奥尻ＳＴＥＰ―ＵＰプロジェクト　ＡＩ塾や遠隔企業見学　町教委　島の地理的制約克服

（市町村 2021-06-28付）

　【函館発】奥尻町教委は、本年度新たに奥尻教育ＳＴＥＰ―ＵＰプロジェクトに取り組む。民間企業２社と連携し、ＡＩドリルを活用した「奥尻ＡＩ塾」や、島外講師指導のもとオンラインで企業見学を行う「奥尻キャリア教育」などを計画。離島という地理的な制約条件を克服し、児童生徒が夢の実現に向けて成長できる教育環境の構築を目指す。

　町教委と民間企業２社の３者が連携して取り組むＩＣＴ活用教育共同実証事業として実施するもの。

　プロジェクトの実施に当たり、民間企業からAIドリルや遠隔授業用機器の提供を受けながら、取組を進めていく。

　具体的には、オンラインでのキャリア教育、島の魅力発信、ＡＩドリルの活用、町内児童生徒によるプレゼンテーション大会および成果発表会などを検討。

　キャリア教育では「誰もが主役“奥尻キャリア教育”」と題して、連携企業をオンラインで見学するほか、実際に勤務している社員の話を聞くなどして、児童生徒の職業観の育成を図る。

　ＡＩドリルによる奥尻ＡＩ塾は、１人１台端末を用いて個々の理解度に合わせた適切な問題を出題したり、支援動画を活用したりする。個別最適な学びを推進し、児童生徒の自己教育力伸張や基礎学力向上を目指すほか、個々の習熟度を見える化し、指導の個別化について教員を支援していく。

　このほか、オンラインで島外の講師を招き、プログラミングを学ぶ奥尻ＩＴ学も検討している。

　今後、７月１２日に奥尻キャリア教育における第１回ウェブ授業を予定している。

　町教委の担当者は「これまでの教育内容を発展し、町内すべての児童生徒が、夢の実現に向けて成長できるような教育環境を構築していきたい」と話している。

(市町村 2021-06-28付)