなICT活用教育の実証モデル構築に向け、奥尻教育STEP―UPプロジェクトに取り組むなど、確かな学力向上に努めていく。

▼豊かな心を育てる教育

 道徳教育については、各学校の道徳教育推進教師を中心に様々な体験活動を通して道徳教育の充実に努め、豊かな人間性を培っていく。

 いじめや不登校対策については、町および各学校で策定しているいじめ防止基本方針に基づいた取組を継続し、学校・家庭・関係機関と連携を図っていく。

 町いじめ・不登校等対策委員会を定期的に開催し、各学校の取組状況、実態把握、協議などを通じ、情報の共有化を図るとともに、児童生徒がいじめ問題について自ら考え、行動する意識を高めるため、いじめ根絶子ども会議を開催し、未然防止に努めていく。

▼信頼される学校づくり

 学校・家庭・地域が一体となってよりよい教育活動を行う制度であるコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)を推進することによって、教育活動の充実に努めていく。

 業務改善については、町立学校における働き方改革アクションプランに基づき、学校閉庁日の設定や部活動休養日の取組を継続するなど、今後も道教委と連携しながら取り組んでいく。全校に導入している校務支援システムを活用し、引き続き教職員の校務の効率化を進め負担軽減を図っていく。

▼魅力ある高校づくり

 現在進めているまなびじま奥尻プロジェクトを行政と高校が一丸となって取り組むとともに、引き続き、道内外での学校説明会や体験入学などの生徒募集活動をきめ細かく行っていく。

 島留学生の受け入れ体制については、まなびじま松風寮と潮風寮の整備が終了したことに伴い、留学生の受け入れに一定の区切りがついた。不足分については、町内の民宿などに依存しているため、今後も引き続き協力をお願いする。

【社会教育】

 歴史・文化においては、郷土の歴史や文化を学び、芸術文化にふれることで心を豊かにし、生活に潤いと生きる喜びを与えることから、収蔵資料の活用・保存と、文化協会を軸に様々な文化活動を支援していく。

 町海洋研修センター図書室を拠点に、読み聞かせ団体「うみいろ」による乳幼児に対する読み聞かせや、図書室を期間限定でカフェにする「うみいろCafe」事業など、参加した子どもや保護者同士がつながる憩いの空間を提供するとともに、学校と連携・協働し、読書活動の推進を図っていく。

(市町村 2021-06-24付)

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